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ものづくりの町「津山市」が地域活性化の手段として選んだ道とは?──つやま産業支援センター

ものづくりの町「津山市」が地域活性化の手段として選んだ道とは?──つやま産業支援センター

ものづくりの町「津山市」が地域活性化の手段として選んだ道とは?──つやま産業支援センター

B'zのヴォーカル稲葉浩志さんや、俳優のオダギリジョーさんの出身地で知られる岡山県津山市。かつて津山城を築き、美作の国の中心地として栄えた津山市で、いま様々な企業同士のコラボレーションが生まれています。
今回は企業と働く人たちの活力を取り戻し、地域の産業と経済を成長させるために開設した『つやま産業支援センター』のキーマンに津山市の魅力と、独自のサテライトオフィス誘致活動についてお伺いしてきました。

小坂 幸彦(おさか ゆきひこ)

つやま産業支援センター 統括マネージャー

沼 泰弘(ぬま やすひろ)

津山市産業経済部みらい産業課 主幹

【岡山県津山市】
人口102,896人、面積は506.33km2あり、県全面積の約7.1%を占める。(2017年2月1日時点)
岡山県北東部に位置し、北は中国山地、南は中部吉備高原に接する、都市と自然が融合する表情豊かな地域。713年に「美作の国(みまさかのくに)」という、かつて日本の地域行政区分だった令制国ができてから1300年に渡ってこの地域の中心となり、江戸時代に森蘭丸の一番末弟である森忠政が初代城主として「津山城」を築く。現在では桜の時期になると10万人超の観光地となる。
参考:津山市役所公式HP

都市生活と田舎暮らしが共存する「モノづくり」のまち

津山市のパンフレット
──早速ですが、「津山市」というのはどういった地域なのでしょうか?

沼 泰弘さん(以下、沼):この地域は戦災にも合わなかった関係で、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された古い街並み(城東町並)が残っているんです。また、優秀な洋学者を多数輩出しておりまして、日本初の内科医学の本や化学の本、植物学の本まで津山の藩医が作っているんです。

──では、人間の体や化学に関係した言葉が津山からたくさん生まれているのですか?

沼:そうなんです。例えば、内科なら「大腸」や「小腸」、面白いところでいうと「珈琲(コーヒー)」という当て字も津山の藩医が作った言葉なんですよ。

──へぇ~~!!

沼:こういった洋学というのも津山の特徴の一つです。あとは「食」ですね。実は、江戸時代に牛肉が食べられる地域が日本で2ヵ所しかなく、そのうちの一つが津山藩でした。そういったことから「ホルモンうどん」や「干し肉」といった牛肉文化が繁栄していったんです。

──津山からは言葉や食など、たくさんの文化を生み出しているんですね。では、現在の生活や暮らしに関してはどういった特徴がありますか?

小坂 幸彦さん(以下、小坂):とにかく生活と暮らしのバランスがいいんです!ショッピングといった都市生活と、田舎ならではの住み心地の良い暮らしがものすごく近接していて、両方いっぺんに楽しめる欲張りな地域なんですよ!

昔は移住っていうと本当の意味での田舎暮らしを想像していましたが、最近はもっと現実的な都市っぽい生活と自然を楽しむことができる「ちょうどいい生活」を求めて移ってくる方々が増えているんです。津山はそういった暮らしにドンピシャでハマってますからね。

──それは魅力的ですね!!確か津山はあまり地震や津波の被害にあっていませんよね?

小坂:そうなんです。「2016年度版J-SHIS地震ハザードステーション」という、今後30年に震度6弱以上の地震に見舞われる確率を表記した図表があるのですが、津山は震度4まではあっても震度5以上がないんです。さらに、原発から100キロ圏内にも津山は入ってないんです。

──日本で一番、安心安全な地域と言っても過言ではないですね!

小坂:あと津山は「中山間地域」と呼ばれる、農業をする上で重要な位置を占める地域に含まれるんです。そういったことから昔は中核都市として繫栄していたため、インフラが整っているということが「ものづくり」において強みとなるので、僕は「何でも作れる津山」と呼んでますが、市内には高い技術力を持った企業が3,000社以上あるんですよ。

──市内だけで3,000社!?それだけの数の高い技術力が集まっているのに何故、知名度が低いのでしょうか?

小坂:ほとんどの会社が大手企業の下請けをやっていることが一番の理由ですね。だから現在、「下請けからの脱却をしよう!」というのをテーマにし、下請けからメーカーに移行できるよう、製品に付加価値とブランド力を付けて外部に発信しようとしているんです。津山では「こんなに魅力的なことをやっているんですよ」って。

そういったアピールをすれば人材も定着して、外からも来てもらえる。この課題改善策の一つがサテライトオフィス誘致だと考え、それらを支援するために2015年4月に「つやま産業支援センター」を開設しました。

お金だけの支援じゃない!サポートが充実した津山のサテライトオフィス

──具体的にどういった支援をされているんですか?

小坂:4つの重点目標として掲げているんですが、マーケティングの強化、付加価値の高い事業への転換、地域ブランド創設(MADE IN TSUYAMA)、全国の人や企業との連携をこちらで支援していこうと考えています。津山はものづくりが得意な企業が多くハード面は強いですが、企画や販売といったソフト面が弱いんですね。そのあたりをサテライトオフィスの誘致を絡めながら支援していきたいと思っていて。

──なるほど。

小坂:例えば、製販連携を取って、販売する側の人と一緒になって作っちゃう。そうすれば、製品が出来上がった時点で売り先が決まっちゃうんですよ。そういったコラボが積極的にできる環境づくりをして津山の企業が、全国のソフト系の方々とつながってたくさんコラボしてほしいと考えてます。

──これまでのコラボ事例は何かありますか?

小坂:MADE IN TSUYAMAプロジェクトとして、津山の資源と技術を用いてファクトリーブランドを展開しているんですが、その第一弾として「SHAKUNONE(シャクノネ)」という高品質ネクタイを津山の縫製会社とブランドプロデュース会社がコラボして製品開発・販売を行いました。また別の縫製会社でもデザイン会社とコラボしてビジネスシーンでも使える、大人向けハイグレードジーンズを製品開発して東京インターナショナル・ギフト・ショーに出展したことで高い評価を受けましたね!

──(製品のパンフレットを見ながら)どちらも高品質なのが伝わりますし、ブランドロゴ一つとってもすごく洗練されてますね!

小坂:そういった部分がコラボの最大の強みですね!この他にも食品開発プロジェクト、新サービス&IT化プロジェクト、新技術・新素材開発プロジェクトの4つの専門プロジェクトで現在12個のコラボを生みだしています。

──つやま産業支援センターの開設から1年半で12個のコラボはすごいスピード感ですね!

小坂:やはりスピード感をもってやることはとても大事だと考えているので、より多くのコラボを生まれるキッカケ創りとして「異業種交流プラットフォーム」という会を開催してます。また、街中シェアオフィスと題して、津山でコラボが起きやすい場を用意するため、古民家をリノベーションしてレプタイル株式会社と共同運営でシェアオフィス「アートインク津山」を2015年にOPENしました。
アートインク津山

【アートインク津山とは】
つやま産業支援センターとレプタイル株式会社が共同運営で2015年10月にOPENした津山初のシェアオフィス。「創業&創造」の空間として、創業希望者や創業間もない方、サテライトオフィス設置を目指す企業などが利用可能。
※2017年4月から「インキュベーションセンター アートインク津山」に変更となります。

こういった取組みを通じてダンクソフトさんやサイボウズさんともつながることが出来て、コラボイベントも開催できたので「津山に来るといろんな人とつながれて、ものづくりができる土台があって、面白いことができる!」ということを知ってもらい、感じて頂くことが少しずつできてるのかなって思ってます。

──サテライトオフィス開設に関連するサポート体制も整えられてるんですか?

小坂:実際にサテライトオフィスを開設予定の会社さんには、事前にどういった仕事をされているか調べておき「こういう取り組みをしたら面白いですね」とこちらから提案させて頂いてます。お金だけ出して「あとは自分たちで頑張ってね」なんてことは絶対しません。企業同士の連携の場を提供したり、専門家にビジネス面でのアドバイスをして頂いたりと、様々なサポート環境を整えて事業の成功率を高めています。

──それはサテライトオフィスを開設しようとしている企業にとって心強いですね!

沼:サポート体制だけでなく、ソフト系事業者(IT・設計・デザイン等)に手厚い補助金も用意しています。

【正社員(事業主含めて)3名以上の場合】
・オフィス改修費(限度額300万円)
・事務機器導入費(限度額50万円)
・家賃補助(限度額15万円/月)

【正社員2名以内の場合】
・オフィス改修費(限度額150万円)
・事務機器導入費(限度額30万円)
・家賃補助(限度額7万円/月)

<補助率>
事務機、改修費:1/2以内 
家賃:1/2以内(1年目)
家賃:1/3以内(2年目)
家賃:1/4以内(3年目)
(ただし、改修費、家賃はいずれか選択になります)

参考URL:http://www.tsuyama-biz.jp/support/

心に響く製品づくりで移住者を増やす革新的「津山スタイル」


──それでは、今後の展望などがあれば教えて下さい。


小坂:津山の人たちの力をもっともっと活用して、協力してもらいながら、自分たちで仕掛けていこうよって話をしています。外部の方の意見も大事なので積極的に取り入れていきたいと思いますが、やはり中の人、つまり津山の企業や当センターが中心になって地域の人を盛り立てながらやっていかないとダメかなと。

──そのために今後も津山の企業とのコラボを積極的に行っていくのでしょうか?

小坂:そうですね!実は今、ある大企業さんとコラボしていて一緒に開発案件を進めていますが、大企業さんと我々の開発スピードが全然違うことが分かったんです(笑)

──津山の方が早過ぎると?

小坂:そうなんです。大企業は物事が決定するまでに時間がかかるのでものすごく遅いんです!これまで大企業がいないことがこの地域の弱みと言われていたのですが、むしろ中小企業しかいないことで開発スピードや製品リリースを極端に早くできるので、逆に強みだなって。だから、そういった中小企業のいいところを応援して引き出すことができれば、次世代の革新的なイノベーションを起こせる地域になるかもしれないなと思うんです。

──まさに発想の転換ですね!

小坂:津山には技術もあってスピード感もあるので、あとはここに一捻り加えてあげることが大事なんです。たとえば都心にはデザイナーが多くいるので、お金を出せば一緒にやってくれるかもしれません。でも、それで本当に気持ちが伝わる製品がつくれるかというとそうじゃないのかなと。「津山でやっていきたいんだ!」って意志のある人が考えた製品の方が確実に心に響くんですよね。時間はかかりますがそういった想いをもった人を U・Iターンも含めて増やしていこうと計画しているんです。

──そういった考えに共感して津山に来る人が増えたら、津山らしい形が出来上がりそうですね。

小坂:これを10年かけてしっかりと形にしていきたいんです。そうすることで、ちゃんと収入が得られる製品を作ることができ、雇用も生まれる。人と人とがつながっていく良いサイクルを長期的に作り上げて、さらに支援していく形が「津山スタイル」だと思っています。

──これから「津山スタイル」でどんなモノが生み出されていくのかとても楽しみです。本日は貴重なお話ありがとうございました!

 

岡山県内で初めてのシェアオフィス「アートインク津山」を運営するレプタイル代表丸尾さんと、実際にサテライトオフィスとして利用しているアイダメカシステム代表丸山さんにアートインク津山の創業経緯や魅力ついてお届けします。(3月13日に配信予定)