<img height="1" width="1" style="display:none" src="https://www.facebook.com/tr?id=1176794389076832&ev=PageView&noscript=1" />

「ほっこりと心温まる瞬間がある」地域密着型特別養護老人ホームの仕事。

「ほっこりと心温まる瞬間がある」地域密着型特別養護老人ホームの仕事。

「ほっこりと心温まる瞬間がある」地域密着型特別養護老人ホームの仕事。

全国的に見ても急速に増えている介護施設。2015年に設立された栃木県那珂川町の「和見の里山」は、地域密着型で全室個室という特徴のある特別養護老人ホームです。

施設長の高野さんと職員の小島さんに、こちらの施設での仕事についてお伺いしました。

高野譲司さん

特別養護老人ホーム 和見の里山 施設長 医療法人社団誠和会 高野病院 専務理事 経営企画室長

小島徳明さん

特別養護老人ホーム 和見の里山 介護福祉士 元那珂川町地域おこし協力隊員

第18回
「ほっこりと心温まる瞬間がある」地域密着型特別養護老人ホームの仕事。

小学校の跡地にできた地域密着の介護施設

和見の里山はどういった特徴のある介護施設なのでしょうか?

 

高野譲司さん(以下、高野):和見の里山は那珂川町在住の方に入居いただく、地域密着型の特別養護老人ホームです。7年前にできた施設は木のぬくもりを大事にした造りになっていて、各所に赤やオレンジなど暖かい色を使っています。栃木県は冬場にヒートショックで亡くなられる高齢者の方が比較的多いので、脱衣場や交流ホールにも床暖房を入れています。

 

コロナの前はこの交流ホールでみんなで集まり、ボランティアの方にフラダンスを踊ってもらったり、手品をしてもらったりとさまざまなイベントを開催しました。

 

現在はコロナの影響で面会は予約制になっていますが、以前は面会に来られたご家族同士が知り合いで盛り上がったりすることもよくありましたね。

 

地域密着型の施設ならではのエピソードですね。

 

高野:この施設は小学校の跡地に建てられていて、地元の方々から介護施設を作って欲しいという声が上がり実現しました。平成19年度に廃校になった小学校ですが、かつての卒業生が残した記念植樹は施設の南側に残っています。工事の途中には昭和の時代に埋められたタイムカプセルが合計24個も掘り起こされ、役場を通じてそれぞれの卒業生の元へと届けられました。

 

現在、入居者さんと職場の方は何名くらいいらっしゃるのでしょう?

 

高野:ショートステイの入居者様が10名。職員の数は現在全体で35名です。そのうち厨房のスタッフが6名おります。職員の数がもっと増えることで、入居者様の受け入れももっと増やしていければいいですね。

 

介護の仕事はどういった人に向いているのでしょう?

 

高野:お世話をする仕事なので母性本能がある優しい方に向いているのかなと思います。認知症の方は何度も同じ質問や要求をすることもありますし、体が不自由な方を抱えなくてはならなかったり、精神力や体力が必要な部分もあります。しかし特別な能力は必要ありません。

どんな仕事も初めは大変だと思うので、介護の世界にちょっとでも興味があったらまずは足を踏み入れて、半年は続けてみてほしいですね。その上で自分に向いてるかどうか判断してもらうのが良いかなと思います。

実際にうちの施設で働いているスタッフにも、最初は苦手意識があっても入社して2年経った今、先輩職員として後輩を引っ張る存在になっている者もいます。

最初から「おじいちゃんどうしたの?おばあちゃんお茶飲む?」と声をかけられる人はなかなかいないですが、先輩が「声をかけてみて」と指示してくれます。なかなか慣れなくても、続けることによって自分から気がつけるようになり、次第に指示を出せるように成長していくんです。そこまで続けられる環境をこちらが提供していく責任があると思っています。

仕事としてのやりがいはどんなところでしょうか?

 

高野:この仕事は入居者様やそのご家族から直接ありがとうと言ってもらえる仕事です。地域密着型なのでスーパーでご家族に会ったりすることもあり、そんなときに「いつもお世話になっています」と声をかけていただけると、やっていて良かったなと感じますね。この施設で天寿を全うされた入居者様のご家族の経営している飲食店には定期的に顔を出したりと、長いお付き合いができるのは地元に根ざした施設ならではだと思います。

 

今後やっていきたいことなどはありますか?

 

高野:地域の方との交流をもっと積極的に進めていければと思っています。施設のすぐ近くに新しい公民館ができたばかりですので、そこからもつながりが広がっていくと良いなと思います。逆に地域の方にもお越しいただいて、入居者様と触れ合うような場も設けたいなと考えています。入居者さん、介護士さん、地域の方々でいっしょになって地元のお祭りのようなイベントを開催して盛り上げていきたいですね。

移住のきっかけとなった地域おこし協力隊

小島さんはこちらで働く前は何をされていたのですか?

 

小島徳明さん(以下、小島):元々は地元のさいたま市で介護の仕事をしていました。29歳のとき何か今までとは違った、地域に関する仕事をしたいと思いいろいろと調べていたところ、埼玉県の秩父市に地域おこし協力隊の制度があることを知りました。ちょうどそのとき、地域おこし協力隊の体験ができるプロジェクトを行っていたので参加し、1週間くらい秩父市の地域おこし協力隊員の家に泊めてもらい、実際に活動を体験したのがけっこうおもしろかったんです。

関東圏内で地域おこし協力隊の募集を探したところ那須塩原市と那珂川町で募集がありました。8年前の当時は今ほど地域おこし協力隊の募集はしていなかったんです。どうせなら聞いたことのない町に暮らしてみたいと思ったのと、商店街の活性化の活動という募集内容がおもしろそうで、翌日には履歴書や必要な書類を持って役場に行きました。

 

すごい行動力ですね。那珂川町の地域おこし協力隊として活動した3年間はどうでしたか?

 

小島:あっという間でしたがとてもおもしろかったですね。それまでは介護施設の中で仕事はすべて完結していましたが、地域おこし協力隊時代は役場の中だけでなく農家さんや建設会社の社長、個人でものづくりをしている人などいろいろな種類の人と知り合いになっていきました。そんな中で自分で何をやるのか考えて行動していくのはとても刺激的でした。

 

町に知り合いが増えるのは心強いですよね。

 

小島:地域おこし協力隊は、自分にとってとても良い移住のきっかけになりました。僕のような外から来た人間でも、役場との関わりを持っていることで町の人からも信頼してもらうことができます。いきなり何の縁もなく移住するよりハードルはうんと下がるし、僕は今でも協力隊時代の知り合いともよく遊んだりしています。任期を終えてからのことはあまり考えていなかったのですが、ご縁があってこちらの施設への就職もトントン拍子に決まりました。

 

こちらでの仕事はどうでしょうか?

 

小島:以前働いていた施設では大部屋に複数の方が入っていたのですが、ここは全室個室ですので、ゆったりとした時間が流れているなという感覚があります。入居者様の年齢層は割と高めなのですが、自分の意思がはっきりしていて自立している方が多いですね。

それから「今日うちで採れたんだよ」って他の職員さんから野菜やお米をいただくことが増えました。お正月にはお餅と大根と人参と白菜のセットを「はい、これでお雑煮作りな!」てくれたり(笑)。みんな優しいんです。それもこういった地域の職場ならではなのかなって思います。

取材を終えて

自然豊かな里山に囲まれて、まるで我が家で家族と過ごしているかのようにゆったりと温かい時間が流れる和見の里山。地域密着型というかたちは入居者の方にとっても安心感があるのではないでしょうか。施設長の高野さん、職員の小島さんはお二人とも優しい雰囲気で、職場の和やかな空気感が伝わってきました。

第18回
「ほっこりと心温まる瞬間がある」地域密着型特別養護老人ホームの仕事。