<img height="1" width="1" style="display:none" src="https://www.facebook.com/tr?id=1176794389076832&ev=PageView&noscript=1" />

行政の働き方を一刀両断!「総務省の働き方改革チーム」が進める“本気”の働き方改革とは?

行政の働き方を一刀両断!「総務省の働き方改革チーム」が進める“本気”の働き方改革とは?

行政の働き方を一刀両断!「総務省の働き方改革チーム」が進める“本気”の働き方改革とは?

昨今、耳にしない日がない「働き方改革」。先進的な働き方や、独自の施策を打ち出す企業が増えていく一方、行政の働き方についてはまだまだ謎に包まれていることも多いですよね?

私自身、公務員の働き方に、かねてから興味を持っていることもあり、調査していると、どうやら総務省の中には「総務省働き方改革チーム」があるとの情報をキャッチ!

今回は、2018年6月27日に総務省内で行なわれた「総務省働き方改革チーム」省内報告会に潜入させていただきました。

この日の報告会には、奥野総務副大臣や3政務官の他、野田総務大臣も激励に駆け付けており、その注目度の高さを感じました。

若手職員が中心となった総務省働き方改革チーム、いったいどんな対応策を提言したのでしょうか?

総務省働き方改革チームとは?

総務省働き方改革チームは、総務省内の「働き方改革」の実現に向けて、省内の公募で集まった25名の職員により2018年1月に発足しました。

これまでの約半年間、「意識改革班」「業務改革班」「働きやすさをサポートするインフラ整備班」の3つのグループに分かれて、省内の問題を共有。企業や自治体とのディスカッションやヒアリングをし、メンバー同士で議論を重ねてきたのだそうです。

そして、半年間の活動の成果として、総務省の働き方をより良いものにするための8つの方針と28の対応策を策定。

この日の報告会では、その方針と対応策について発表されました。

総務省の働き方はなにが問題なの?

さて、Fledgeの読者の皆さんの中には「そもそも総務省の働き方ってどこに問題があるの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

この日の発表によると、総務省がこれから本気で働き方改革に取り組まなければいけない理由は2つ、「職員を取り巻く環境」「職員の意識やモチベーションの差」にあるとのことでした。

問題点1:総務省職員を取り巻く環境について 

総務省の職員は、およそ4,000名。そのうち40代以上の職員は、全職員の61%を占めています。職員の男女比を見てみると、44歳以下の職員に関しては女性の割合が25%以上。さらに今年度新規で採用された職員における女性の割合は44.7%です。

この結果から、5年後、10年後のことを想像すると、出産や育児、介護などのライフイベントの変化により、今のような勤務をすることが難しい職員が増えることが予想されるのです。

問題点2:職員の意識やモチベーションの差について

2018年4月に総務省の職員に対し、働き方に関する意識調査を行いました。その中で「あなたは、モチベーション高く仕事ができていますか」との質問に対し、「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」と答えた方は65%。職員の半数以上が働きがいを感じているようです。

ただ、このアンケート、役職別に見てみると部長級以上の高い役職の方で「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」を選んだ方は94%だったのに対し、係長クラスでは54%と役職が下がるにつれ、最大40%の開きがあります

 

また、「効率的な組織づくりができていると感じていますか?」との質問に対しても、部長級以上の「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」と答えた方は合わせて84%に対し、係長クラスでは44%と似たような結果が出ております。

これらの理由について、自由回答欄に寄せられた答えによると「業務量の多さ」や「管理職による超勤管理の重要性」に関する意見、「自分の行なっている仕事の意義・目的が見えない」というような意見があげられました。

つまり、総務省には次のような働き方の問題点があります。

◆問題点1:総務省職員を取り巻く環境について
→近い将来を想像した時、これまでの長時間勤務をいとわない職員を前提とした働き方ではなく、ライフイベントの変化により時間に制約のある職員も含めたすべての職員が安心して働き続けられる環境が必要

◆問題点2:職員の意識やモチベーションの差について

→これからの世代を担っていく職員が活躍できるように、モチベーション高く仕事をしてもらうためにも、効率的な仕事を求めることが必要。


このような理由から、総務省は「本気の働き方改革」に取り組まなければならないのです。

誰もが突っ込んでこなかった沈黙を「働き方改革チーム」が破る!

この日は、「意識改革班」「業務改革班」「働きやすさをサポートするインフラ整備班」それぞれの目線から6つの対応策が紹介されました。

しかーーーし、Fledge読者の皆さん、報告会と侮ることなかれ…!

このあと、幹部の皆さんが思わず耳をふさぎたくなるような提言が、次から次へとなされたのです!!

▪「超過勤務」を本気で減らす空気がない!

 まず意識改革班から発表されたのは、超過勤務を減らそうという空気がないということ。

超過勤務とは、いわゆる残業のことなのですが、実は行政の皆さんは、Fledge読者の皆さんが想像している以上に残業をしています!正しく言うと部署によるのですが、本当に多忙な部署の方に関しては電車で帰れ…な…い…ことも、しばしば…(大きな声では言えません)実際に係員クラスの職員の13%以上が80時間以上超過勤務を行なっているという結果も出ているのです。

また、省内の職員への働き方に関する意識調査の際には「残業している=頑張っていると思われる風潮がまだ残っている」との声や、「一部の課や人に業務が集中している」との声も上がりました。

「え!?公務員って楽だと思ってた!」なんて意見も聞こえてきそうですが、そんなことないんです。中央省庁となると国会対応などもありますので、本当に忙しい…。

そんなわけで、突発的な業務が多いことが理由で、総務省などの中央省庁の中では、努力はするものの、なかなか本気で超過勤務を減らすのは難しいとされてきたのです。

そこで、今回チームが打ち出したのが「超過勤務の見える化」

具体的には、課ごとの集計を省内のイントラに載せたり、会議の場で発表しあったり、超過勤務が目立つ部署にはその原因を追究させたりといったことをするのだとか。

しかし、この対応の目的は超過勤務を減らすことではなく、まずはこれにより現状を把握すること。そして、超過勤務を減らすために、業務の効率化や適切な人員配置につなげ、省内全体の働きやすい環境づくりを目指していきます。

▪「脱」紙文化!オフィス断捨離を決行します!

次に、インフラ整備班により提言されたのが「オフィスを快適化しよう!」ということ。

さきほどの働き方に関する意識調査の中で、「オフィス環境について感じていることはありますか?」との質問を投げかけたところ、特に多かったのが「暑い」「狭い」という2つの意見。

まず「暑い」に関しては、28度で一括管理されている空調の温度ですが、「幹部の方々の広々とした部屋の中での温度と、機械や人の密度が高い一般職員の執務室での体感温度は違う!」とばっさり!

そして「暑い」と「狭い」どちらにも通ずる原因として、「数年前からペーパレス化を推進しているものの、残念ながら、まだまだ紙の文化が残っている!!」との主張がなされました。

そこで、明日から簡単にできることとして紹介されたのが「オフィス断捨離」

実際、総務省の中には、オフィス断捨離を実施し、ペーパレス化を進めてフリーアドレス化を導入、広々とした空間で仕事をすることに成功している部署もあります。そのような部署を紹介した上で、「できている部署もあるのだから、できないはずがない!」と職員たちへ発破をかけ、快適なオフィス環境づくりを提案したのです。

▪ そのお水を飲むために”3つのハンコ”が必要なんです!

ここまでの発表で、すでにたじたじな幹部の職員にとどめを刺したのが業務改革班。

業務改革班は、職員の超過勤務を減らし、柔軟な働き方を実現するために定例的なルーティンワークなどを、ロボットによる業務自動化(RPA:Robotics Process Automation)すること、その際にそもそもの業務工程を見直すことで、業務プロセス自体の効率化(BPR:Business Process Re-engineering)を図ることを提言しました。

BPRの身近な一例として、この日、政務の方々に配られたペットボトルを例に出し、「皆さんがお飲みになるペットボトルを準備するために、まずは書類を用意します。さらにその書類を3~5つ関係部署に確認、承諾してもらい、ハンコをもらわなければいけないのです。これは本当に必要でしょうか?この時間があれば、本来の業務である政策の立案に時間を避けるのではないでしょうか?」と訴えたのです。

「働き方改革は、総務省の問題ではありません。私たちが変わることで、きっと多くの省庁や地方公共団体、事業者が変わるきっかけにもなるのです」と最初に言い切った上でのこの展開に会場にいる職員や幹部が胸を熱くさせたのでした。

本気の働き方改革をするための成功の要は、○○にあり!

さて、熱い展開が繰り広げられた報告会。チームの皆さんはもちろん、野田総務大臣や、奥野総務副大臣、そして3名の政務官からお話されたことの中には、ある一つの共通点がありました。

それは「成功の要は、幹部にあり!」ということ。

実際に、チームメンバーは、企業へのヒアリングを行なっていく中で、意識や風土を変えるためには若手だけでは限界があると感じたのだそう。そのため「幹部及び管理職の働き方宣言」という対応策についても提言されました。

チームからの報告を受けて、奥野総務副大臣からは「今日は、若手の方が中心の提言でしたが、ぜひ局長級以上の幹部にも働き方改革について提言してほしい。本気で変わるためには、まずは風通しのよい職場が必要ですから、若手とのコミュニケーションをもっと活性化させてほしい!」と力強い言葉が送られました。

3政務官からも「幹部の皆さんに、ぜひ後押ししていただきたい。幹部の皆さんが本気を出せば変わることができる」と激励の言葉が送られ、報告会は幕を閉じました。

総務省が行なう本気の働き方改革、今後の動向も気になるところですね。

編集後記

私が公務員の働き方に興味を持っている理由の1つに地方自治体や国の省庁などの行政が変われば、民間企業も大きく変化していくのではないかという期待があります。

そこで、自主的に公務員の皆さんの働き方を調べ、発信している中で、総務省の働き方改革チームの方々と出会いました。

Fledge読者の方の中には「なんか、行政って手続きめんどくさいし、融通利かないよね」「お堅いよね」っていうイメージを持っている人もいるでしょう。

でも、当事者である公務員の方々の中にも、そこに「やりづらさ」を感じ、どうにか「よくしていきたい」「変わりたい」と願い、動いている人たちはたくさんいます

今回の報告会では、国のど真ん中で「本気で変えたい」という熱い思いがたくさん主張されていました。きっと行政が変わって、今「先進的」「柔軟な働き方」と言われていることが、どこの企業にとっても当たり前となる日は必ずやってくるでしょう。

ぜひ、今回の記事をきっかけに行政の動き、働き方へ興味を持ってくれる人が増えてくれたら嬉しいです!