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フリーランスが幸せに働くために必要なことを、MBA取得のデザイナーに聞いてみた。

フリーランスが幸せに働くために必要なことを、MBA取得のデザイナーに聞いてみた。

フリーランスが幸せに働くために必要なことを、MBA取得のデザイナーに聞いてみた。

好きなことを仕事にして生きていく!と決めても、やっぱり将来のことが不安になるときはあります。

フリーランスとして安定した生活をおくるには、一体どんなことが必要?

そんな質問を、フリーランスのデザイナー、シモウサさんにぶつけてみました。

下總 良則(シモウサ ヨシノリ)

多摩美術大学を卒業後、プラス株式会社にてプロダクトデザイナーとして従事。株式会社ホットファッジでグラフィックデザイナーの経験を積み、usadesignとして独立。フリーランスデザイナーとして、ビーコンコミュニケーションズ株式会社への参画などを経て、現在は一般社団法人RACの理事として経営メンバーに加わるなど、「デザイン×経営学」をテーマに活動を広げる。昭和女子大学、東北工業大学、日本工学院専門学校にて非常勤講師としても勤める。グロービス経営大学院 経営研究科修了(MBA取得)。

MBAを取得し、デザインから経営へのアプローチ

下總さん、よろしくお願いします!早速ですが、現在はどんな活動をされているのでしょう?

(下總良則さん以下、シモウサ):フリーランスのデザイナー兼、デザイン手法を用いたブランディングのプロとして、「デザイン経営」の分野で活動をしています。

「デザイン経営」ですか?

シモウサ:デザイン経営とは、デザインにおける問題解決アプローチを経営の実務に活用し、企業のブランド力とイノベーション力の向上に資することを目指す、といった内容です。2018年5月に経済産業省・特許庁が打ち出した「デザイン経営」宣言が、ひとつの大きな潮目ですね。

デザインにおける問題解決アプローチは、どのように経営に影響を与えるのでしょうか?

 シモウサ:どんなプロジェクトも、戦略そのものが最終アウトプットとしてのデザインに影響しますよね。

デザイン経営の場合、例えば、「商品を受取る人たちはどんな人たちで、私達が提供しようとしている商品は、その方々にとってどんな意味があるのか」を徹底的に理解します。

センスメイキング(意味付け)と言って、この時、ターゲット本人ですら気づいていない深層心理を掴み取るのですが、ここから、そもそもの目指す方向性と打つべき戦略を明確にし、ベストと判断するアウトプットとしてのデザインに落とし込んでいきます。

デザイナーたちが幸せな未来を描けるように

下總さんが、デザイン経営をしようと思った背景にはどんな想いがあったのですか?

シモウサ:デザイナーがもっと活躍できる場を広げたいという想いからですね。僕は大学で非常勤講師をしていますが、世の中に送り出した教え子たちから「仕事が大変で家に帰れない」「大きなプレッシャーがかかる環境でストレスに押し潰される」といった悩みの声を聞きました。

体を壊してデザイン業界を去っていく卒業生たちも少なくありません。自分も現役デザイナーとして働いていますので、似た経験は自分にもありまして。彼ら、彼女らの気持ちは、痛いくらいわかります。

僕はデザインは本来、人の幸せを願ってする仕事だと考えています。しかし、そう思って働いている本人たちは幸せになれていない。

この現実は、デザイナーがデザインの仕事だけしていても変わらないと考えたんです。その場面でもし、デザイナーが経営戦略についても意見をできるようになれば、流れ作業としてのやらされ仕事ではなく、自分の意志を持って戦略を考える所から加わり、プレッシャーをより良いクリエイティブに繋げる力にして働くことができるのではないか。

そういう想いから経営学を学び、学生たちにデザイン経営について伝えています。

好きな人と好きな仕事をしていくには?

下總さんはフリーランスのデザイナーとして活躍されていますが、フリーランスで成功する秘訣はどんなことだと思われますか?

シモウサ:フリーランスは、実力のみがモノを言う厳しい世界でもありますね。今の自分自身のスキルだけではなく、将来の自分にとってプラスになることを学び続ける必要があると思います。その考えから、僕はデザインという軸に加えて、経営大学院で経営学という軸を学びました。

「好きな人と好きな仕事をする」これがフリーランスになる目的だ!と個人的に思います。どうすれば実現できると思いますか?

シモウサ:僕もそう思っていて、もちろん最初の頃は食べることを考えて必死にやっていましたが、今に至ってみると、自分の好きな仕事を多くしているようになってきたと感じています。必死なのは、今でも変わりませんけれど(苦笑)。

大事なのは、想いを貫くというか、何をやりたいのか、何故やりたいのか、ぶれない信念を持つことだと思います。そしてその想いを、きちんと表明していくと良いと思います。小さい石でも投げれば波紋が起き、受け取る相手が増えると、いっしょにやりたいという人、応援してくれる人も増える。

そして、お互いにリスペクトできる人が周りに集まってくるという気がします。

『RAC』の活動がまさにそうなんですよ。4人で設立した小さなソーシャルビジネスですが、各人なりの想いをメンバー4人で壁打ちしながら、よりクリアなものにしていきました。

RACは、里親制度を普及啓発する活動をしている団体です。僕がクリエイティブ全般を担当していますが、今年、グラフィックデザインの国際コンペ『Graphis Design Annual』で、ブランディング部門にエントリーした日々の実績が銀賞を受賞しました。世界での受賞ですが、RACは自分含め、4人の想いが集まった所から始まった活動なんです。RACは、自分なりのデザイン経営の実践の場でもあります。

デザイン×経営学で世の中を明るく照らすために

RACの活動にはどういった想いがあるのでしょう。

シモウサ:僕は中学校の3年のときに親が離婚し、母子家庭で育ちました。裕福な家庭ではなくて、大学に行かせられないと言われたんですね。美大に行きたかったんですけれど。

それで自分で稼ぐと決めて、大学に入る前に3年間、フリーターとして物流倉庫で働いて貯金をし、多摩美術大学に入りました。一度は合格したのですが、入学金が用意できなくて入れず、なんてこともありましたね。

インターネットがまだなかった時代、なんとかしたくて、自分の足でお金を借りるためにあちこち回りましたが、社会的信用のない20歳の若者がお金を借りることはできなくて。自分のそんな経験から、同じような子どもがもしいるならば、自分が学んだデザインで貢献したいと考え、ジョインしました。

RACの他にも『デザイン経営研究所』を立ち上げ、デザイン×経営学で何ができるかについて活動しています。こういうことをやりたいと発信していると、共感したという新しいメンバーが加わってきてくれます。

発信することによって、志の同じ仲間に出会っていけるのですね。

シモウサ:そうですね。それとフリーランスでやっていくなら、志を自分に表明するのも大事です。

僕は10年前に「なぜそれをやりたくて、それをやったらこうなって、こうなりたい」という夢を書いた文章をずっと持っています。それを今見ると、もう全部クリアしているんです。

僕は言霊ってあると思うんです。なんとなく紙に書いた言葉にも魂が宿る。

やりたいことが複数あっても、根底の想いには共通するものがあるのかもしれません。それを文章にして書いてアウトプットすると、俯瞰することができ、その根底の想いに気づけるのだと思います。

僕の場合は「“デザイン×経営学”の軸でデザイン業界に貢献する」という志を掲げました。今後も、自分なりの方法で、デザイン業界の可能性を切り拓く活動をしたいと考えています。 

取材を終えて

フリーランスは組織に属さないからこそ、共感し合える仲間に出会っていく喜びがあるんだ、とシモウサさんの笑顔から伝わってきます。

「好き」を仕事にすることが何かを犠牲にするとは限りません。学び続け、志を同じくする仲間がいればフリーランスの未来は明るいなと感じました。

▼デザイン経営研究所

https://www.dezaken.or.jp/