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多拠点生活のパイオニアが語る「田舎に住むメリット」って?ときどき下川町 イベントレポート

多拠点生活のパイオニアが語る「田舎に住むメリット」って?ときどき下川町 イベントレポート

多拠点生活のパイオニアが語る「田舎に住むメリット」って?ときどき下川町 イベントレポート

家や仕事の拠点が全国や世界に点在し、その間を行き来しながら生活を送る『多拠点生活』。リモートワークや複業が推奨される昨今の傾向から、そのハードルはぐっと下がっており、今や誰にでも実現のチャンスはあります。今回は、そんな多拠点生活に深い関心を持つ個性豊かな3人に、その魅力について存分に語っていただきました。

島田 由香(しまだ ゆか)

ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 取締役 人事総務本部長。学生時代からモチベーションに関心を持ち、キャリアは一貫して人・組織にかかわる。中学3年生の息子を持つ母親。

仲埜 公平(なかの こうへい)

地域の環境・再エネのコンサルタントを専門に活躍。下川町には、2008年から仕事で往訪するようになり2010年に移住。現在は、下川町、徳島市、墨田区の3拠点で仕事・生活を送る。

吉田 誠吾(よしだ せいご)

インビジョン株式会社のCEO兼カンパニーカルチャークリエイター。人材ビジネス歴18年目・経営歴11年目・2児の父親。

多拠点生活に興味を持つきっかけ

司会:「ときどき下川町〜場所に依存しない働き方〜」ということで、北海道の下川町と多拠点生活に関わりを持つ3人にお越しいただきました。まずは自己紹介をお願いします! 

吉田:インビジョン株式会社 代表の吉田です。社員は50人くらいで、半分くらいが正社員。出社する人が半分、リモートワークが半分です。僕自身は、3年後くらいまでには本格的に多拠点生活を始めたいと思っています。あと、年間8回は子どもたちとキャンプに行くと決めていて、1年に1回は西表島に行っています。

仲埜:仲埜です。顔が赤くてすみません。一杯飲んで来てしまいました(笑)現在は、北海道の下川町、徳島、東京の3拠点生活をしながら、コンサルタントの仕事をしております。もともと環境省に務めていて、その仕事の付き合いで下川町を知りました。4年前に地域に根を下ろしたいなという思いから、家を建てて、今は下川町が1割、徳島での仕事が4割、東京が5割という感じで生活の拠点となっております。 

島田:ユニリーバで人事をしている島田です。人のモチベーションに昔から興味があって、「世界でこれ以上おもしろい仕事はない!」と思いながら、人事の仕事を20年以上やっています。経営と人事、という観点で「誰もが自分らしく生きられる社会をつくる」これが私のミッションです。 ということで、今日来ている人、笑顔が少ないと思います!!ぜひ、“表現する”ということをして欲しいので、隣の人と自己紹介とか今日来た理由なんかをちょっと話してみてください! 

(突然の提案に焦る司会。どよめく会場。) 

島田:では2分たったので、我こそは今日ここへ来た理由を表現できるという方!いたらお願いします!

(意外にも多くの方から手が挙がる!)

参加した理由

  • 仕事または趣味で下川町に行く予定がある。
  • 下川町のイベントに2回行ったことがある。
  • 登壇者の島田さんに就職のアドバイスをもらったことがあったので、また会いたいと思った。
  • 会社のメンバーで地方プロデュースをやっている。
  • ローカルで働くというメリット、デメリットを知りたい。

 

司会:皆さんありがとうございます!下川町に関係のある方々もいらっしゃることがわかりました。島田さんも下川町でリモートワークをされた経験をお持ちですが、仲埜さんは実際に移住されているということで、一体どんなところなのか紹介していただけますか?

下川町ってどんなところ?

仲埜:温泉やキャンプなどが楽しめて、雪景色が綺麗で、野菜などの食べ物も美味しく、本当に自然豊かなところです。

広大な大地というよりはなだらかな山が広がっているところですね。

最近では、雑貨屋さんが出たりするようなイベントもやっていますね。今年は7月13,14日で開催されるのでぜひお越しいただきたいです。

地域に移住する魅力は、ずばり「人」

司会:では、実際に多拠点生活を送るとなったら、お三方は何を基準に場所を選びますか?

島田:まず浮かぶのは人ですね。うちの会社で実施している制度『※WAA』を利用して、色んな地域へ行く中で「もう一回行きたい!」と思うところが増えていきました。それは「あの人にまた会いたい!」と思うことが大きくて、なのでやはり人ですね。下川町でお目にかかった仲埜さんもそのうちのひとりなんです。

仲埜:ありがとうございます。僕は、ブラジルで生まれているんで基本的にあたたかいところが好きなんです。でも反対に、厳しい環境へのチャレンジ精神がありまして、すごい不便とか寒いところって、そこでやっていけたら何でもやっていけるって思うじゃないですか。楽がしたくて行くんじゃないんで、そういうところを選びます。

吉田:ひとつはコミュニティですね。こういうところに属したいなって思えるところがあることです。毎年、西表島に行くのもそうなんですけど、移住者も地元の人たちもおもしろいんです。午前中はツアーガイド、夜はハブ捕りをやっている人は、自分のこと「パラレルワーカー」って言ってました(笑)。そういう魅力的な人たちと居たいなって思います。

あと重要視する点は、子どもが子どもらしく居られる場所。都会にいると「うるさい!走るな!」とか怒られてしまうので、子どもが存分にはしゃげるところに行きたいですね。 

島田:それはわかりますね。自然に触れる機会を作ってくれる両親がいるのは良いですよね。

吉田:東京って何をしていても、勝手にインプットが入ってくるでしょう。僕にとっては、焚き火しながら飲んでるときが一番クリエイティブな時間です。インプットを遮断して、ひたすらアウトプットだけができるので。

※WAA…ユニリーバ・ジャパン・ホールディングスで導入されている制度。平日の6時~21時の間で自由に勤務地、勤務時間、休憩時間を決められる。工場および一部営業を除く全社員が対象で、期間や日数の制限はない。ただし、1日の標準労働時間は7時間35分、1ヶ月の標準勤務時間=標準労働時間×所定労働日数とする。

ぶっちゃけ、田舎に行って仕事ってあるの?

司会:さて、皆さんが一番不安に思うところかもしれませんが、実際に地域に行ってみたとして、仕事は簡単に見つかるんでしょうか?

仲埜:農業もあるし、コンサル業だって、何だってできます。北海道だけで約180自治体あるのでそういったところからの仕事だってありますし。複業レベルでは、その辺の人に聞けば何でもあります。ふらっと移住してきて暇らしいって噂が出回って、犬の散歩の手伝いとか、トマトの選別とか、野菜育てたりとかしている人もいます。

司会:移住するにあたり不安はなかったですか?

仲埜:まあ何とかなるんじゃないかと思ってました。

吉田:会社に務めながら多拠点を持ちたいと考えている人も増えていますよね。給与明細だって郵送で送る時代は終わりましたし、なんでもオンラインでできる。経営者としてもやりやすくはなっていると思います。もしも制度がないことを理由にして、できないと思っているんだったら、経営者に直接発言してみるのって大事ですよ。

島田:できないから」で終わるのは本当にもったいないですね。仕事は東京に行かないとないとか、大企業に入らなければいけないというのもすべて思い込みです。地域を出て東京で就職することは、これだけ問題視されている人口減少をさらに深刻化させています。自分の地域が素晴らしくて美しいっていうことを、外から来た人に教わることも多いです。そういう意味で、もっともっと交流が増えると良いと思います。

地域での仕事、生産性への影響は「大」

司会:では、普段の仕事をあえて地域ですることで、生産性にはどんな影響があるとお考えですか?

島田:これはデータもあるのですが、同じ場所で同じところに座りながら、何かをやるときと、場所を変えてやるのとでは、後者の方が無意識下の集中力が高まります。周辺視野がいつも同じだと脳が安心してるんです。いつもと違う危険だ、より注意をしようとすることで、同じことをやっていても記憶などの脳のプロセスが全然違うんです。あとは、120度の視野の中に10%以上グリーン(植物)があるかどうか。ということも大きく関わっています。移動距離とクリエイティビティも比例します。それはなぜかというと、いつも会わない人と会う、いつも見ないものを見ることが脳に与える刺激が大きいからです。 

仲埜:僕も、北海道にいるときは、徳島の案件の仕事が捗るし、その逆もありますね。現場から離れると効率が上がってきます。これをパターン化してくると「今はこの仕事をやる時間」っていう時間配分がはっきりとしてきて、効率は上がると思います。あとは、無駄な誘いを断りやすいですね。「物理的にいないので!」と言えますから(笑)。

吉田:二次情報は資産にならないので「自分で体験する」ことが大事なんです。スマホの滞在時間が長くなったって何もその人の資産にはなっていないです。だから、初めての環境へ行くっていうのはクリエイティビティに影響大ですよね。 

あとは、「行ってみたい」「やってみたい」って思うその意欲があるときってめちゃめちゃパフォーマンスが上がっているんです。 「会社へ行きたくない」よりも「地方へ行きたい!」というモチベーションの中で仕事をしたほうが絶対生産性は上がると思います。

島田:毎日通勤のために、何の疑問も持たず満員電車に乗っている人は、多くの場合「仕方がない」と考えています。実際にはそうしなければいけない理由なんてありません。無駄なことにエネルギーを費やしてストレスを溜めている状態なのに、生産性を上げろなんて無理に決まっています。仕方がないと思っていることに、そうでないと気づくことが必要です。

よそ者と変態のチカラで世の中を変えろ!

司会:では、ここからは質疑応答の時間に移ります。

Q.地域でリモートワークをすることに対して、会社から反対された場合はどうすればいいですか?

島田:リスクを考えろとか、メリットがわからない、無謀だ、というのは一番多く言われますね。そういう人にわかってもらうには、実際に体験した人を増やして、その人たちの声を聞いてもらうことが必要です。あとは、ガイドラインやテンプレートを作るのも大事ですね。そういうものがあると安心できるので。

Q.どうしたら田舎に人が集まりますか?

仲埜:発信力を上げていくことが一番大事です。行政の指導などにはお金をかけるべきですね。あと、下川町が活発なのは、元からの寛容性があって人の出入りが激しいというのもひとつありますが、それはつまりよそ者のチカラが大きいんです。地元で生まれ育った人だけで何かするよりも、いったん外へ出た人、外から来た人を巻き込むのがいいです。  

Q.地方創生はどうすれば上手くいくでしょうか?

島田:地域の方が困っていることをいっしょに解決して、win-winの関係を築くことが大事ですね。知恵、知識、労働力を提供することで、地域の活性化に繋がっていきます。うちの会社でいうと、商品のプロモーションのスキルを、地域のプロモーションにそのまま使ってみたりとか。プロジェクトが上手く行く地域には「それおもしろい!やってみたい!」という変態が必ずいるんです。この会場にも絶対いますよ(笑)。そういうコミュニティができてくると実現できるんです。

まとめ

登壇者3人の個性が爆発した今回のトークセッション。多拠点生活を送ることは、仕事の効率化やモチベーションの向上だけなく、地域の活性化にも繋がります。参加者からは「自分の地元をもっと元気にしたい」「地方移住の成功例がもっと増えるといい」などという熱い声も飛び出し、活気のある地域の未来を感じられました。