社長自ら子連れ出勤を実施!仕事と育児を両立させる働き方 ── 株式会社ノヴィータ

社長自ら子連れ出勤を実施!仕事と育児を両立させる働き方 ── 株式会社ノヴィータ

今回取材に訪れたのは、イタリア語で「斬新」を意味する「株式会社ノヴィータ」。働くパパとママに向けた情報メディア「LAXIC(ラシク)」や「BRAVA(ブラーバ)」などを運営するWEB制作会社です。

オフィスは、東京メトロ「新宿三丁目」駅から徒歩5分の賑やかなオフィス街にあります。社名の通り先進的なビルに入っているのかと思いきや、いざ現地に到着すると取材班が「ここで合ってるよね……?」と思わず確かめてしまうほどの少し古めのビルでした。しかし、フロアに一歩足を踏み入れると、外見からは想像できない、先進的で改革的な雰囲気が感じられました。

そんな社風を創ったのは代表取締役社長の三好怜子さん。キリッとした眼差しと知的で明るい笑顔が印象的な、1歳のお子さんを持つワーママです。自らがロールモデルとなって子連れ出勤やリモートワークなどの多様な働き方を提案、実践し、「風通しが良く女性が働きやすい職場」の整備を進めてきました。その効果を裏付けるかのように、創業時のメンバーのほとんどが結婚後も就業を継続しています。

なぜ女性が働きやすい環境を整備しようとしたのか?また、子育てしながら仕事をして何を感じてきたのか?など、子どもを持つママ社長の三好さんならではの観点でお話ししていただきました。

第1回
社長自ら子連れ出勤を実施!仕事と育児を両立させる働き方 ── 株式会社ノヴィータ
第2回
制度整備の前に、柔軟な働き方ができる風土づくりを ── 株式会社ノヴィータ

三好 怜子(みよし れいこ)

株式会社ノヴィータ 代表取締役社長 広島県出身。お茶の水女子大学文教育学部在学当時に100人の経営者に話を聞き、経営者という働き方に興味を持つ。2005年3月に大学卒業。 2006年、ノヴィータ創業時の立ち上げメンバーとして参画し、WEBディレクターとしてWEB制作の企画営業・進行/品質管理を担当。WEB制作受託営業で常にトップ成績を収める。2010年に取締役に就任し、風通しが良く女性が働きやすい環境への整備を推進、業績拡大に大きく寄与した。 2015年3月に代表取締役社長に就任。

「子どもができても仕事を続けたい」という想いが仕事のやり方を変えるきっかけに

おはようございます!今日はよろしくお願いします

颯爽と三好社長が登場。和やかな雰囲気の中、取材が始まりました。

まず、「風通しが良く女性が働きやすい環境への整備を推進」するキッカケを教えていただけますか?

三好 怜子(以下、三好):2006年の創業当時に20代だったメンバーが、2010年になると30代に入り、結婚や出産といったライフイベントによる変化を迎えたことです。社員の約半分は女性なのですが、「結婚して子どもができても仕事を続けたい」という思いを持つ人が多かったこともあり、どんなタイムスケジュールであれば両立が可能なのかを考え始めました。当時のスケジュールだと「こんな働き方をしていたら、子どもを産めないじゃん!」って(笑)

なるほど!もしかして、三好さんご自身にも結婚と子育てのご予定があったとか?

三好:はい。夫と付き合い始めた時期でした。「やり方を変えていかないといけない」と、自分ごととして感じられたのは大きいですね。それに女性にとって「結婚後に仕事を続けるか」という問題は、いずれは直面することですよね。であれば、「今後を見据えて組織作りをしよう!」と思ったんです。

実際にワーママとして仕事をするメンバーの働き方に感銘を受けたことも大きいですね。お子さんが2人いる女性に仕事を依頼したことがあったんですが、そのメンバーの時間管理や責任感の強さに心を動かされ、彼女を参考にしようと感じました。この体験が「LAXIC(ラシク)」をはじめとする、働くパパ・ママを支援する取り組みに繋がっています。

ご自身の体験は大きいですね!具体的にはどのような取り組みをされたのでしょうか?

三好:当時は仕事が属人化していて休みを取るにも困る状況だったので、まずそれを見直しました。具体的には、仕事をチームで行なったり、職種内で2名以上の体制を組んで相互にフォローができる状態にしたりするなど、マネジメントの強化に力を入れましたね。

後ほど詳しくお話しますが、2016年の春から夏にかけて、他のメンバーに先行して私自身が子連れ出勤をやってみたんです。産後の復帰に迷っていた時、会長から「連れてくれば?」と提案してもらいました。彼もお子さんがいるので、子どもがいる人の気持ちをわかってくれたのはありがたかったです。

託児スペースなし!抱っこ紐に娘を抱えて仕事

子連れ出勤は気になっていました!!率直な疑問なんですが、社内のどこで子どもの世話をしていたんですか?託児スペースは見当たりませんが……。

三好:娘は当時生後3か月だったので、託児スペースは作らずここ(自分の胸を指差して)で見ていましたよ。週に2~3回会社に連れて来ていましたが、娘を抱っこ紐に抱えながら仕事をしていました。その月齢だと昼間は寝ていることが多かったので、席の隣にバウンサー(ゆりかごのようなもの)を置いて、娘をそこで寝かせていました。

▲お子さんを抱きながら仕事をしている時のお写真

周囲の反応はいかがでしたか?

三好:メンバーには受け入れられていたと感じています。ミーティング中に、娘の些細な動きや反応で和んでいる人もいました。子ども好きなメンバーは、「ここが癒しの場所〜」と言って、娘の側に来ていましたよ。

子連れ出勤をすることで三好社長が感じたメリットはありますか?

三好:若い女性では、自分が子どもを育てることのイメージは湧きにくいものです。でも、フロアで娘と長時間一緒に過ごし、赤ちゃんの様子を間近で見る機会を得ることで、自分が仕事と育児をするシーンを想像しやすいというメリットもありました。
子どものいない女性メンバーから、「生後3ヵ月の赤ちゃんは声を出し始めるんだ!こうやって成長していくんですね!」と言われたこともありました。

これには生後3か月の子どもを持つ筆者も納得。自分の子どもを持つ前に、赤ちゃんの生態を知るチャンスがあるのはいいことだと思います。赤ちゃんってこんなに泣くんだ!ニコッと笑うんだ!など発見がたくさんありますもんね。

経営者として、育児を仕事が進まない理由にしない

▲広々としたオフィスは緑や木が使われていて癒しの空間に

ところで、お子さんがフロアで泣き出すなど困ったことはなかったのでしょうか?

三好:娘は周囲の空気を察してか、泣きわめくことはほとんどなかったです。しかしどうしても泣き止まなかったことが何回かあり、ビルの階段で授乳したことはありますね(笑)

他には、数字を扱うシリアスなミーティングの最中にぐずり出したことがあったのですが、この時はさすがに「ごめん、ちょっと見ておいて!」と他の人にしばらくお世話を頼みました。また、個人でいつもお願いしているベビーシッターさんを会社に呼んだこともあります。

でも子連れ出勤は、娘が8か月を迎える頃で止めました。月齢が小さいうちは寝ていることが多いので、その間に仕事ができます。しかし成長に伴って動きが活発になったり、声を出したりします。パソコンの電源を抜くなどのいたずらをされてはまずいので。

子どもを育てながら働いてみて、気付かれたことはありますか?

三好:働くママさんの気持ちがわかりました。午後5時以降に連絡が取りにくいママさんがいたのですが、独身時代には理由がわからなかったんです。でも実際に子どもを育ててみて、その時間帯には子どもをお風呂に入れたり、ご飯を食べさせたりと、やることがたくさんある。とても仕事どころではないことが理解できました。

事情がわからなかった時は、仕事と育児を両立させたいというワーママ社員を孤立させてしまった経験があります。子どもを持った今であれば彼女たちの気持ちを理解できますが、当時は理解できなかった。こちらが理解を示さなければ、ワーママ社員だって伝えるのが気が引けてしまいますよね。ワーママさんと職場の(特に、子育て経験の無い)メンバーたちの間に立って、双方の話をよく聞く必要性を感じた出来事でした。

仕事が進まない理由を育児のためとすると、周りから「なぜできないのか?」と突っ込まれにくくはなると思います。ですが、仕事と育児を両立したいと思う女性の気持ちに寄り添いつつも、私は経営者として「子どもを理由に何かができない」と言ってはいけないと感じています

実際私にも、外出前に娘がぐずるなどして子どもによってスムーズに行動できないことはあります。しかし、いつもより早めに家を出る、段取りをしっかりするなどすれば対処はできます。

「こうだからできない」ではなく、「どうすればできるか」という発想ですね。経営者としての断固たる意思を感じます。

次回予告

三好さんが働き方を変えようと思ったきっかけや、自ら子連れ出勤をやってみて、周囲の女性社員のロールモデルになる経緯をご紹介しました。独身の女性にとって、仕事と育児の両立には不安を感じるもの。それを成し遂げている人が身近にいるのは心強いですね!

次回後編では、三好さんが行う女性社員からの要望の吸い上げ方や、現代の女性が直面する働き方の課題などについてご紹介します。

▼今回お話を伺った企業
株式会社ノヴィータ

第1回
社長自ら子連れ出勤を実施!仕事と育児を両立させる働き方 ── 株式会社ノヴィータ
第2回
制度整備の前に、柔軟な働き方ができる風土づくりを ── 株式会社ノヴィータ
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