「幸せ」と向き合えば自然とアップデートする。「本質」から紐解いた、5つの働き方改革

「幸せ」と向き合えば自然とアップデートする。「本質」から紐解いた、5つの働き方改革

「幸せ」と向き合えば自然とアップデートする。「本質」から紐解いた、5つの働き方改革

このエントリーをはてなブックマークに追加

『働き方改革の行方〜日本企業の働き方は今後どう変わっていくのか〜』と題して行われた、株式会社サムライインキュベート主催のイベント。
前回、前々回は「働き方改革」を進められている5社の取り組みについて、登壇者の方々のお話をご紹介してきました。

今回は、登壇された5名の方々で行われたパネルディスカッションの中から、「働き方改革の本質」についてご紹介。会社として進めるべき「働き方改革」とは一体なんなのか、「働き方改革の本質」を紐解きながら語られるアツイ想いをお伝えしていきます!

第1回
元マイクロソフト越川氏が語る「成果」と「幸せ」を両立する働き方
第2回
企業における「働き方改革」の最前線はこれだ!働きやすさを整えるよりも大切なこと
第3回
「幸せ」と向き合えば自然とアップデートする。「本質」から紐解いた、5つの働き方改革

会社の目指す道を考え、一本筋を通し続けること ー ポート株式会社 丸山侑佑

働き方改革の行方 ポート株式会社 丸山侑佑

丸山 侑佑(まるやま ゆうすけ)
ポート株式会社 取締役副社長COO。大学卒業後、組織人事コンサルティング会社に就職。2013年1月にポート株式会社に転職し、同年3月取締役COO、2015年6月に取締役副社長COOに就任。就任以来、一貫して自社の人事責任者として採用、教育、労務の管掌をする傍ら、企業向けの採用支援事業を統括。


初めに日本の働き方改革は、「国」と「企業」で異なる2つの意味を持っていると丸山さんは述べています。

丸山 侑佑(以下、丸山):国は、労働生産人口が減っていく中で、どうやって労働生産量を下げないかというところから働き方改革がスタートしています。ママさんやシニアの方々、いわゆる休眠労働力と言われる方々に、いかに働いてもらうか、これは国がやろうとしていることなんです。

一方、民間企業は、そういう方々に限定せず、ダイバーシティという「多様性」「その人らしさ」について議論して、働き方改革を進めているんです。


そんな現状だからこそ、「どういう会社にしていきたい」という会社の想いやポリシーが「働き方改革の本質」であると、丸山さんは仰っていました。その想いやポリシーに合ったやり方で会社として働き方改革を進めていくことが非常に重要です。

ポート株式会社における働き方改革では、本質を踏まえたうえで大事にしている3つのことがあります。

丸山:みんなが目指している会社のミッションやビジョンを実現できる「体制」、それに共感してくれる「仲間」、頑張って働きたいという人たちが遠慮せず働ける「環境」、この3つを整え続けること、一本筋を通し続けることに重点を置いて働き方改革を進めています。

「個」を尊重し、「個」のエネルギーを最大化していく ー 株式会社リクルートホールディングス 林 宏昌

働き方改革の行方 株式会社リクルートホールディングス 林宏昌

林 宏昌(はやし ひろまさ)
株式会社リクルートホールディングス 働き方変革推進部エバンジェリスト。2005年に当時の株式会社リクルートへ入社。2008年、2009年には全社営業表彰『TOP GUN AWARD』を受賞。その後、経営企画室社長秘書、経営企画室長、広報ブランド推進室長兼働き方変革プロジェクトリーダー、働き方変革推進室長へと役割を変え、2017年4月より現役職に就任。


林さんが社内で働き方改革を進めていく中で、働き方改革の目的が必ずしも一つではないことにとても難しさを感じていました。

林 宏昌(以下、林):僕が社内で働き方改革を立ち上げるとき、役員によって言うことがバラバラだったんです。「生産性向上のためでしょ」「イノベーションを生むんでしょ」「ダイバーシティなんでしょ」「従業員のワークライフバランスだよね」「採用のリテンション」…色んなことを言うんです。
「働き方改革をしたいんで話を聞かせてください」と相談にいらっしゃる方たちも同様で、「何のために働き方改革をするんですか?」と聞くと、物凄く曖昧なことが多かったり、あれもこれもそれもどれも…みたいなことを言っていて。そうすると、何から始めたらいいかも分からなくなるし、全部やらないといけなくなって、結局リソースが足りなくなって進まないということになるんですよ。


そんな経験則から、林さんは、会社として「働き方改革」を進めるには、何を一番に置くのか、何のために「働き方改革」をしていくのかを考えないといけないと仰っています。
働く人たちの仕事をどういう風に進めていきたいのか、何を成し遂げたいのか、それを踏まえたうえで、いろんな制約をいかに外していくかが「働き方改革の本質」だと述べています。

では、株式会社リクルートホールディングスは何を一番に置き、働き方改革を進めているのでしょうか。

林:「個の尊重」を一番に置いて、いかに従業員が生き生きと働くかというのをポイントにしています。そこから、従業員のエネルギーを最大化していくために「働き方改革」を進めているんです。
リモートワークをはじめ、いろんな自由な働き方をしていますが、傍から見れば「サボってもいいよ」という風に見られてしまう可能性もありますよね。でも、何故そうならないかって、従業員が今の仕事で何を成し遂げたいのかということを大事にしているからなんです。

リクルートは入社したその日に、「あなたは今後どうしたいですか」って聞くんです。
仕事に閉じた話ではなくて、人生においてどう生きていきたいのかっていう意味で、1人1人をどうやって育んでいくかが大事で、その想いを持っているから僕らは「働き方改革」を進めていけてると思ってます。

社員の幸せに真剣に取り組んでいく ー ヤフー株式会社 湯川 高康

働き方改革の行方 ヤフー株式会社 湯川高康

湯川 高康(ゆかわ たかやす)
ヤフー株式会社 ピープル・デベロップメント戦略本部本部長。1992年全日空エンタプライズ株式会社入社。2003年5月ヤフー株式会社に転職。採用、制度企画・運用、労務など人事全般を経験。2014年4月より現職。

「そもそも人はなぜ働くのか?」という問いから湯川さんの話は始まります。

湯川 高康(以下、湯川):もちろん生活とか生きていくためとかあると思うんですけど、究極的には「幸せになりたいから」働くんだと思うんですよね。
だから、会社は社員の幸せを最大化していくというところに、真剣に取り組まないといけないなと考えています。


会社のことだけを考えれば、会社を伸ばすため、利益を増やすためという部分に重点を置きがちです。しかし、個人のことを考えると、人それぞれ重点を置く場所が違います。例えば、「会社のために使う時間」「家族のために使う時間」「趣味のために使う時間」この3つのバランスが最大化されている時を一番幸せと感じる人にとっては、仕事が忙しくて、家族の時間や趣味の時間がなくなってしまうと、自分の中でストレスが溜まりますよね。

国の施策や会社の利益も大事かもしれません。しかし、「働き方改革の本質」は社員の目線で考えていかなきゃ進んでいかないと湯川さんは仰っています。

湯川:社員1人1人の幸せの時価総額が最大化していくための働き方改革が実現できるように、会社は社員に合わせて考えていかないとと思っています。

私たちYahoo!としては「社員の幸せ」というところを、しっかり最大化したい、そこに貢献していきたいと考えています。社員が幸せを感じて働かなければ、いいサービスは生まれないし、世の中への貢献が出来ないですからね。

「個人の幸せ・成果」と「企業の成長」の両立 ー 株式会社クロスリバー 越川 慎司

働き方改革の行方 株式会社クロスリバー 越川慎司

越川 慎司(こしかわ しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役社長。国内大手通信会社、米系通信会社、ITベンチャーの起業を経て、2005年に米マイクロソフトに入社。11年に渡り、製品の品質向上プロジェクトの責任者CQO(Chief Quality Officer)や、Officeビジネス責任者を務める。業務執行役員を務めた後、ワークスタイル変革のコンサルティング会社 株式会社クロスリバーを立ち上げ、代表取締役社長に就任。『新しい働き方-幸せと成果を両立するモダンワークスタイルのすすめ-』(講談社)著。


経営側の立場としては、優秀な人材・能力のある人材を育成して、しっかりと幸せを感じてもらいたいという想いを持ちつつも、経営が赤字だと会社は存続できないので、ある程度は利益を残すという考えを持たないといけない。そんな、個人の幸せと成果、会社の利益を両立することが、働き方改革の本質だと越川さんは仰っています。

さて、その両立を図るために、経営側はなにをすべきなのでしょうか。

越川 慎司(以下、越川):経営側にオススメしているのは「数値化」です。
社員が腹落ちするような目標をKPIとしてしっかり設定します。「社員満足」「社員の幸せ」「企業貢献」「企業の利益」これらをちゃんと数値化して、みんなが腹落ちするような仕組みづくりが、経営側に対するオススメしていることです。


また、経営者側でだけではなく、個人の方へも「数値化」をオススメしていました

越川:皆さん、この働き方改革は、自分を振り返る非常に良いチャンスだと思います。
「自分の働き方」「働く時間」「余暇の時間」そういったものをしっかり計画立てて、それがうまくいっているかどうかを、自分自身で確認するのってすごい安心しませんか?日本人は暗闇が苦手なんです。
しっかりと数値化して、自分の進捗を確認しながら前へ進む、前に進みさえすれば、1日1歩ずつ進みさえすれば、日本は絶対に変わると思います。
多様性のある社会の方が、パフォーマンスが高いです。ぜひ、今日をきっかけに勇気を持って、前に出る、進める、進捗を見る、というような働き方をやっていただきたいと思います。

社員の理想とする「生き方」を実現する ー 株式会社サムライインキュベート 池上 隼人

働き方改革の行方 株式会社サムライインキュベート 池上隼人

池上 隼人(いけがみ はやと)
株式会社サムライインキュベート 執行役員COO。2006年に新卒として株式会社ECナビ(現VOYAGE GROUP)に入社。2008年にはサムライインキュベートに創業メンバーとして参画。以降、新規事業責任者や事業売却、経理、人事業務などのバックオフィス業務を務める。2012年より現職へ。事業戦略や組織作りに従事。


サムライインキュベートは現在イスラエルに支社を構えており、そこで出会ったイスラエル人のメンバーの生き方にとても衝撃を受けたというエピソードを語っています。

池上 隼人(以下、池上):イスラエル人のメンバーはみんな、我々の会社とは別の会社に当たり前のように所属しています。いわゆる副業をしているわけなんですが、「副業って何?」って言われるくらいイスラエルでは副業が当たり前
我々の会社では弁護士をして、別の会社ではイベント会社の司会をやっている女性のメンバーは、「人前に出るのが好きだし、しゃべるのも好き。もちろん弁護士も好き。それでお金がもらえたら一番いい。だからそういう生き方をしてる」って話していました。他のメンバーも「やりたいことをやるのが自分にとって一番幸せだから、やりたいことを優先します。やりたい仕事があれば3社でも4社でも所属します。」って言うんです。


日本で生まれ育って、日本で教育を受けてくると、“当たり前”のように「大学に行った方がいいよね」「大きい会社に就職した方がいいよね」と思ってる人が多く、日本で「やりたいことを優先する生き方」をしている人はまだまだ少ないと池上さんは思ったそう。

そのイスラエルでの経験をキッカケに、池上さんはこんな想いを抱き始めました。

池上:我々の会社からその“当たり前”を変えていきたいなと。「自分の生き方」を考えて、我々の会社を選んでくれるメンバーがもっと増えて欲しいと思ったんです。そこから方針をガラッと変えて、働き方の前に「どういう人生を歩みたいのか」「どういう風に仕事をしたいのか」そういう部分を、すごく大事にするようにしました

社員の理想とする「生き方」を把握し、それを会社と個人とで擦り合わせて実現していくことが働き方改革の本質だと思っています。

まとめ

とにかく濃ゆい内容で進んでいった、本イベント。とても勉強になる、気づきを与えてもらえる、考えさせられる、そんな満足度の高い時間を過ごすことが出来ました。

「働き方改革の本質」は5人なら5通りの考え方がありました。この5名ではなく、他の方に同じことを聞けば、きっとまた別の考え方が返ってくると思います。そんな様々な観点のお話を本イベントでは聞くことができましたが、その5通りの考えの根底には、働く人たちの「幸せ」や「自分らしい生き方」がありました。

今回は「会社」としてどう働き方改革に取り組んでいくかというお話でしたが、会社だけではなく「個人」としても「幸せ」に向き合わなければいけないと感じます。
労働大国でありながら長寿大国でもある日本では、人生の大半を仕事をしながら生きていくことになります。長い年月をかけて働いていく上で、ただ「何となく」生きている人ってとても多いと思うんです。そうではなく、自分の「幸せ」とは何なのか、その「幸せ」を実現していくためにはどういう働き方をしていくべきなのか、「個人」としてもしっかり考えていくことが非常に重要なのだとこのイベントに参加して気づくことができました。
そうやって自分の「幸せ」に真正面から向き合い、実現していこうとする人が多くなればなるほど、日本の働き方はどんどんアップデートされていくと思います!

第1回
元マイクロソフト越川氏が語る「成果」と「幸せ」を両立する働き方
第2回
企業における「働き方改革」の最前線はこれだ!働きやすさを整えるよりも大切なこと
第3回
「幸せ」と向き合えば自然とアップデートする。「本質」から紐解いた、5つの働き方改革
この記事をシェアしよう!
TAGS
もっと便利に!

記事のクリップを使ってオリジナルのライブラリを作りましょう。

すでにアカウントをお持ちの方
or

ソーシャルアカウントで登録/ログイン