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仕事が原因で病気にかかりやすい人と病気にかかる3つの原因

仕事が原因で病気にかかりやすい人と病気にかかる3つの原因

仕事が原因で病気にかかりやすい人と病気にかかる3つの原因

こんにちは、医師の人材総合サービス、企業への産業医サポートサービスを手掛ける株式会社エムステージの関矢と申します。

最近では、「ウェルネス経営」という言葉を耳にする機会が増えてきたと思います。

この記事をお読みいただいている皆さん、毎日残業が当たり前になっていませんか?夜寝る前に、「明日会社に行きたくないな」なんて憂鬱な気分になっていませんか?
それくらい誰にでもあることだと、簡単に片づけないでください。痛ましい過労死事件のニュースを耳にすることも増えている昨今ですが、決して他人事とは言えないかもしれません。どのような働き方が人を追い込むのか、過労死までいかなくともストレスを抱えてしまう原因はどこにあるのか、考えてみましょう。

関矢 瑞季(せきや みずき)

株式会社エムステージ 広報・人事担当。 慶應義塾大学を卒業後、子供服会社・出版社を経て現職。2017年6月に入社後広報部門の立ち上げを行い、10月より人事を兼任。医師の働き方から日本の医療問題、そして企業での健康的な働き方まで情報発信を行っている。

現代を生きる労働者の健康

いま、日本には6,596万人の就業者がいます(出典:総務省統計局「労働力調査結果」。厚生労働省「労働安全衛生調査(実態調査)」の2017年調査結果によると、そのうちの55.7%もの人が仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み、ストレスを感じているとのこと。つまり、半数以上の労働者が健康に支障をきたす可能性がある状況と言えます。

実際に業務上の原因で病気になった人はどれだけいるでしょうか。厚生労働省「過労死等の労災補償状況」によると、仕事が主な原因で心筋梗塞や脳梗塞などの「脳・心臓疾患」を発症したとする労災請求件数は、過去 10 年余りの間、700 件台後半から 900 件台前半の間で推移しています。2016年度は労災請求825件・支給決定260件となりました。そのうち、死亡数は107件です。

一方で、仕事によるストレスが関係した「精神障害」の労災請求件数は年々増加傾向にあります。2006年度は労災請求819件・支給決定205件だったところ、2016年度には労災請求1586件・支給決定498件となりました。そのうち自殺・自殺未遂数は84件です。

仕事が原因で脳・心臓疾患になった人、仕事のストレスで精神障害になった人のグラフ

仕事が原因で病気になる人の特徴とは

発症する人の特徴も、「脳・心臓疾患」と「精神障害」とでは異なります。先ほどの厚生労働省「過労死等の労災補償状況」の2016年度の調査結果によると、「脳・心臓疾患」の労災支給決定件数が多い業種は「運輸業,郵便業」で37.3%を占めており、職種別にみると「輸送・機械運転従事者」が34.6%を占めています。一方、「精神障害」の労災支給決定件数が多い職種は、「製造業」で18.3%、「医療,福祉」で16.1%と続き、職種別では「専門的・技術的職業従事者」が23.1%を占めました。

病気になる割合の多い職種

しかし「脳・心臓疾患」と「精神障害」のいずれも就労形態別にみると、圧倒的に「正規職員・従業員」の比率が高くなっています。これは他の就業形態に比べ、長時間労働になりやすいこと、仕事内容や量が自分のコントロールに及ばないところで変化しやすいことが理由に挙げられるでしょう。

一方で、「正規職員・従業員」とは異なった立場となる「自営業者」は、自分自身のコントロールで労働時間の調整や健康管理ができるため、業務上の原因による病気にかかるリスクが低いようにも感じられます。

自営業者の労働時間と健康の相関関係

厚生労働省の「平成 28 年度過労死等に関する実態把握のための労働・社会面の調査研究事業」によると、自営業者の中で過去1年間における平均的な1週間当たりの実労働時間が40時間以上60時間未満の人は40.4%、60時間以上の人は13.6%でした。そして実労働時間が60時間以上の人における疲労蓄積度が「高い」「非常に高い」人の割合は32.7%に及んでいます。

自営業者の1週間当たりの実労働時間の図

自営業者の中でも、繁忙期・閑散期の差や顧客への対応などで、自分のペースで仕事ができず長時間労働になりがちの人は、雇用労働者と同様に業務上の原因による病気にかかるリスクが高いということ。油断はできません。

病気にかかる原因は主に3つ

業務上の原因による病気には、前述した「脳・心臓疾患」と「精神障害」があります。これまでそのリスクが高い業種・職種と就労形態をみてきましたが、これらの病気にかかる原因はどこにあるのでしょうか。これを業務が原因で明らかに過重負荷として認められた要因を労災認定要因から紐解きます。

「脳・心臓疾患」においては明確な特徴が見られます。2010年1月から2015年3月までに労災認定された事案のうち、なんと93.0%が「長期間の過重業務」によるものとされているのです(出典:労働安全衛生総合研究所過労死等調査研究センター「平成 27 年度過労死等の実態解明と防止対策に関する総合的な労働安全衛生研究」

一方、「精神障害」においては、同じく2010年1月から2015年3月までに労災認定された事案のうち、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」事案が 13.0%を占め、次いで、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」が10.5%を占めています。

仕事で病気になる主な理由

「脳・心臓疾患」「精神障害」ともに、すべての業務上の原因による病気は、主に「長時間労働」「仕事内容」「人間関係」がきっかけで起きていると言えます。

冒頭で「55.7%もの人が仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み、ストレスを感じている」と言ったように、誰にでもこの原因は生じ得るものです。仕事の環境を振り返り、自分自身の身体と心の状態をじっくり観察してみてはいかがでしょうか。

次回は、「国と企業、それぞれが取る労働者の健康対策とは?」についてお届けいたします。