一体何が問題なのか…待機児童問題の原因と解決策について考えてみた

一体何が問題なのか…待機児童問題の原因と解決策について考えてみた

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「保育園落ちた日本しね」のワードが2016年のユーキャン流行語を受賞し、再びスポットライトを浴びている待機児童問題。都市部で働くお母さんたちが直面している問題です。

しかし、一体何が本質的な問題なのかピンと来にくいのも事実…。今回は「いつか子どもが産まれても働き続けたい!」と考えている未来のパパやママにぜひ知っておいてもらいたい、待機児童問題の現状と自分なりの解決策をまとめてました。

待機児童は都市部に集中

まずはじめに、待機児童とはどんな児童のことなのかを考えてみましょう。

待機児童とは、

保育所への入所申請がなされており入所条件を満たしているにもかかわらず、保育所に入所できない状態にある児童のこと。
(引用元:コトバンク)

 …なんだか難しいので噛み砕いて見ると、

出産終わって落ち着いてきたしそろそろ仕事復帰したい!
子どもを保育園に入所させよう!

空きがないので子どもを受け入れられません・・・

えっ!じゃあ自宅で子どもを見なきゃ。仕事復帰できない…。

・・・ざっくりですがこういうことです。

仕事をしたいのに仕事復帰ができない女性(場合によっては男性)が増えているんですね。

では、待機児童問題が顕著に現れているのはどこなのでしょうか?

こちらは、厚生労働省が調査した「保育所等関連状況取りまとめ(平成 28 年4月1日)」。昨年度のデータですが、特に首都圏に待機児童が集中していることが分かります。

このデータをもとにランキングを作成してみました.。

H28年(2016年度)
待機児童数ワーストランキング

1位:東京…8,466

2位:沖縄…2,536人

3位:千葉…1,460人

4位:大阪…1,434 人

5位:兵庫…1,050 人

東京都が際立って多いことが分かります。2位の沖縄は意外でした。ちなみに、市区町村の待機児童ワーストランキングは

H28年(2016年度)
市区町村別 待機児童ワーストランキング

1位:東京都世田谷区…1,198人

2位:岡山県岡山市…729人

3位:沖縄県那覇市…559人

4位:千葉県市川市…514人

5位:東京都江戸川区…397人

となっています。この地域にお住いの方は、待機児童問題が人ごとではないですよね。

しかし、待機児童はこれだけにあらず…!

隠れ待機児童という言葉をご存知ですか?希望した認可保育所に入れていないにもかかわらず、国や自治体で待機児童としてカウントされていない子どものことです。

・親が育児休暇を延長した場合
・親が求職活動を辞めた場合
・第一希望の保育所に入れず、無認可保育所に入所した場合

例えばこれらの場合は、希望している保育所に入れていないのにも関わらず、待機児童としてカウントされないことがあるのです。

朝日新聞デジタルより、2017年4月1日時点での調査結果

2017年4月、新しい定義が定められ待機児童数の再調査が行われていますが、隠れ待機児童を合わせると待機児童数はさらに増えると予想されます。新しい定義が適用された集計は、2018年に明らかになるということです。

なぜ待機児童問題は解決しないのか

では、なぜ待機児童問題はこれほどまでに大きな問題になっているのでしょうか?原因はいくつかあります。

原因1:女性の社会進出

社会の経済不況から、男性だけでなく女性も働く世帯が多くなりました。一昔前の「男は外に出て仕事、女は家庭を守る」という風習がなくなってきているのですね。実際に、25歳から44歳の結婚している女性の就業率は、60%を超えているそうです。(参考:厚生労働省

原因2:都市部に児童が集中

先ほどのランキングにもあったように、待機児童は都市部に集中しています。仕事も豊富で、住むのにも便利な都市部に人が集まるのは仕方のないことなのかもしれませんが、地方の保育園はガラガラで定員割れしているところも多数。

また、都市部は保育園を作る場所も限られてくるのが現状。国の基準を満たす土地や園庭の広さを確保することが難しかったり、「子どもの声がうるさい」などの理由で周辺住民の理解を得られずに断念してしまうこともあります。

原因3:核家族化

お父さん、お母さん、子どもだけという核家族がどんどん増えてきています。2015年の段階で児童のいる世帯の79%が核家族だそうです。(参考:厚生労働省)
おじいちゃんやおばあちゃんに子どもを預けられず、結果的に保育園を希望する家庭が多いということなんですね。

原因4:保育士不足

国の取り組みによって、保育園自体は少しずつ増えてきていますが、そこで働く保育士が足りていません。保育士資格は持っているけど、低賃金や労働環境などが理由で保育士を諦める潜在保育士が多いことも問題になっています。

こちらは、過去8年間の保育士の平均年収。(参考:年収ラボ
300万円台前半あたりを安定的に推移していますね。ここから読み取れる保育士の給料は、月収で22万円、推定時給は1,251円です。

保育士になりたての方のお給料ならまだしも、勤続10年目であってもほとんど年収は変わらないのですから、潜在保育士が多いというのも頷けますね…。

最近では国で保育士の労働環境や待遇を見直す姿勢も出てきていますが、なかなか改善は難しそうです。乳幼児期という人間の根っこの部分を育てる仕事だというのに、この扱いは少し悲しいです。

・・・・・・

こういったいくつかの原因が重なり、待機児童問題は表面化してきています。少子化が進んでいるのに待機児童が増えている背景には、これらの原因が潜んでいるのですね。

具体的な解決策を提案!

待機児童問題、なかなか解決しないし、結局どうしたら良いの?

本当は、子どもを受け入れられる保育園がどんどん増えること & 保育士が増えることが一番なのですが、今すぐにはできなさそう。
そこで、解決法をいくつか考えてみました。

個人が変わる方法

・自宅でリモートワークをする

国が変わらないのなら自分が変わる…!と言ってしまえばかっこいいですが(笑)。会社に出社するから子どもを預けなければいけないのであって、自宅で子どもを見ながら仕事ができればその必要は無くなります。

実際にFledgeを運営するえふななでも、子どもが産まれたのをきっかけにリモートワークへ移行した社員もいます。(「週2リモート勤務」を始めて2ヶ月経って思うこと ── 在宅系パパの毎日)自宅でのリモートワークを推奨してくれるような環境や仕事内容に限られてしまうのですが、1つの案として考えてみてください。

・待機児童の少ない自治体に引っ越す

こちら↓は、東京23区保育園マップさんよりお借りした、2017年度最新版の東京23区の待機児童数の比較図です。

東京23区保育園マップより

赤くなっている区が待機児童問題が特に顕著な自治体で、逆に水色の区はそこまで本格化していない自治体です。今後引っ越す予定がある方は、こういった面も考慮して引っ越し先を考えるというのもアリですね。

企業側ができる方法

・事業所内保育所を取り入れてみる

保育園がないなら、自分の会社に作っちゃえば良いじゃない!(どーーーん)
……そう簡単なことではないとは思いますが、これも1つの手です。事業所内に保育施設があると、子どもに何かあれば直ぐに駆けつけられますし、凄く助かります。厚生労働省の運営支援助成金を利用して、事業所内保育所を設立する企業も多くあります。また、こういった制度があることで企業の魅力度や従業員満足度も大きく高まることが期待されますね!

・子育て世代に配慮した環境を整える

子育て中のママやパパが家に帰りやすい環境を作ることもとても大事。「子どものお迎えがあるのに、なんだか帰りにくい…」という環境はもってのほか。「長時間労働が良し」というような一昔前の企業風土があるのならば、今すぐにでも取っ払いましょう!

短時間勤務制度や在宅勤務のような柔軟な働き方を用意することも大事。これらの取り組みで、子育て世代の負担は大きく軽減されます。

保育園ができる方法

・保育士が長く働き続けられる環境を目指す

保育士が長く仕事を続けられない理由。
お給料の低さももちろんですが、勤務時間が長かったり、時間外労働が多かったりといった過酷な労働環境も大きな原因です。園全体の協力体制で改善できる部分も必ずあるはずなので、保育士さん一人一人のワークライフバランスを保てるような環境を目指したいですね。

・無認可の保育園の評価や信頼度を上げる

「無」という漢字がつく無認可保育園。どうしても認可保育園より人気は落ちてしまいます。その結果、第一希望の認可保育園に落ちてしまい待機児童となる子どもがたくさんいます。無認可保育園でも素敵な保育園はたくさんあるので、初めから選択肢の1つに入れておくと視野が広がるかもしれません。

同時に、無認可保育園も自分の園の信頼度を上げることが必要ですよね。「認可保育園“だけ”が良い保育園」というイメージを、どんどん払拭していくべきです。(保育園の認可無認可の詳細については、次回の記事で紹介したいと思います。)

さいごに

待機児童問題が注目され始めたのはここ数年ほどですが、以前から問題はずっと水面下にありました。都市部で働くお父さんお母さんにとっては人ごとではない待機児童問題。様々な原因が重なり合っていて簡単には解決しない問題ですが、お父さんお母さんだけではなく周囲の人の意識が変わることで子育てをしやすい環境は作れるのではないでしょうか。

まだ子どもがいない方も、この記事をきっかけに「待機児童問題」や今後の働き方について興味を持って欲しいなと思います。

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