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人々を魅了する、“最も美しい村”の伝統工芸品『小砂焼(こいさごやき)』って?

人々を魅了する、“最も美しい村”の伝統工芸品『小砂焼(こいさごやき)』って?

人々を魅了する、“最も美しい村”の伝統工芸品『小砂焼(こいさごやき)』って?

今回おじゃましたのは、栃木県那珂川町の小砂(こいさご)という地区。NPO法人『日本で最も美しい村』連合に加盟している村のひとつです。

最も美しい村とは、人の営みが生み出した美しさがあり、その土地でなければ経験できない独自の景観や地域文化を持つ村だそう。

今回は、小砂地区の持つ美しさと文化について取材しました!

藤田眞一(ふじたしんいち)

藤田製陶所・代表。昭和29年馬頭町(現在の那珂川町)生まれ。陶芸を用いた地域活性化を目指した組合を設立し、陶芸体験施設などを経営。

江戸時代からの伝統工芸品が町の活性化を担う!

栃木県北東部の那珂川町に位置する小砂地域は、806 年に開山された東光寺や、1129 年に創立された示現神社などが存在する歴史ある地域です。

那珂川町が取り組んでいる『芸術と文化の里づくり』は、里山の資源を生かした町づくりの活動のひとつ。小砂の里山には、『小砂焼』という伝統工芸があり、その伝統は江戸時代(1851年)から受け継がれています。

「江戸の末期、このあたりは水戸藩で、「藩内で焼物を作ろう」となったときに発見されたのが、ここ小砂地区の土。以来、小砂焼として発展して、次第に窯元が増えて行きました」と話すのは、小砂で最も歴史のある窯元『藤田製陶所』の代表・藤田眞一さん。170年以上の歴史を持つ『藤田製陶所』の6代目だそうです。


▲小砂地区に佇む藤田製陶所は創業170年。


▲中に入ると黄金色に輝く『小砂焼』がずらりと並ぶ。

伝統+時代のニーズに合ったものを『小砂焼』で

「小砂の土はさらっとしていて比較的扱いやすく、水戸藩の人たちはそこに目を付けたのだと思います」と藤田さん。現在この地域に4つある窯元でも、小砂で取れた砂を原料としている窯元は、今では藤田製陶所だけなのだそう。

▲金色をおびた金結晶と呼ばれる光沢のある色合いが『小砂焼』の特徴。

藤田さんの製陶所の魅力のひとつは、敷地内にある大きな小砂焼の体験施設『陶遊館』。約100名程が収容可能で、自然に囲まれた静かな環境でゆっくりと陶芸を体験することができます。


▲広々とした『陶遊館』では、グループや団体での陶芸体験も可能。

「新型コロナウイルスの影響で人は減りましたが、だからこそやるべきことが明確になりました。伝統を受け継ぎながらも、お客さんの要望やアイデアを受け取って新しいことにも挑戦していくことが大事なのだと思います」

最近、新たに作った小砂焼にはどんなものがあるのでしょう?

「飲食店からの要望に答えたり、道の駅の新メニューに合わせたもの、企業とコラボしたものも作っています。最近はガチャガチャを作りましたね。美術館や道の駅に置いていますよ」

▲ガチャガチャの中には、小さな小砂焼が。

一から手作りだから、長く愛されるものができる

「うちの強みは材料から自分で作っているところです」と藤田さん。大正時代にレンガが作られていた機械を使って、現在でも材料となる粘土を作っているといいます。


▲かつてレンガを製造していた機械で材料の粘土が作られる。

「材料から手作りしているから、作れるものの幅が広く、お客さんの要望を細かく聞くことができます。ものづくりをやるからには全部、一から自分で作りたいんです。その分時間はかかりますけどね(笑)


▲小砂地区で取れる砂は、お菓子と間違えるほど白くてさらっとした質感。

毎年、1000個作るのだという干支の置物は、藤田さんの代表的な作品のひとつとして有名で、テレビ番組や新聞からの取材を受けることもあるそうです。

「この干支の動物たちは、実物を見に行って作風のヒントを得ています。もう2巡目になりますが、毎年違った型を作るために試行錯誤しています。

猿の年は、宇都宮の動物園を見に行きました。辰は奈良の法隆寺の屋根を支える龍を見に行きましたね。猿からは、親子シリーズを続けようとしたけど、ヘビでつまづきました(笑)」

たしかに、ヘビの親子は作るのがむずかしそうです!


▲猿の置物。干支の置物の製作は毎年11月にピークを迎える。

「置物を作る型にも既製品はいくらでもあります。でもそれじゃおもしろくないでしょ。毎年、満足いくものを作るのはもちろん大変だけど、手間をかけたからこそ、「また今年も」と買いに来てくれるお客さんがいるのがうれしいです


▲こちらは願い事を叶えてくれるフクロウの置物。買った人は宝くじが当たったという噂も。

実物の小砂焼に触れて、本当の良さを知ってもらいたい

最後に、小砂地区の活性化の活動にも積極的な藤田さんに、今後についてお聞きしました。

「どんなに良いものを作っても、人に知ってもらわなければ意味がありません。しかし、小砂焼をどんどん広めたいかと聞かれると単純にそうではなく、まずは本当に良いと感じてもらうことが一番大切です。このバランスがむずかしいところかなと思います」

今後、小砂焼と地域の発展のために、大事にしていきたいのはどんなことでしょうか?

自分の手で作ること、長く愛されるものを作ること、です。既製品の材料や型を使って、数を多く作ることもできるけど、それではただ材料の枯渇になるだけ。材料にも作り方にもこだわって、長く使ってもらえる一点物を作る。これが私の“ものづくり”です。

▲「ひとつひとつの作品に丁寧に向き合うのがものづくりの基本」(藤田さん)。

それと、若いお客さんの必要としている物を知り、時代に合ったものを作ることも大事ですね。小砂焼に興味がある方には、ぜひここへ来て、実物を見てもらいたいと思います。写真で見るのと、実物はやっぱり違いますから。ここに来る理由のひとつに、『小砂焼』があるとうれしいですね」

まとめ

小砂焼の上品で絶妙な色味を出すのは、長年作っている藤田さんでもむずかしいのだそう。だからこそ、微妙な色の違いや輝きを感じて、自分だけの一点物を見つけられるのも小砂焼の魅力なのだと思います。小砂地区の美しい自然に囲まれながらの陶芸体験も、きっと特別なものになるはずです。

▼さらに詳しい情報はこちらから!

藤田製陶所

栃木県・那珂川町