<img height="1" width="1" style="display:none" src="https://www.facebook.com/tr?id=1176794389076832&ev=PageView&noscript=1" />

アメリカ支社立ち上げ人に聞く「グローバルに活躍するために必要な力」とは──寳槻昌則

アメリカ支社立ち上げ人に聞く「グローバルに活躍するために必要な力」とは──寳槻昌則

アメリカ支社立ち上げ人に聞く「グローバルに活躍するために必要な力」とは──寳槻昌則

インタビューさせていただいた寳槻さんとは、株式会社ワークスアプリケーションズのシリコンバレーでのインターンシッププログラムを取材した際に初めてお会いし、今回が二度目。海外でこれまで多くの方にインタビューさせて頂きながら色々な考え方や生き方に出会ってきましたが、ある時こんなことが頭に浮かびました。それは、「グローバルに働くって実際どういうことなんだろう?」「グローバルに活躍するためにはズバリ何が必要なんだろう?」という疑問。それなら、海外で活躍している人に聞いてみよう!ということで、これまでのインタビューでは聞いてこなかった質問を、ニューヨークで寳槻さんにぶつけてみました。
(現在は拠点をアメリカから日本に戻していらっしゃいますが、ニューヨークでお仕事をされていた時のインタビューをお届けします!)

寳槻 昌則(ほうつき まさのり)

アメリカ合衆国/ニューヨーク ワークスアプリケーションズ アメリカ 「京大3兄弟」寳槻家の三男。高校へも塾へも通わずに京都大学へ進学。大学在学中に映画助監督や起業を経験し、卒業後はワークスアプリケーションズに入社。入社わずか2年目にして、アメリカ支社の立ち上げに大抜擢され、現地にて支社を立ち上げ、事業を軌道にのせる。生活拠点をロサンゼルスに起き、アメリカ国内だけではなくヨーロッパなど、世界各国を飛び回っている。

大事なのは「問うチカラ」

シリコンバレーでのお話がとても面白かったので、どうしてもまたお会いしたくて。
・・・にしても、高校も塾へも行かずに京都大学へ3兄弟が全員って、スゴ過ぎる家族ですよね!!

寳槻昌則氏(以下、寳槻):ハハハ。ちょっと変わった親父の熱血家庭教育を受けましたからね。でも僕達兄弟は、勉強をしなさいと言われたことは一度もありません。それでも全員が自ら進んで勉強をして、京大に進学しましたね。

▼寳槻家の教育に関する参考記事はこちら
高校も塾も行かずに合格! 京大3兄弟の秘密 家庭内でできる“最強の教育”とは何か
http://toyokeizai.net/articles/-/41534


この間のシリコンバレーでは学生向けに話をしたけれど、今日はどんなことを話したらいいのかな?

はい、では本題に。海外を舞台に活躍されている寳槻さんに今日聞きたいことは、ズバリ、グローバルに活躍するために大事なことです!

寳槻:まずハッキリ言えるのは、異文化の中で外国人と英語で喋ってることでは、決してないということですね。海外で働くというと、英語などの「語学力」が真っ先にイメージされると思うんですが、「英語」というのはツールの一つにすぎません。

エンジニアがプログラミングが出来るからといって、良いアプリケーションが作れるとは限らないのと同じように、語学力に長けているからと言ってグローバル人材になれるのかというのは別問題です。僕がアメリカで仕事をするようになって数年経ちますが、英語はネイティブの人には敵いませんよ。

では、どんなチカラが必要なのでしょうか?

寳槻:それは、「問うチカラ」 じゃないですかね。グローバル力っていうのは、その問うチカラを駆使して、新しい道を切り拓いていくことだと思っています。

例えば、新たに車をアメリカで売りたいと思ったら、「なぜアメリカの車は大きいのか?」「なぜ日本の車のままでは売れないのか?」と、問いを立ててみる。そして、「じゃぁ、アメリカ人はどのような生活をしているんだろう?」と、彼らの生活を理解し、彼らと同じ目線で思考をする。それができるかどうかだと思うんです。

海外で働くと一口に言ってもいろんなパターンがあります。僕のように、日本企業に属しながら海外支社を立ち上げるでもいいし、現地の会社で働くでもいいし、ラーメン屋を開業するでもいい。どんな分野においても共通してやっていくことは、その国における思考原理を理解していくというチャレンジになるはずなんです。

自分のスキルとキャパシティを知る

その問うチカラを駆使して、アメリカ支社の立ち上げをされてきたんですね。

寳槻:そうですね。問うチカラが大事なんて言っておきながら、僕の最初の仕事は、「アメリカ 会社 作り方」というGoogle検索からでしたけどね(笑)

何の環境も整っていない中、手探りでなんでも自分でやってきて、今に至ります。一人でアメリカの会社にアポイントに来てみたら、いきなり外国人10人に囲まれて英語でプレゼンすることになったり、立ち上げ当初はとにかく初めての連続でしたね。

その状況、私だったら逃げ出したくなります(笑)

寳槻:みんなそうだと思いますよ(笑)でも、これをやってこれたのは、小さい頃からの築き上げだと思います。

何でもそうだけれど、初回は勇気がいるけれど2回目からは楽勝になるでしょ?ちょっと勇気を出したら自分の殻を破れる、またちょっとやったら次の殻が破れるって、その繰り返し。そうやって自分のキャパシティを広げていく作業の積み重ねによって、今の僕があると思っています。

そこに関連して、自分のスキルとキャパシティの広さを把握しておくことは大事ですね。

そもそも、人は誰しもチャレンジしたいって思っているんだけど、そのチャレンジに闘志を燃やせる人と燃やせない人がいます。それは、チャレンジと自分のスキルのバランスが人それぞれ違うので、人によってモチベーションが高まるポイントが違うからです。

僕の場合は、少し簡単に感じてしまうものは飽きてしまう。でも難しくて諦めそうだということに対しての耐性は高いから、頑張れる。自分にとっていい塩梅の難しさへのチャレンジを続けていくと、自分の能力が高まっていくから、その範囲がどんどん広がっていくんですよ。

「知識を付ける」のではなく「興味を持つ」

寳槻:少し話を戻すと、切り拓くということは、ゼロから何かを作り上げていくことだから、「そもそもこれって・・・?」と、常識を疑い、物事を根本から見つめ直す必要があります。僕は小さい頃から、「そもそも学校って?」とか「そもそも英語の勉強の仕方って?」といったように、寳槻家の教育のおかげで思考する習慣が身に付いていました。

だから、僕は父親に知識ではなく「興味」を授けられたと思っています。僕にとっては、寳槻家の教育がたまたまそうだったというだけなんですが、兄弟3人全員が高校にも塾にも行かず独学で京都大学に進学できたことは、興味への重要性のひとつの証明になっていると思いますね。

兄弟全員というのがまたすごいですよね。

寳槻:僕達兄弟は、興味を持つという教育をされたことで、疑問をもち、自ら学び、考えるというクセが身について、知識はあとから自然とついてきました。

その過程の中で、常識ではなく、世の中の良しとされる基準でもなく、自分の目線で物事を見るというチカラが備わっていったように思いますね。

例えばニューヨークに旅行に来たとして、本来であれば、一番楽しい時間の過ごし方は人それぞれ違うはずなんです。それなのに、みんな不安で世の中的に楽しいとされているオススメのベストコースはなんだろうって、ランキングをつけちゃうし、それに従っちゃう。それって、すごく勿体無いじゃないですか。

世の中、ハウツーも多いですよね。

寳槻:人の方法をマネしたり、人の視点で取り組んでも、二流にはなれるけれど、一流には絶対になれません。結局のところ、向き合う主体は自分自身ですからね。

本質が、文化の違いを乗り超える

そしてもう一つ。グローバルに働く上で避けては通れない、異文化コミュニケーションにおいて重要なことは何か教えてください。

寳槻:それは、どれだけ物事の本質に迫れるかどうかじゃないですかね。

僕は、コミュニケーションには2つの種類があると思っていて、1つは「馴染む」というコミュニケーション、もう1つは「本質」というコミュニケーションです。

まず1つ目の馴染むコミュニケーションというのは、置かれた場所の色に染まるということです。留学生がよくやるイメージなんだけど、「Hey! What’s up man〜?How are you doing?」なんて言いながら、パンパーンって手を合わせる感じ(笑)イメージつきますか?

はいはい、わかります(笑)

寳槻:これは日本人同士のコミュニケーションでもよくあります。お笑い番組をよく見たり、流行の服を着たりして、話題のコトやモノで繋がるコミュニケーションはその一つだと思います。これらは全てとは言わないまでも、どうしても表面的なコミュニケーションになりがちです。

僕自身、今アメリカを中心に海外で仕事をしていますが、結局のところアメリカで生まれたわけではないですから、どうやったって馴染むのには限界があるんですよ。

じゃあ、どんなコミュニケーションを取れば良いのかというと、2つ目の本質のコミュニケーションです。どういう意味かというと、「本質を語る」ということです。

かつて、理論物理学者のアインシュタインと精神医学者であるフロイトが戦争について書簡を交わしていたというのは有名な話ですが、考えも思考方法も全く違うはずの二人がどうして語り合うことができたのかというと、戦争というテーマにおいて、本質で語ることができているからなんです。

それはビジネスだろうがなんだろうが全部一緒。馴染むだけの表面的なコミュニケーションではなく、本質的なコミュニケーションができていると相手に伝われば、どれだけ拙い英語だろうが、背格好がアジア人だろうが、いくらでも話は聞いてもらえるし、文化の違いを乗り越えられます。

これは、コミュニケーションの方法論なんかじゃないし、テクニックでもない。より本質を磨き上げ、そのものに向き合う。結局のところ「問うチカラ」に繋がるんです。

最近では、「インキュベーション」とか「リーン・スタートアップ」なんて言葉で表現されますが、世の中的にもすごく求められているチカラではないでしょうか。

編集後記

インタビューの最後に今後について聞いてみると、「自分にしかできない代え難い仕事をしたいと思っているだけ。それができるなら、アメリカでも日本でも場所にこだわりはない」とおっしゃっていた寳槻さん。この4月にご帰国されたとのことですが、次なる挑戦やいかに!?
ちなみに、旅先で必ずすることのひとつは、スーパーに行って現地ではどんなものが食べられているのかを見ては食材を片っ端から買い込み、調理したり試食することだそう。さすが!と言いたくなるほどの探究心の持ち主。
こんな寳槻さんを育てた驚愕の教育法はコチラで知ることができます。
とんでもオヤジの「学び革命」: 「京大3兄弟」ホーツキ家の「掟破りの教育論」

取材日:2017年6月吉日