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生き方が多様になっていく社会。自分の働きがいから考える、個人の “働き方改革”

生き方が多様になっていく社会。自分の働きがいから考える、個人の “働き方改革”

生き方が多様になっていく社会。自分の働きがいから考える、個人の “働き方改革”

 『Social Salon〜働き方改革〜』のイベントレポートをお届けします。

働き方改革の一貫として、短時間労働やリモートワーク、プレミアムフライデーなどがあります。しかし、本当にそれが『働き方改革』の本質なのでしょうか?私は、組織や行政は働き方を変えようとしていますが、個人がどこか置いてけぼりにされているような印象を持っていました。

このイベントではまさに “個人” の働き方改革を対話を通じて考えさせられました。

Social Salonとは?

社会のコトを自分ゴトとして捉え、“知り、感じ、考え、行動の種を蒔く”ことを目的とした対話の場です。単なる知識の丸暗記ではなく、今の問題について学んだ上で未来についてひとりひとりが向き合っていくことを大切にしています。

毎月違うテーマを設けており、過去のテーマは政治、難民、障害、中国、北欧から考える民主主義、LGBT、福祉、国防・安全保障、AI 、エシカルな消費・選択など様々。

Social Salonには4つのルールがあります。

・自分ゴトとして捉え、ともに考える学びの場を目指す
・他の人の意見を批判、否定しない
・一方的な知識・主義思想の吐き出しNG
・プライベートな人の話はシェアNG


Social Salonは代表の湯田舞さんが「社会問題をもっと気軽に話せる場がほしい」「より良い社会をみんなで作りたい」「多くの人が “みんな違ってみんないい” と想える社会を目指したい」という想いから始まりました。

そして副代表の鈴木文一郎さんはSocial Salonで対話を大切にしている理由について「社会問題について家庭でも職場でも話す機会が少ないということに課題を感じています。社会問題をセミナーで聞くことはよくありますが、それだけだと考えることがないのでなかなか自分ごとになりにくいんです。なので、聞いた話に基づき対話をするのが重要なんです。対話をすることにより、違った意見に触れ、相手を認め合い、さらには自分ごとに落とす、そして最終的には行動する人を増やしたいと考えています。」と話します。

今回の登壇者はこちらのおふたり。

大田 友祐(おおた ともすけ)

1952年生まれ、山口県出身、千葉県在住。1975年に株式会社岡村製作所へ入社し、主にオフィスデザインの分野を担当。2013年に株式会社エフエム・ソリューションへ転籍し現在に至る。

藏保 萌子(くらやす もゆこ)

現在株式会社 Kaizen Platform 広報マネージャ、働き方デザインプロジェクト「Growth Hack for Woman」代表。新卒では全日空システム企画(現ANAシステムズ)に入社。その後、オイシックス・Wantedly・KaizenPlatformの創業〜成長期に在籍し、エンジニアとしての経験をベースに、ITスタートアップのビジネスオペレーションの構築・カスタマーサクセスの立ち上げ・PR広報を牽引。

マーケットの変化が大きくなったために、働き方に変化が求められている

大田 友祐(以下、大田):40数年間オフィスに関わる仕事をしています。最近 “働き方改革” とよく言われるようになりましたが、対処療法的な施策が多く本質的ではないように感じています。

もともと日本は生産性が低いので、だらだら深夜まで働いてしまう風潮があります。タスクの割当がきっちり決まっている欧米と異なり、仕事が終わってない人がいたら手伝うような文化が根付いてしまっているからです。

▲社会的な問題から働き方改革を説明する大田さん

では、どうして働き方が変わってきているのでしょうか。

以前は国民がみんな欲しいものが同じ“小品種大量生産制”でしたが、現在では好みが多様化しています。そのため、組織のトップ層の人たちは市場のニーズがわかりにくくなり、マーケットに近い下の人たちの方がわかるようになってきています。つまり、市場がシンプルであれば組織が動きやすいので、以前であれば従属型組織、トップダウンで効率を最重視していました。

しかし、現在では従属型組織では機動力が乏しくなってしまうため、個々が課題解決に対して仮説が立てられる自律型組織が求められるようになっています。

そういった変化に対応するために、大企業のチームからプロジェクトベースの小集団になってきているという時代の流れがあります。

仕事のプロセスに合わせた「室内環境」をつくることが生産性を高める

大田:働くことに対する不満は、大きく人間関係・仕事内容・室内環境の3つに分けられます。今回は自分の専門でもある室内環境を中心にお話したいと思います。

室内環境は身近なことすぎて良いのか悪いのかわからない人が多いのですが、人間関係や仕事内容に影響しています。そのため、室内環境はモチベーションをあげ、生産性を上げる重要な要素になると考えています。

▲仕事のプロセスを図示化したもの

仕事のプロセスを大きく分けると「アイデアを生む→まとめる→形にする→評価する」の4段階になります。それを人の動きに照らしあわせると「交流する→集中する→集中する→交流する」とあてはめることができます。

この仕事のプロセスに合わせて環境をつくることによって、知的生産性が高まります。日本ではオフィスがそのような設計になっていないところが多いですが、例えば欧米ではデスクを仕切りで区切って集中しやすくしたり、プールやレストランなどリフレッシュスペースも多くあります。

それはお互いに見えなくても集中するという信頼感ができていたり、遊んでリラックスしてもしっかり成果を出すという信頼感があるからです。

新たな価値を生み出す社員が最大の経営資源。大量生産制でなくなっている今、ひとつのヒット商品が莫大な売上をつくります。そのためには、人が最大限に力を発揮できるような環境をつくることがこれからより必要になっていきます。

そのときに先ほど話したように機能別にオフィスをデザインすることももちろん必要です。しかし、自律型組織が求められるようになっている今、自ら室内環境をよくする個人の意識と行動も必要になってきます。

つまり、自分が会社に貢献するために「自らが働きやすい環境をつくること」が重要なのではと思います。

多様性が高まったことで幸せでないと思う人が増えた

藏保 萌子(以下、藏保):今から10年前、時代の流れは自分が後ろに持ってかれてしまう、“下りエスカレーター” である、と教えてくれた先生がいました。

仕事は時代の背景から生まれているので、私はその “下りエスカレーター” の時代に合わせて自由に仕事を動かしていけるスキルが大切だと考えています。そこで、色々な働き方をしてみようと思い、様々な会社や職種、雇用体系で働いてきました。

 ▲「今の時代は下りエスカレーター」と話す藏保さん

みなさんは幸せですか?もし幸せでなければ何が足りないですか?私は幸せに生きるためには、働くことで幸せを感じることが必要だと思っています。 

少し昔は今よりも幸せだと思っている人が多かったんです。理由は、国や社会が何が幸せかを決めてくれて、これが幸せだと思うことがはっきりあったからです。

今は生き方が多様化しているために自分で幸せとは何かを決めないといけなくなった、そのために幸福度が下がっているのではと思います。

幸せを感じるためには “社会”とのつながりや何かに貢献することが必要と考えている人が多いと思います。

では、“社会”ってなんでしょうか?

私は、社会は自分以外と誰かとの関係性だと思っています。つまり、“社会”とつながっていたいというのは自分ではない何かとつながっていたいということ。

そして、“社会” は個人の幸せを最大化するために存在するのではないかなと考えています。“社会”としてひとりだけが幸せであってもよくない、みんながニコニコするため幸せであるために存在するのが “社会” で、私たちはそのために働いているんだと思います。

「できること→求められていること→やりたいこと」の順番で仕事を考えてみよう

藏保:無職になってしまったときに「誰かと同じは価値がない、埋もれないためにはどうしたらいいんだろう」と考えました。

当時応募しても全然内定をもらえなかったのですが、最終的に知人の紹介で仕事が決まりました。私はチームを0から立ち上げるということが得意で、知人はそれを価値だと思ってくれていたんですよね。 

自分が得意なことで他の人ができていないことは意外とあります。それは自分が決めることではなく、他人に教えてもらうこと。

まだ経験やできることを明確に持っていない学生の方は、能力ではなく何をしてきたかということが重要になります。だから、就活のときに学生時代に何をしていたかをほとんどの会社の面接で聞くんですよね。

▲真剣な表情で登壇者の話を聞く参加者の方々

仕事は自分ができること、求められていること、やりたいことが重なったところに生まれるものだと思っています。ついやりたいことから考えがちですが、まずはできること、そして次にそれが社会に求められているのか、2つが重なっているところからやりたいことを選択するという順番で考えてみてください。

そうすることで、満足度の高い仕事ができると思います。私がなかなか仕事が見つからなかったときは逆から考えてしまっていたんです。

人生は自分探しではなく、つくっていくもの

藏保:もうひとつ幸せに働くために必要なことは、会社を使い倒すこと。そのときに障壁になりうるのは制度だと思います。

自分を制度に合わせるのは労力も時間もかかります。もし自分が幸せに働くための制度が障害になるのであれば「制度を変えてほしい」と発信しましょう。制度は多数決で決まった単なる箱なので、守るのも壊すもの人なんです。

▲藏保さんが大切にされているという言葉

最後に私が好きな言葉をお伝えしたいと思います。これは『人生は自分探しではなく、つくっていくもの』という意味です。こういう考え方をした方がみんなハッピーになるんじゃないかなと思います。

社会は自分以外と誰かとの関係性であるからこそ、それが喜びでもあるときもあれば嫌な想いをすることもあると思います。

ですが、他人を変えることはできないので、その中で自分はどうするのかと考えることが重要。私は常に「この人が大事にしていることってなんだろう」を考え、個人として尊重しようと思っています。

 働きがいって何?対話を通して考えてみよう

2人のお話のあとにはグループで『働きがいとは何か』というテーマで対話を行いました。

▲グループは幅広い年代で構成されていました

▲話したことを模造紙にまとめていきます

▲私のグループではいくつかにグルーピングしました

▲最後に発表!

編集後記

私も対話に参加しましたが、改めて働きがいとは何か考えると難しいなと思いました。考え始めると「どうして働いているのか」という視点で考えてみました。私のグループでは “社会のため”、そして “自分のため”という大きく2つ、そしてその2つとは少し違う視点から経済的に安定するためという意見が出ました。

“社会のため” というのは藏保さんがおっしゃっていたような、社会に幸せを増やすことや貢献すること。そして “自分のため” というのは自分がわくわくすること、新しいことに出会うこと。“社会のため” だけで自分が楽しくなければ辛いですし、逆に自分が楽しいと思うことだけではお金にならず経済的に安定することができません。すべてが揃うことで働きがいを得ることができ、幸せになるのではないかなと思いました。

そして大田さん、藏保さんはそれぞれ環境面と内面・人間関係という別々のアプローチから働き方改革についてお話をいただきましたが、私は自ら行動していくことの重要性を共通して一番大きなメッセージとして受取りました。

行動することの一歩目はなかなか踏み出すのが難しいと思います。そういうときはまず自分にとって幸せとは何か、そして今足りないものは何かを考えてみてもいいかもしれません。足りないものを満たすことで、よりエネルギーを持って社会に貢献することができると思います。

そして、幸せが多様化していくこれからの時代、『自分は見つけるものではなく、つくっていくもの』というメッセージを頭の片隅に置きながら、少しずつ自分の身のまわりから“改革”を起こしてみてはいかがでしょうか?