待機児童問題なんかに負けない!世田谷で自分らしく働く3人のママのストーリー ──オクシイ株式会社

待機児童問題なんかに負けない!世田谷で自分らしく働く3人のママのストーリー ──オクシイ株式会社

前回の記事では、マフィスを運営する「オクシイ株式会社」 代表の高田さんにお話を伺いました。さて、連載2回目の今回は、実際に「ママをたすけるシェアオフィス」マフィスを利用しながら働いているママさんたちにインタビュー。待機児童数全国1位の世田谷区で、どのように子育てと仕事を両立させているのでしょうか?

第1回
チャンスの神様は前髪しかない!働くママに勇気を与える、ある女性のヒストリー ──オクシイ株式会社
第2回
待機児童問題なんかに負けない!世田谷で自分らしく働く3人のママのストーリー ──オクシイ株式会社

野田 景子(のだ けいこ)

2016年8月よりマフィスを利用している。二児の母。マフィスに通いながら一級建築士の資格を取得するなど、仕事のみならず、勉強場所としてもマフィスを利用中。

中村 珠絵(なかむら たまえ)

2015年4月よりマフィスを利用している。一児の母。仕事はキャリアカウンセラーで、オクシイ株式会社の仕事も手伝う。

宮崎 晴美(みやざき はるみ)

オクシイ株式会社 PRマネージャー。二児の母。

自分と子どものペースで柔軟にお仕事!軽やかなワークスタイル

本日はよろしくお願いします!早速なんですが、お子さんはおいくつですか?

野田 景子(以下、野田):私は2歳と6歳の女の子がいます。2歳の娘がマフィスを利用していて、認可保育園には通っていません。

中村 珠絵(以下、中村):うちは4歳の男の子。今年から幼稚園に入園しましたが2年近くマフィスを利用してきました。今でも時々利用しています。

お二人とも、マフィスを利用したきっかけは何だったんですか?

野田:私は、上の子を出産するタイミングで一度退職をしました。子どもとの時間をじっくり確保したいと感じての退職だったんですが、2年ほど家にいた後に「仕事が好き、もう一度働きたい」と思ったんです。

辞めたからこそ気づいたんですね。

野田:はい。そこで仕事復帰をしようとしたのですが、保育園には空きがなくて入れませんでした。そのため幼稚園に入園したのですが、幼稚園の時間帯に合わせて仕事をすると下の子も保育園に入れない…という悪循環に陥ってしまって。

幼稚園だと、どうしても13時や14時に子どもが帰宅してしまうので、仕事も限られてしまいますよね…。

野田:そうなんです。そんな時にたまたま見つけたのがマフィスでした。家からそんなに遠くないし、保育の内容もわかりやすいし、金額も良心的で。そして、自分もマフィスで仕事ができるという点に魅力を感じ、利用を始めました。

なるほど。中村さんはいかがですか?

中村:私は、保育園激戦区と言われる世田谷の中で退職している状態だったので、保育園への入園は最初から諦めていたんです。フルタイムで働いている人でも落ちることがあるというのに、私は保育園戦争の土俵にも上がれないだろうな、と思って。

そんな時、あるきっかけで個人事業主になり、家で仕事をすることになりました。でも昼間は子どもに手がかかるので、子どもが寝ている間くらいしか仕事に集中できませんでした。丸一日子どもと遊んで、寝かしつけて、22時くらいからパソコンを開いて夜中に仕事を進める…という働き方が体力的にしんどくて。そんな時に、チラシでマフィスの存在を知り、昼間に仕事をするのって価値がある!と思って使い始めました。

そうなんですね。お二人もそうですけど、マフィス利用者さんは世田谷近辺の方が多いんでしょうか?

宮崎 晴美(以下、宮崎):近辺の方が多いですけれども、遠方から来られる方もいます。以前、すぐに仕事復帰をしなければいけないけれど、母乳育児を諦めたくないという方がいらっしゃって。組織に属しながらも、マフィスでリモートワークをしながら働くケースがありましたね。

すごい!

宮崎:母乳育児がしたくても、早くに職場復帰をして、フルタイムで保育園に預けていると続けるのが大変なことも多いんですよね。会社で胸が張ってきて、トイレで搾乳するというケースもよく聞きます。働きながら母乳育児ができるのは、マフィスのメリットの一つだと思います。

なるほど。では、お二人はどのようなスタイルでお仕事をされているんですか?

中村:マフィスにはいくつか料金プランがあるのですが、その時々の仕事の量に合わせてプランを柔軟に変えています。一番多いときで4時間×週5の月80時間のプランを利用していました。

午前中に子どもの習い事がある日は、子どもと一緒に習い事に行って、お昼ご飯を食べて、マフィスに来て子どもは昼寝、私は仕事、みたいなスケジュールでした。

宮崎:習い事ありきで働き方を決めるって、普通の保育園だとなかなか難しいですよね。

中村:習い事を諦めなくていいのも、マフィスならではのメリットだと思います。

宮崎:保育園だと、ずっとフルタイムで預けているので、習い事は土曜日にガッと入れる例が多いんですよね。習い事も含めて、子育てと仕事が両立できるというのはマフィスの良さの1つではないかな。

確かに、時間に融通が効くのは魅力ですね。野田さんはいかがですか?

野田:私は朝に長女を幼稚園に預けて、9時頃に次女と一緒にマフィスに来ます。外出する日は預けてすぐに出ますし、外出しない日は16時頃までここでじっくり仕事をします。出る日と出ない日をはっきり分けて使っていますね。

16時に長女の幼稚園が終わるので、15分前くらいに次女とマフィスを出て、16時5分くらいには家に到着しています。通勤と送り迎えの時間がほとんどないんですよ。ただ、幼稚園のお迎えの時間などは絶対に変えられないので、1日に何度かあるコアタイムに合わせて、柔軟に仕事をしています。

仕事をしていても、子どもの「初めて」を見逃さない!

子どもの近くで仕事に集中する環境って、実際どんな感じなんですか?

野田:仕事に集中している時でも、ふと子どもの存在を近くに感じられます。声が聞こえてくるので「あら、今日はご飯食べるの嫌がってるわ」とか「お昼寝しなくて先生に抱っこされてるなあ」とか、そういう日常の様子を間近に感じられるのがやっぱり嬉しいなあと。

子どもが小さいとどうしても自分では今日の出来事をうまく話せないので、日中どんな風に過ごしているのかは先生からお聞きするしかないんですよね。自分で直接子どもの雰囲気を感じられるのはマフィスならではの魅力だと思います。

中村:私も、子どもの成長を見逃さずにこれたのはすごく大きかったと思う。初めて預けた時は子どもが1歳9ヶ月で、ちょうど言葉が発達する時期だったんです。最初の頃は、預ける時にすごく泣いて、「かあちゃーん!」「だっこー!」「ねんねー!」と、知ってる限りの単語を尽くして助けを求めているのがオフィススペースにも聞こえてきたんですが「あれ、泣くだけでなく言葉で伝えてる!」みたいな(笑)

言葉の発達や成長を感じる瞬間に立ち会えるのはすごく良いです。仕事をしながら子どもの成長を見守ることができているのかなと。

宮崎:保育園に子どもを預けている方は、心のどこかには「もうちょっと見てあげたいな」という気持ちがあるのではないかなと思うんです。私自身も子どもを二人保育園に入れているんですけど、今の二人の話を聞いてると「ああ、私初めての言葉聞けてないな」とか思ったり(笑)

貴重な一瞬ですよね。先ほどのお話にもありましたが、例えオフィススペースにいるとしても、ママと別れる際にはやっぱり泣いてしまうんですね。

宮崎:最初のお別れで泣く子は多いんですが、徐々に「ママは上にいて、ちゃんと降りてくるんだ」ということを理解してくれるみたいですね。

野田:それが分からない時は、外出の際に一緒に帰ろうとしちゃったりとか(笑)

可愛い!(笑)

中村:うちの子も、最初は3週間くらいずっと泣いていたんですが、慣れてくると「ここは自分がいてもいいところなんだ」と分かってきたみたいで。

今はもう、マフィスに来たら自分は自分の時間、ママはママの時間ということが分かっています。打ち合わせをしているときにたまたま私の姿を見られることもありますが、スルーされます。ママは今お仕事中なんだということを、子どもなりに理解したつもりで過ごしているのではないでしょうか。

子どもの順応力って本当にすごいですね。

仕事をする・しないをもっと簡単に行き来できる世の中に


▲外出前にお子さんの様子を伺う野田さん

お二人とも、柔軟に仕事と子育てを両立されているのを感じます。

野田:マフィスのおかげで仕事をなんとか続けることができました。本当にその一言に尽きます。

宮崎:結婚・出産というライフイベントを迎える20代後半〜30代前半の女性って、それまで一生懸命働き過ぎて、一回燃え尽きる人も割といると思うんです。妊娠・出産を経て、今後も働き続けられるかどうかなんてあまり考えずに「一回リセットして辞めてもいいかな」って。

一回退職するって割とあることなのに、子どもがいると仕事復帰がものすごく大変ですよね。「働きたいけど、働けない」と後で後悔している人もいると思うんですよ。

マフィスのような施設があることを知っているか、知らないかでも違いますよね。

宮崎:そうですね。幼稚園でも、11時にお迎えの日や夏休みがあったり、働くママには適応していないところが多いです。0か100かのどちらかしかなくて、その間が本当にないんです。保育園に入れなかった人はどうやって働くかとか、幼稚園に入った後どうやって働くかとか…。そのソリューションが今は本当に整ってないです。

仕事を一回辞めることが悪いことだとは全く思ってません。でも、一回辞めたら復帰がすごく大変だという事実に直面して、復帰したいときに復帰できない。それってとても動きづらいですよね。仕事をする・しないを柔軟に行き来できる社会になればすごくいいなと思いますね。

女性の働き方M字カーブから考える、女性の働き方

▲マフィスでお仕事中の中村さん

マフィス利用を経て、今どのように感じていますか?

野田:いずれはマフィスを卒業する時が来て、その後幼稚園なのか保育園なのか、もしくは小学校の学童の壁なのか…自分の働き方を問われる時期がまだしばらく続くのだろうと思います。マフィスを利用して、保育園以外にも仕事をしながら子育てしていく道があることを知ることができたのは大きかったです。

中村:0か100ではない中間の働き方がある、というのを自分自身が知り、今実践しています。世の中の「働きたいけど保育園に入れない」と感じている方たちに、こういう選択肢もあるんだよというのを知っていただきたいと思いますね。

知ることで道が開けることってありますよね。

中村:そうですよね。私は学生の頃から「キャリア」「働く」「仕事」といった分野に興味があって、論文のテーマにもしていたんです。日本女性の働き方の特徴を示すM字カーブってあるじゃないですか。

【出典】内閣府男女共同参画局「男女共同参画白書 平成25年版」第1-2-1図 女性の年齢階級別労働力率の推移 

中村:20代で働き始め、その後出産・育児のために一旦仕事を辞めてしまう…いま私自身がM字カーブの底にあたる年齢ですが、自分が働くことで、このカーブの底上げに少しでも貢献できたらいいなと思っています。多様な働き方を支援する新しいサービスが世の中にたくさん生まれてきているし、自分に合った方法を見つけることができれば、働き方はもっと柔軟にしていけると知ってもらいたいですね。

おっしゃる通りだと思います。ブランクの期間があると、キャリアを収入に反映してもらえない方もたくさんいますよね。

宮崎:せっかくキャリアのある人でも、その才能を十分に活かせないというのはすごく残念だし、日本にとっても損失だと思いますね。

野田:「子育てのためにある程度、時間的な自由を効かせる」ということ=「補助的な戦力としてしか見てもらえない」という側面は確かにあると思います。時間的な制限があることが、正社員とは同等に扱われない要因のひとつになってしまう。

宮崎:働き方にフレキシビリティが生まれないとこういう働き方はできないし、会社勤務の形も色々変えていかないと…女性の労働力が本当にガクッと下がるだけになってしまいます。

野田:子どもが生まれて、働き方の選択肢が少ないがために諦めざるを得ない事が増えるというのは本当に残念だし、”女性だから仕方ない”とは思いたくないですよね。

中村:せっかく積んだ経験やスキルが消えてしまうわけではないのにね。むしろ子育てを通して経験したことが仕事に生きることだってあります。

宮崎:ここで私たちが踏ん張らないと、これからの若い人たちに希望を持ってもらえない。色々な働き方があることを、本当に若い人たちに知ってほしい!

野田:働く方法を変えてみたら、発見がいくつもありました。色々駆使すれば、ひと月にこのくらい仕事の時間が持てるなとか、自分の望む仕事と育児のバランスとか。これからもそうやって軌道修正しながら仕事を続けたいですね。

中村:時代は変わって来てるしね。

宮崎:そうそう。そしてもっと変えなきゃいけないよね。

編集後記

取材は徐々にママ座談会のようになり、これからの女性の働き方について語り合いは続きました。

全員が大事にしたいと言っていた「選択肢を知ること」。知ることでその先の未来が変わると、口を揃えておっしゃっていました。

日本一保育園に入れないと言われている世田谷区で、そんな逆境にも負けずに笑顔で仕事と子育てを楽しんでいるママたち。たくさんの勇気をいただきました。

今回お話を伺った企業
ママを助けるシェアオフィス Maffice
オクシイ株式会社

第1回
チャンスの神様は前髪しかない!働くママに勇気を与える、ある女性のヒストリー ──オクシイ株式会社
第2回
待機児童問題なんかに負けない!世田谷で自分らしく働く3人のママのストーリー ──オクシイ株式会社
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