IT企業が続々と進出!島根県松江市を世界に誇れる「Rubyのメッカ」へ!

IT企業が続々と進出!島根県松江市を世界に誇れる「Rubyのメッカ」へ!

プログラミング言語「Ruby」を通じた町づくりを始めて、今年で11年目を迎える島根県松江市。「島根」と「Ruby」には、どのような繋がりがあるのでしょうか?

「Ruby」で地方創生に取り組み、島根県への企業誘致の要となっているお三方に、取り組みの内容や町づくりに対する想いなどをお伺いしてきました。

福田一斎(ふくだ かずよし)

松江市産業観光部 定住企業立地推進課 所属

伊藤暁通(いとう あきみち)

島根県 商工労働部 企業立地課 立地推進第一グループ 企画員

土江健二(つちえ けんじ)

島根県東京事務所 産業振興部 主任

島根県松江市

人口:205,775人(2016年10月1日現在)・・・松江市(まつえし)は、島根県の東部(出雲地方)に位置する市。同県の県庁所在地である。

2012年(平成24年)4月1日に特例市に移行した。また、2018年(平成30年)4月1日の中核市の移行を目指す。就業人口 95,728人[第1次産業 5,499人・第2次産業 18,323人・第3次産業 70,855人(2005年現在)]  引用:Wikipedia

オンリーワンの町づくり「Ruby City Matsue」プロジェクト

―IT企業の誘致と言えば「島根県」ということで、念願だった取材が実現して嬉しいです!

伊藤暁通氏(以下、伊藤):ありがとうございます(笑)確かに、ここ3~4年は、IT企業を中心にオフィスを新設して頂く機会が凄く増えてますね。2002年は、県外からの新設が1社だったのに対して、一昨年は13社、去年も11社という実績です。

―凄い勢いですね!ここまで誘致が上手く行っている要因はなんですか?

伊藤:2007年に県知事に就任した溝口が、「田舎はクリエイティブな仕事に向いている」という考えを持っていて、松江市も、2006年から「Ruby City Matsue」プロジェクトをスタートしてたんですよ。市が単体で行うには、予算や人的リソースの側面から考えると限界もあるので、県と市が一緒に手を組んで、予算を分担しながらIT企業の誘致を積極的にしていこう!ってなったんです。県と市が同じ方向を向いてやれていることが大きいと思いますね!

―10年前から、IT企業の誘致をされていることが凄いですね!ちなみに、「Ruby City Matsue」はどんなプロジェクトなんですか?

福田一斎氏(以下、福田):松江市を「Ruby」の街にするために、新たな地域ブランドを作り出すことを目的に生まれたプロジェクトです。エンジニアの交流や育成の場所だったり、働く場所だったり、長い目で見ると、エンジニアという仕事が子供たちの選択肢に加わることも大切だと思ってますね!

―なるほど。確か、「Ruby」開発者のまつもとゆきひろ氏が、松江市に住んでいらっしゃるんですよね?

福田:そうですね!ご出身は大阪なんですが、1997年から松江市に住んでいらっしゃって。まつもとさんのようなIターンエンジニアの先駆けの方がいてくれたのは大きかったですね!まつもとさんがいなかったら、「Ruby City Matsue」プロジェクトは、確実に進められなかったでしょうね。

―町おこしをする中で、まつもとさんにも協力を仰いだんですか?

福田:もちろん、お願いはさせて頂きました。まつもとさんから、エンジニア同士が情報交換や交流、勉強会などができる「拠点」があった方が良いということで、「松江オープンソースラボ」を松江駅前に作ったんですよ。簡単に言うと、エンジニアが「集まる・繋がる・学ぶ」場所ですね!これをまつもとさんと一緒に進められたことで、開設当初から凄く活気のある場所になりましたし、今では、松江オープンソースラボは、「Ruby City Matsue」プロジェクトの中で、とても大きな役割を担っていますよ。

―エンジニアにとっては、貴重な場所ですね!

福田:そうですね。あとは、日本でRubyの二大イベントがあるんですが、開発事例などを発表する「RubyWorld Conference」は、ここ、松江市で行われているんですよ。今年も、まつもとさんが基調講演をして下さって、2日間で900人くらい集まりましたね!

(松江駅の目の前に堂々とありました!)

子供たちにエンジニアという選択肢を

―誘致を進めるに当たって、補助金などの支援もあるんですか?

伊藤:家賃の補助、飛行機代の補助、人材の確保や育成、雇用の補助などたくさんありますよ。県だけでなく、市町村の補助もあって、県の補助に市の補助を乗っけられるんです。IT企業の誘致に関しては、全国でも有数の制度だと思いますね!

―サテライトオフィスについて話を伺った企業さんでも、研修の補助があって凄く嬉しいっておっしゃってました!

伊藤:そう言って頂けると嬉しいですね!研修メニューも充実していて、東京だと10万円くらいする研修を行政の支援で2~3万円で受けられますし、補助金としての支援だけでなく、企業側のニーズを聞いて、それに合わせて研修メニューを作ったりもしてますね。

あとは、育成にも力を入れていて、松江市内の中学校では、Rubyの授業があるんですよ。

―え!!!そうなんですか?

福田:2015年は試験的にRubyの授業を導入して、2016年から本格導入したんです。小学生向けにはNPOが主催するRubyの体験教室があったり、中学校では技術家庭科の授業で必修カリキュラムになってるんです。中学校の授業で使っているのは「Smalruby(スモウルビー)」というツールで、Rubyをベースにグラフィカルな画面でプログラミングが体験できるように作られています。

ー難しいプログラミングを学びたい子も出て来そうですね!

土江健二氏(以下、土江):希望した中学生には、学校外で更に難しいプログラミングを学べる「Ruby.Jr」という場を用意していますね。もちろん無料で参加できます!

 

(※詳しくは、松江市の中学生プログラミングクラブ「Ruby.Jr」をご覧下さい。)

高校でも、ITの企業側が作ったカリキュラムで教える授業を取り入れていて。学校って指導要領があるので、こういった取り組みができているのは非常に珍しく画期的だと思いますね。

ー小さい頃からプログラミングに触れていたら、将来の選択肢も広がりますね。

土江:そうなんですよ。地元に居ながらにして最先端のIT企業で働くということが地元の子供たちの一つの夢になってくれれば、という想いです。生まれ育った松江に残りながらも、その松江で“最先端の仕事ができる”という魅力を生んでいく必要があると思っていて。最近は、学生たちも少しずつ地元の企業や進出企業を見てくれていて、嬉しい限りです。

福田:自分でプログラミングという価値を生み出せることで、選択肢も広がりますよね。松江市には、トップクラスの東京と格差なく学べるツールも環境も人材も揃っている。地域の宝である子供たちに、そういう一つの選択を作ってあげられるようにするのが松江市の目標であり、そこは特に力を入れてこだわりたいと思っています。

―子供の教育を考えると、“島根県松江市に住む”という選択肢も広がりますね。

福田:まさに、そういう教育環境の面からも移住を生み出せないかと考えているところです。島根県が教育移住の魅力化に取り組んでいるので、松江市としても名乗りを上げたいなと(笑)移住環境も充実させて行きたいですね!

伊藤:教育移住に近いんですが、最近増えてきたのが「奥様実家Iターン」ですね。その名の通り、奥様の実家に引っ張られるIターンです。エンジニアは、場所を選ばずに働けるので、こういう選択も可能なんです!

福田:他のケースで言うと、Iターンで来られた人が、3年くらいで都心に戻るつもりだったんですけど、地元の人と結婚してそのまま残るなんて例もありますね!

行政の枠を超えたサービス提供をしていきたい

―「IT WORKS@島根」っていう転職サービスも島根県でやられてるんですよね?

伊藤:そうですね。人材紹介業みたいな感じですね(笑)仕事の紹介もそうですし、定住の支援も同時に行ってます。

―一般的な県庁のサービスレベルを超えてますね(笑)ただ、ITの知識がないと、仕事のご紹介も難しくないですか?

伊藤:そうなんです。希望を言われたときに、個人ニーズと企業ニーズの間でミスマッチが起きないようにしなければならないですが、技術のことが分からないと本当に最適な企業や人材をマッチングできないんですよ。なのでミスマッチが起こらないように、専門知識のある人に委託してしっかりとマッチングを行うようにしています。一概にITと言っても、フロントサイドが得意な人と、サーバサイドの構築が得意な人がいたり、スキルもやりたいことも、一人一人で違うので。そして、専門知識のある人に任せっきりになるのではなく、僕たち行政マンも勉強して責任を持って一生懸命やる、ここがとても大事な部分だと思っていますね。

―知識のある方が行政にいてくれるのは、とても頼もしいですね!

福田:修行の場である「東京」、子育てに適した「地方」のように、一生その場所に住み続けなくてもいいような時代になってきていますよね。東京に本社があって、松江市にサテライトオフィスがあると、いつか地元に戻りたいっていう人からすると魅力的なのかなと。ご両親も説得しやすいですし(笑)

伊藤:就職・転職する人からすると、選べることが大事で、選択肢の一つに島根県も入れていただけたら嬉しいですね。

―こんなこと言うと失礼かも知れませんが、行政の方がここまで親身になってやられていることにビックリしました。

福田:そう言っていただけると嬉しいですね!お金を払ってでも(もちろん実際には料金なんてかかりませんが)「松江市役所にお願いしたい!」と思ってもらえるようなサービスをしたいと、常日頃から心がけています!

(福田さんの想いの詰まったPC!)

【編集後記】

選べることの素晴らしさ、楽しさを感じてほしい、と語ってくれたお三方。根本にあるのは、島根県松江市をITで活気づけたい!という情熱と、島根に暮らす人たち、そしてエンジニアを幸せにしたいという想いでした。

私たち「Fledge」のキーワードでもある「選択肢」。知っていることで人生の選択肢の幅が広がっていくということを、体現したかのような島根県松江市の取り組み。

最後に、「島根に来てくれるのなら、本当の意味で幸せになってほしい」と笑顔で語る姿がとても印象的でした。

貴重な取材をどうもありがとうございました!

 

 

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