5分で丸わかり!…政府がすすめる「働き方改革」の全貌

5分で丸わかり!…政府がすすめる「働き方改革」の全貌

「残業規制」「テレワーク(在宅勤務)」「副業・兼業」「同一労働同一賃金」…いずれのワードも一度は耳にしたことがある人も多いと思います。

これらは今、安倍政権が力を入れている「働き方改革」によって広めようとしているものです。既に、画一的な労働環境は限界を迎えています。特に育児や介護をしながらでも仕事ができる環境を作らないことには、労働力人口を増やすことはできません

安倍政権が掲げる一億総活躍社会を実現するには、画一的な労働環境に縛られることなく、国民一人ひとりが自分らしい働き方を実現できる環境が必要不可欠なのです。

2016年8月には、一億総活躍社会実現に向けて、働き方担当大臣を設置し、加藤勝信氏が就任したことも話題になりました。

ここでは「働き方改革」の目的、企業や個人にとってのメリットについて、詳しく解説していきます。

これを読めば、「働き方改革」の全貌が理解できるはずです!

なぜ日本は今「働き方改革」が必要なのか?

日本が直面する一番の課題は何と言っても少子高齢化です。少子高齢化が進むことで、労働力人口が減少しますよね。そうすると、国内で供給されるモノやサービスが減少し、それが結果的に業績の低下に繋がります。当然業績が低下すると、個人の収入も減ってしまい、消費が落ち込む。つまり、景気が悪化していく訳です。

そこで白羽の矢を立てたのが、「働き方改革」であり、最大の目的は労働力人口の増加です。では、労働力人口を増やすためには何が必要なのでしょうか?

早速見ていきましょう!

労働力人口とは・・15歳以上で、労働する能力と意思をもつ者の数(コトバンクより)

政府が掲げる具体的な働き方改革の計画とは?

1.残業規制(長時間労働の是正)

多くの企業は三六(さぶろく)協定を通して、企業と労働組合が残業時間の上限やそれに関わる取り決めを交わしていますが、その協定を無視した残業時間が課せられたり、例外措置を利用して月80時間以上の残業を指示している企業がいるといった課題があります。

そんな過剰な残業を防ぐべく法律で残業時間の上限を決めるのが「残業規制」なのです。法律で上限を決めるため、万が一上限を超えてしまう(法律を破ってしまう)と罰則の対象となります。

▼政府の目的
ちょっと意外かも知れませんが、長時間労働が減ることで少子化対策になるのです。これは女性に限った話ではありません。男性も長時間労働が是正されることで、家事や育児への参加を増やすことができます。家事や育児の分担ができることで、女性も復職しやすくなりますし、男性の家事や育児への参加率が高い家庭では第2子、第3子に恵まれる割合が高いというデータもあるそうです。

▼企業のメリット
残業時間を削減することで、残業代の削減に繋がることはもちろん、従業員の時間に対する意識が上がることで、労働生産性が向上します。短時間で成果を上げられるようになれば、企業にとっても大きなメリットになります。また、育児や介護など時間的な制約のある従業員は、残業の多い職場では当然働き続けることは困難になり、離職に繋がります。つまり、残業時間を削減することは、離職率の軽減にも繋がります。

参考記事:ウチの会社にも取り入れたい!残業削減をした5社の取り組み

▼個人のメリット
やはり、心身面の安定とワークライフバランスの確保ではないでしょうか。労働環境によっては、ストレスや慢性的な疲労から体調を崩したり、場合によっては過労死や自殺にまで発展したりするケースが発生しています。また、定時に帰れることができれば、自己研鑚の場や知人と交流する時間に充てることができ、そこで得た経験を仕事に活かしたり、仕事とのシナジーを生むこともできるでしょう。もちろん、政府の目的にある通り、子育て世帯にとっては夫婦で協力し合って家事や育児ができますし、介護を必要とする場合にも助かりますよね。

参考記事:勘違いしている人が意外と多い?ワークライフバランスの本当の意味と効果とは?


2.テレワーク(在宅勤務)の推進

政府は、「2020年までにテレワーク導入企業を2012年度比で3倍、週1日以上終日在宅で就業する雇用型在宅型テレワーカー数を全労働者数の10%以上にすること」が目標として掲げられています。そんな中、最近では省庁でも試験的に取り入れられるなど、国として積極的に取り組みを進めています。

▼政府の目的
主に3つあります。一つ目は、やはり「育児や介護」と「仕事」の両立です。特に主婦層の労働力を確保できるのは大きいでしょう。男性側も育児に参加できるようになれば、上記の残業規制でも挙げた通り、出生率のUPも現実味を帯びてきます。二つ目は、地域活性化です。固定された職場への出社がなくなれば、居住地の制限がなくなるため、地方へと人が流れる可能性があります。そうすると、地方での消費が増え、地方の活性化に繋がります。三つ目は、交通機関の緩和です。特に五輪期間中は交通機関の混雑が予想されるため、政府は「テレワーク・デイ」や「テレワーク月間」を設け、職場以外での勤務を促しています。

参考記事:テレワーク総まとめ!総務省とテレワークと、その未来

▼企業のメリット
従業員に対して柔軟な働き方を提供することで、有能・多様な人材の確保と流出防止に繋がります。価値観が多様化する現代では、「自由」を希望する人が増えていますし、固定された場所に捉われないことで、極端に言うと海外に住む人も採用できる可能性があります。他にも、オフィスコストや交通費の削減ができたり、ペーパレス化が進むことでコピー代の経費削減にもなります。

▼個人のメリット
テレワークを取り入れる一番のメリットは、仕事と家庭を両立できること。自宅で子育てをしながら仕事がおこなえることはもちろん、急な看病などでどうしても家を離れられなかった場合にも仕事を休む必要がなくなります。また、通勤時間の削減も大きなメリットになりますよね。特に都心部では通勤で1時間以上かかる人も少なくありません。満員電車に乗らなくて済むため、ストレスの軽減にも繋がります。

参考記事:会社へ行くことが“特別”になる日も近い?先進的な企業が取り入れている「リモートワーク」とは?

 3.副業・兼業の推進

これまで多くの企業では「本業に支障が出る」「業務情報が他社に流れる可能性がある」などの理由から就業規則で副業を禁止している場合がほとんどでした。
しかし、2016年2月にロート製薬が“副業解禁” を宣言したことが一つのきっかけとなり、他の企業でも副業が見直されるようになりました。そして、2017年の4月には神戸市の職員が一定の報酬を受け取りながらNPO法人などで活動ができるようになるなど、自治体でも副業への考え方は変わろうとしています。

▼政府の目的
少子高齢化による労働力不足を補うことができ、可処分所得の増加や創業の促進などが経済成長に寄与するのではと期待しています。ここからは、政府の裏の意図を勝手に推測した内容ですが、政府は上述した通り、残業の規制を推し進めています。そうすると、今まで残業代を計算して生計を立ててた人が困るのは容易に想定がつきます。つまり、所得が減る分、消費が減ってしまうリスクがあるため、それを副業・兼業を推進することで、補填できるようにする狙いもあるのでは?と思います。もちろん、政府が言及している内容ではないので、筆者の独り言としてスルーして下さい(笑)

▼企業のメリット
主に2つあります。一つ目は、本業では身に着けることができなかったスキルや物事に対する視点が広がることで、本業へのシナジーが期待できます。二つ目は、有能な人材の確保及び人材の流出防止にも繋がります。優秀な人であれば、他の会社から声が掛かることも多いでしょう。そのときに、副業OKであるか否かは大きな分かれ道になることもありそうですね。

▼個人のメリット
副業をおこなうことで本業以外から収入を得られるようになり、収入源が複数になることでお金に対する精神的な余裕が生まれることです。それ以外にもスキルの向上や人間力の向上にも大いに役立ちますし、本業とは違ったやりがいを得ることもできるでしょう。

参考記事:替えのきかない人材に!副業ではなく“複業”を選ぶ人が増えている…?

4.同一労働同一賃金

同一労働同一賃金とは、正社員だろうが非正規社員だろうが、同じ職務内容であれば同一の賃金を支払うべきという考え方です。
現状、非正規社員数は2016年時点で2,000万人を突破し、労働者全体に占める割合も37.5%と非常に高い水準にあります。※1「日本のパートタイム労働者の時間あたりの賃金がフルタイム労働者の6割弱にとどまる※2」という結果が報告されており、欧米諸国に比べると収入の格差が大きくなっているという現状があります。

※1)「非正規雇用」の現状と課題 より
※2)第1回「同一労働同一賃金の実現に向けた検討会」厚生労働省提出資料(P20)より

▼政府の目的
正社員と非正規社員の待遇格差を解消し、同じ条件のもとに、納得が得られる処遇を受けられ、働き方を自由に選択できるようにすることが目的です。また、時間的な制約を抱える主婦層は、非正規社員の割合も多く、主婦層の処遇が改善されることで、経済的な理由で諦めていた第2子や第3子に恵まれる可能性も高くなるのではないでしょうか。

▼企業のメリット
同じ職務内容であれば、同一賃金になるため、非正規社員のモチベーションが上がることで、パフォーマンスの向上が見込めます。

一方で、人件費が高騰することにより雇用が抑制されたり、正社員の給与を下げるリスクが懸念されています。

▼個人のメリット
現在、アルバイトやパートとして働いている人にとっては、賃金が上昇することで経済的な余裕が生まれます。

他にも、高齢者や外国人、主婦の雇用促進は、まだまだ大きなポテンシャルがあります
65歳以上の高齢者の7割近くが就業を希望しているにも関わらず、実際には2割程度しか就業していません。また外国人は、評価システムや日本語の水準が高いことに不満を感じているそうです。それらを解消して、より魅力ある就労環境を整備していく必要がありそうですね。子育て世代の主婦も大きな労働力にも関わらず、「待機児童」の問題や「小1の壁」などが大きなネックとなり、働きたくても働けない女性が多く存在します。

まとめ

様々な取り組みを行っている働き方改革ですが、皆さんは日本の働き方はどのように変化していくと思いますか?

政府が本格的に働き方改革を始動したことにより、日本における働き方は常に変化し続けていくと考えられます。今、当たり前だと思っているオフィスワークや副業禁止は、働き方改革が進んでいく中で4〜5年後にはそれも当たり前の働き方ではなくなり、働き方の新時代に突入する可能性もあります。

新時代に突入すれば、今勤めている企業の考え方や取り組み方が変わり、働き方を選択できる自由が生まれるかも知れません。

そんな変化を起こせるチャンスがいつ巡ってきても大丈夫なように「自分はどのような働き方をしていきたいのか?」について考えてみてはいかがでしょうか。ぜひ自分らしい働き方を見つけるきっかけにして欲しいと思います。

また、自分だけでなく家族にとって「理想的な働き方とは何なのか」を考えてみてください。これまでになかった新しい発見に出会えるかもしれません。

 

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