長時間労働の促進になる?残業代ゼロ法案とは

長時間労働の促進になる?残業代ゼロ法案とは

残業

この言葉を聞いて、皆さんは何を思いますか?
「残業なんて滅びてしまえ!」と残業を根本から嫌う人もいれば、「残業しないと仕事が終わらないし…」と仕事そのものに問題があると考えている人、「自分の成長のためなら残業なんてなんのその!」と成長には時間を惜しむことなく使いたい人、と残業に対して様々な意見があると思います。
そして、「残業代が出るなら残業してもいいかな」なんて思っている人も多いのではないでしょうか?

そんな方々をザワつかせているであろう働き方改革の法案の一つに、「残業代ゼロ法案」というものがあります。

残業代ゼロ法案って一体なに?

この法案に関しては、2年以上も前から政府と日本労働組合総連合会(略して、“連合”)が様々な議論を巻き起こしています。この法案自体、正式に決まっているわけではなく、現在も議論の真っ最中。連合側が残業代ゼロ法案について反対し続けていましたが、条件付きで容認する方向へ。しかし、先日7月27日には容認を撤回。揺れに揺れている法案なのです。

そんな「残業代ゼロ法案」とは一体どのような法案なのか解説していきます。

▼残業代ゼロ法案

正式名称は、「高度プロフェッショナル制度」。
以前から欧米で導入されている、「ホワイトカラー・エグゼンプション」とも呼ばれるこの制度。

一部専門職の中で高額の収入を得ている労働者は、残業代を支払いの対象から外すというもの。
働く時間の長さで給与を得るのではなく、成果と連動して給与を得るため、いくら長い時間働こうが、逆にいくら短い時間で働こうが、給与には全く反映されないのです。

💡ポイント💡
成果で報酬を得られる勤務形態といえば、裁量労働制・フレックスタイム制などがあります。
これらとの違いですが、裁量労働制は自分で決めた労働時間の中で成果を出し給与を得るというもの。一方、高度プロフェッショナル制度は時間は関係なく成果が給与に反映されるのです。

【関連記事】裁量労働制とは?メリットとデメリットを知っておこう!

残業代ゼロ法案の対象者って?

さて、先ほど「一部専門職の中で高額の収入を得ている労働者」が残業代ゼロ法案に該当すると説明しましたが…「一部専門職って具体的に何なの?」「高額の収入ってどの程度なの?」と疑問を抱いたそこのアナタ!お目が高い!

▼一部専門職

研究職や為替・金融ディーラー、金融商品開発、アナリスト、コンサルタントなど、高度な専門的知識を必要とする職種
労働時間と成果の関連性が高くない職種ともいえます。

▼高額の収入

年収1,075万円以上の収入

残業代ゼロ法案が正式決定すると、上記2つの条件に該当する人は対象になります。

残業代ゼロ法案は長時間労働の促進になる?

残業代ゼロ法案で一番の議論になっているのは、「労働時間が決まってないと過労死の促進に繋がるんじゃないの?」という点。
この点について、筆者の考えを述べると、残業代ゼロ法案が決まったから長時間労働が増え、過労死が増える確率は、極めて低いと考えています。

そもそも、日本の平均年収は約420万円とされています。そして、年収1,075万円の報酬に該当する人は、日本全体の約4%しかいません。国税庁 平成27年分民間給与実態統計調査この4%の中には経営者など一部専門職の該当者ではない人も含まれることから割合は更に減るのです。

更に、高度プロフェッショナルな人たちは、手に職を持ち、自分の好きなこと、研究したいことなどを時間に縛られずに行う場合が多いです。そのため、残業代の有無や労働時間の長さに限らず、自らの仕事に責任ややりがいを持ち仕事をする人の割合も他の職種に比べると多いように感じます。

また、残業代ゼロ法案でも見境なく長時間仕事をしても良いというわけでもないのです。長時間労働を見逃さないよう、連合の神津里季生会長は健康確保措置を政府に要請していました。
残業代ゼロ法案の対象者に該当する人は年間104日以上の休日確保の義務付けがされたり、勤務間インターバル制度(※)の導入なども検討しています。

※勤務間インターバル制度…休息時間数を問わず、就業規則等において「終業から次の始業までの休息時間を確保することを定めているもの」を指します。(引用:厚生労働省 職場意識改善助成金(勤務間インターバル導入コース)

残業代ゼロ法案のメリット

残業代ゼロ法案が決定すれば、メリットになり得ることもあるのです。

▼時間売りせず自分の実力でお金を得ることができる

これまでは短い時間でより高い質の仕事を行っている人より、長い時間働く人の方が給与が高いというようなケースがあり、矛盾や不信感が指摘されることが多かったように思います。
しかし、残業代ゼロ法案は自分の実力や仕事の質で評価される仕組みになるため、そのような矛盾や不信感が解消されます。

更に、時間が決まっていない上、時間で給与が増えないなら、ダラダラ長い時間働くよりも、短い時間に仕事をきっちりこなし自分の好きなことに使う時間を増やす方がお得だと思いませんか?
それにより、生産性の向上にも繋がりますよね。

▼働き方の選択肢が増える

〇時から〇時まで働かなきゃいけないということはなく、働く時間を個人が自由に決められるため、時間に縛られない働き方ができます

例えば、育児や介護をしている人は、「短時間正社員」という働き方がありますが、その働き方を選ばずとも、仕事と両立することが可能です。平日土日関係なく仕事をする代わり、連休も自分で好きな時に取ることもできるのです。
働き方の幅が広がるだけではなく、生き方の幅も広げることができるかもしれませんね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。「残業代ゼロ法案」を悪く思う人が現時点は多くいますが、実際には悪いことだけではないです。ただ、この法案を身近に感じれる人が少ないという現状も課題ですよね…

ある意味、「他人事」になり得るこの法案ですが、この法案に関係ない人たちにとっても、長時間仕事をして高い評価がされる、という考え方はもう古いように感じます。
自分の実力や仕事の質で評価に繋がった方が、「やりがい」を感じませんか?残業代ゼロが絶対に正しいとは思いません。しかし、「時間ではなく成果」を評価するという仕組みには十分な価値があるのでは。

まだまだ議論が巻き起こりそうな「残業代ゼロ法案」ですが、この法案をキッカケに読者の皆さんにも自分たちの働き方を見つめ直してみてほしいと思います。

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