<img height="1" width="1" style="display:none" src="https://www.facebook.com/tr?id=1176794389076832&ev=PageView&noscript=1" />

大麻合法も、子どもが世界一幸せなのも、理由は同じ──日本からオランダに、家族全員で移住したワケ【後編】

大麻合法も、子どもが世界一幸せなのも、理由は同じ──日本からオランダに、家族全員で移住したワケ【後編】

大麻合法も、子どもが世界一幸せなのも、理由は同じ──日本からオランダに、家族全員で移住したワケ【後編】

前編では、いかに、オランダが日本より進んでいるのか?ということをお伝えしました。今回の後編では、先進的なオランダの文化やそれらが生まれた背景を、国の成り立ちとともに、お話いただきました。

冨安 優太(とみやす ゆうた)

オランダ・アムステルダム Vatten Ramen オーナー経営者・投資家 千葉県出身。高校卒業後は芸術の道を志し日本大学藝術学部に進学するも、19歳で中退の道を選び単身フランスへ。20歳で日本へ帰国し、映像制作事業で起業。24歳の時IT事業へシフトし、自ら考え立ち上げた芸能人のブログ広告事業が大ヒットする。Webマーケティング事業、インターネットメディア事業、通販事業など幅広く展開し、2013年からオンラインショッピングだけに特化した妊婦向けサプリメント「美的ヌーボ」の開発、販売も手がける。 2016年、ビジネスと生活の場をオランダ・アムステルダムに移すべく、家族で移住。 ラーメン店を開業し、現在3店舗にまで拡大。(2018年7月現在)今後は、グリーンハウス事業、フィンテック事業、教育事業にも力を入れて行く。

第2回
大麻合法も、子どもが世界一幸せなのも、理由は同じ──日本からオランダに、家族全員で移住したワケ【後編】

オランダはかつて、地獄だった

冨安 優太(以下:冨安):オランダは、みんなが知っている通り、マリファナや売春が合法というのは有名な話ですよね。これだけを切り取って見てしまう人からすれば、「クレイジーな国だ」「そんな国大丈夫なの?」なんて印象を持たれがちだと思うんですが、しっかりとオーガナイズされた上での合理的な施策です。

これらの一つ一つにはオランダという国の成り立ちが関わってくるんですが、オランダの成り立ちって知ってますか?

えーっと、干拓地ということくらいしか知らないですね。

冨安:オランダって英語では「the Netherlands(ネザーランド)」。オランダ語ではネーデルランドって言うんだけれど、「低い土地」と言う意味で、そこから派生して「地獄」って意味もあるんですね。

大きさは九州くらいなんだけれど、海よりも低い土地が約4分の1あって、そこは干拓地。(※1)見ての通り山はない平地です。そんな地獄のような場所だから、もともとは人が住むような場所ではなかったんですよ。だからそんな場所に集まる人たちって、色々と理由があるわけです。もちろんそれは大昔の話なんですが。

いろんな理由があってオランダにやってきた人たちは、もちろん言葉も文化も違う人間ですから、そんな人たち同士がどうやったら一緒に生きていけるのかを考えてきた。そうやって、出来上がった国です。

あと、海外では珍しいことに、宗教色がとても薄い国ですね。(※2)

ヨーロッパ内どの国に行っても観光地ランキング上位に〇〇大聖堂が入っているんですが、オランダには入っていませんでしたね。

冨安:そうそう。教会がクラブになっていたり美術館になっていたりするくらいですからね(笑)

そのくらい宗教を排除しているんですが、それは今に始まったことではないですね。去年公開された映画「沈黙 -サイレンス-」でも描かれていましたが、日本の鎖国中にもオランダだけが貿易を許されてたんですよ。オランダ人は宗教が争いを生むことを分かっている。

とにかく戦わずして勝つ方法を心得ている、賢い政策を取っているなと感じますね。今ヨーロッパ諸国が直面している移民問題もないのは、その賢さゆえです。

お隣の国ベルギーに行ったら、駅前で移民が浮浪者になり治安を悪化させているので、違いがよく分かりますよ。


▲翌々日に降り立ったベルギー、ブリュッセルの駅構内。ライフルをもった護衛官が、いたるところに。

オランダにもっと興味があれば、さっきも言った「街道をゆく(第35巻)オランダ紀行」を読んだり、自分で調べてみたりすると良いと思うんだけれど、何を言いたいかと言うと、とにかく素晴らしい国なんですよ。

オランダ人、なんだかもうカッコイイですね!

冨安:そうそう。本当にカッコイイ人が多いし、経営者だけではなく、普通のビジネスマンですら、話していて勉強になりますよ。格言も会話の中にいっぱい出てきますから。

オランダ人ビジネスマン:「Keep your friends close and your enemies closer.」(友とは仲良く、敵とはもっと仲良く)
冨安:「I know your sentence. It's the Godfather’s.」

こんな会話を日常的にしますからね。本当にイケてますよ。

ルールなんてほとんどない、徹底された自己責任

冨安:こうやって歴史や政策をふまえつつ、住んでみて感じることは、とにかく自己責任を徹底した国であり、先進的な考えを持った国だなぁということですね。

他人に迷惑を掛けなければ、他国では違法なことも自己責任の上で許されるんですが、かと言ってルールが全くないわけではなく、そうやってほとんどが自由だからこそ、数少ないルールはきっちりと守ります。例えば、交通ルール。破って事故でもしたら、他人に迷惑をかけることになってしまいますからね。そうやって、きちんと線引きができているんです。

教育の面ではいかがですか?
ユニセフが発表する「子どもの幸福度ランキング」(※3)において、オランダは「世界一子どもが幸せな国」に選ばれていますよね。

冨安:やはり、教育も先進的で素晴らしいですよ。僕はあえて自分の子どもを現地校に通わせているんですが、子どもたちも楽しそうに学校生活を送っています。

現地校なので、もちろん言語はオランダ語。新しい環境であるし、異国だし、言語も全く違うので、心配に思っていた部分もあったんですが、孤立することのないようみんなでケアしてくれるんですよね。

先生方がですか?

冨安:もちろん先生もなんですが、子どもたちがです。イジメなんてことはないし、むしろなんでそんなことするの?って感じなんですよ。子どもたちがのびのびと生活できているのを観ていると、ストレスのない場所で育てることがどれだけ大事なことかって思い知らされますね。本当にオランダにに連れてきてよかったと思っています。

そして、教育においても「自己責任」を感じますね。自分たちのルールは自分たちでつくって行くんです。だから自発的な子どもが育ちますし、みんなびっくりするほどしっかりしていますよ。

さすが!世界で初めて株式会社を作った国

ビジネスについてお話を聞かせてください。
現在はどんな事業をされているんですか?

冨安:今はアムステルダムの中心部でラーメン店「Vatten Ramen」の経営をしています。日本人として戦えるビジネスは何だろうと考えた結果、まずはラーメン店を始めました。現在は2店舗目のオープンを控えていて、5年で10店舗計画があります。(※記事公開2018/7時点で既に3店舗に)

もう一つ、次の事業として着手しているのは、語学学校です。

英語の語学学校ですか?

冨安:そうです。オランダの母国語はもちろんオランダ語なんですが、第二外国語である英語普及率はなんと、15歳以上のオランダ国民の94%以上。ほとんどの人が英語をしっかりと喋れます。(※4)

海外に出てきたからこそ身に沁みて英語の重要性が分かっていますし、これからは必須スキルですよね。英語が第二外国語の国で学べることは、英語習得のしやすさに繋がりますし、先進的な教育の国で語学学校をやるということにも、すごく意味があると思うんです。

ビジネスの場としてオランダはいかがですか?

冨安:世界で一番初めにできた株式会社は、オランダ東インド会社。ここ、オランダです。だからもちろん会社に関する法律も進んでいますよね。法人登記なんて15分で済むくらい簡単でしたよ。

「ダッチ・サンドイッチ」問題(※5)として物議を醸してはいますが、AppleやGoogleの商標ロゴがあるのもオランダ。そして、今、数多くの企業がヨーロッパ地域のヘッドクォーターをオランダに移しています。(※6)

会社をやり始めて、従業員を大事にする環境には初め驚きました。だって、アルバイトにも有給ですよ?日本じゃ考えられない。

日本は、有給があっても取りにくいような会社も未だに多いですからね(汗)

冨安:でしょ?そんなことしてるうちに、ストレスで癌になっていく。ヨーロッパでは癌発症率って減り続けているのに、先進国で増え続けているのは日本くらいじゃないですかね。(※7)そんな国のどこに未来があるっていうの?

日本で経営している感覚のままでいたら、「え!?アルバイトにも有給?まじかよ!」って思っちゃうんですが、こっちで仕事をしてみて思うのは、これこそみんながハッピーな形だと思うんです。日本の企業もアメリカの企業も、利益剰余金を持ち過ぎていますよ。みんなが幸せに生きられる形が取れていない。

ヨーロッパ諸国、特にオランダは、日本の持つ課題をすでに解決している国です。そういったたくさんの問題を解決した上で、この世界でどう生き残っていくべきかということを既に考えている。

日本はもう過去に生きているんです。それに早く気が付いた方がいい。

常に学びがあり、自分を高めてくれる場所、それがオランダだった

オランダに来た理由というのは、自分が常に学べる場所を模索した結果なんだなと感じました。

冨安:そうそう。僕は常に学んでいたいと思っているし、国を問わず自分を高めてくれる場所に身を置きたいと思っているから、それで辿り着いたのがここ、オランダだったという感じですね。

そのための僕自身のルールとしては、「郷に入りては、郷に従え」。

学びたいのに、外から一生懸命勉強したって限界があるじゃないですか。だから、その国の生活をすることを心がけていますね。

若い頃、100万円を握りしめてパリに行って住んでみたという記事を拝見しました。その頃から、ご自身の考え方はきっとブレていないんですね。

冨安:そうですね、変わっていないと思いますよ。今日言っていることも、新しい情報や知識が入れば、明日には変わっていることだってありますよ(笑)

日本にも会社があると思いますが、現状はどのようにしていらっしゃるんですか?

冨安:もうそれは任せっきりですよ!今現在、6つの会社を持っていますが、銀行口座の通帳は自分の手元に1つもないですからね(笑)

「なんで海外にいるのに、日本の会社もうまくいっているの?」って経営者に言われることが結構あるんですよ。「やりたいけどできないんだ」とか「それをやったら、もう大変なことになっちゃった」って。

もちろん僕も苦い経験をたくさんして来ましたよ。仲間に裏切られたとか、お金を持ち逃げされたことだってありますけど、でも、それが起きてしまったという事実は変えられないから、次起きないようにどうするかを考えればいいと思うんですよ。失敗があったとしても、命がなくならない限り修正できるじゃんって。何度でもアップデートできるじゃない。

その強い気持ちはどこから来るんでしょう。

冨安:何でしょうね。それは僕がいつも子どもと声を掛け合っている合言葉かな〜。

僕が「なんでも?」っていうと、子どもが「ちょうせん!」って言うし、「ネバー?」って言うと「ギブアーップ!」って元気いっぱいに言うんですよ。

その言葉だけは呪文の様に唱えてますね。結局はそこしかないかな。

人生ってきっと、諦めそうになることの連続ですよ。
そこで諦めたら終わるし、諦めない限りいつか道はひらけて来ると思うんです。

世界で成功してるって言われている人と、うまくいっていない人がいるとして、その違いはどこかって言ったら、最後まで諦めなかった人とどこかで諦めてしまった人、たったそれだけの違いなんですよね。

 

VATTEN RAMEN


▲遅めのランチ時間にも関わらず、ほとんどの席が埋まっているほどの盛況っぷり。味はもちろんのこと、オーガニックにこだわった食材で作られたラーメンは、翌日に全く響かない。人気店になるのも納得。

HP:http://vattenramen.com/
facebook:https://www.facebook.com/vattenramen/

 

 インタビューを終えて

あくまでも私の肌感覚ですが、今回の旅でヨーロッパ約10ヶ国を周って来て、アムステルダムはダントツの治安の良さ!夜ひとりで出歩くことに、ほとんど抵抗を覚えなかった場所はここだけ。色々な背景や取り組みがあって、この街ができているんですね。冨安さんの話を聞いていなければ、「あ、治安が良い場所なんだ」だけで終わってしまうところでした。知れば知るほど、オランダは興味深い国。今回は旅の終盤で、駆け足の滞在でしたが、歴史を勉強した上で、もっとじっくりと味わいたい国ですね。

「まずは『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』をみて、ちゃんと世界を知るべきだ!」これが冨安さんの、一番のメッセージです。

(インタビュー:2017年11月実施)

第2回
大麻合法も、子どもが世界一幸せなのも、理由は同じ──日本からオランダに、家族全員で移住したワケ【後編】