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日本初?いやいや世界初!「まちの保育園」にいる“コミュニティコーディネーター”ってどんな仕事?

日本初?いやいや世界初!「まちの保育園」にいる“コミュニティコーディネーター”ってどんな仕事?

日本初?いやいや世界初!「まちの保育園」にいる“コミュニティコーディネーター”ってどんな仕事?

「まちぐるみ」での子育てを実践し、様々なアプローチで教育業界でもひときわ注目を集めている「まちの保育園」。ここにいる“コミュニティコーディネーター”さんをご存知でしょうか?

なんせ世界初!のこの職業、知らない方がほとんどだと思います。いまや「まちの保育園」になくてはならない存在、さらにはこれからの「保育・教育」業界をも左右させうるかもしれない“コミュニティコーディネーター”略してCC(シーシー)のお仕事とは?「小竹向原園」のCCを務める、根岸拓哉さんを直撃しました!

根岸 拓哉(ねぎし たくや)

まちの保育園 小竹向原 コミュニティコーディネーター。 1982年群馬県生まれ。保育関連コンテンツの編集、輸入家電の営業、ネット広告代理店のオペレーターや社内システムの企画導入、プリセールスなど多様な職種を経験した後、まちの保育園に入職。

第2回
日本初?いやいや世界初!「まちの保育園」にいる“コミュニティコーディネーター”ってどんな仕事?

まずは、第1号園となる「まちの保育園 小竹向原」を見学!

「保育園」とは思えぬなんとも素敵な外観…!

根岸:入口にはカフェ「まちのパーラー」が併設されています。このお店のパンは大人気で、いつも賑わっています。給食にも時々出るので、子ども達も大好物です(笑)。

まちの保育園の外観。すごくオシャレです。

セキュリティを通って受付を進むと…ここはオープンスペースですね!

根岸:ここには「ドキュメンテーション」と呼ばれる“子ども達の姿を捉える記録”などがディスプレイされています。

園内のあちらこちらには、四季を感じるものや、子ども達のイマジネーションを刺激する「ナカダイ(*)」と呼ばれる廃棄物をリサイクルした素材がたくさん!

“遊び方”が決まっていない分、子ども達の使い方は無限大∞

*ナカダイ=廃棄物処理、リユース事業をしている会社の名前が、そのまま素材の名前になっています。

こ、この素敵な空間は?!

根岸:「まちのま」です。地域の方や保護者が貸し切れるコミュニティスペースとして、また、時には保育の中でも使うスペースとして、様々な用途で使われています。

特別にちょこっと先生たちのお部屋も覗かせていただきました。なんとボードには、先生たちの様々な想いや課題、コメントがびっしり!熱い真摯な姿が伝わってきます。

コミュニティコーディネーターとは?

とても素敵な園ですね!さっそくですが、根岸さんが務めるコミュニティコーディネーターという職は日本初なんですよね。長い職名ですが、なんと呼ばれているのですか?

根岸:コミュニティコーディネーター、言いづらいですよね(笑)みなさんCC(シーシー)って呼んでくれています。子ども達は、「ねぎCC(シーシー)」とか(笑)

語呂がハマってますね(笑)具体的にはどういった仕事をされているのでしょうか?

根岸:仕事としては、地域連携、事務員、用務員、時には保育補助の大きく4つです。保育士の人が保育に注力できるように、何でもやるという所が大きいですね。ただスコープはものすごく広くて、保育園だけではなく、地域の人も含めてよりよい社会にしていく仕事。少し大それたように感じますけど、そういうところを狙っている職種です。

保育に入ることもありますか?

根岸:延長保育など割と手薄になりがちな部分や、助けが必要な所に入ったりはします。この仕事を始めてから保育士の資格も取ったので、有資格者として入っています。

保育の他には、プールなどの時は監視で入ると保育士の人達が助かりますし、普通に重い物を持って欲しいとか、園庭になるジューンベリーの実を粛々と積んでいたりとか、とにかく幅広いです(笑)

どの園にも、CCというポジションの方はいらっしゃるのですか?

根岸:はい、うちの法人には必ずCCがいます。また、うちの法人に共感してくれた方とアライアンスというのを組んでいるのですが、そこにも各園にコミュニティコーディネーターを一人ずつ置いています。本当に各園でそれぞれ違う実践をしているのですが、同じコンセプトの基にやっていますね。

コミュニティコーディネーターという名前も、惹きつけられますね!

根岸:この名前自体がすごくいいなと思うのは、何でも使えるところだと思います。例えば保育園と保護者との調整ですとか、様々な「コミュニティ同士をコーディネートする」という意味で使えます。

一方で保育園の中では、情報整理や事務作業を引き受けたりと、団体の調整をしている側面もあります。会議の進行もしますし、やることは本当にとめどないです。

やりたかった保育業界。この地域が盛り上がれば、自分も楽しい。

根岸さんご自身は元々IT業界などにいて、そこからの転職だったんですよね。何か大きなキッカケはあったのですか?

根岸:父親がカラオケスナックをやっていたんですけど、ちょうど何年か前に体調を崩してやめることになってしまって。その時に、僕もあと30年位で仕事が出来なくなっちゃうのかもな…と思い、もともとやりたかった保育の業界をちょっと覗いてみてもいいかなと思ったのが一つのキッカケです。

大学卒業後に保育系の編プロで働いていた経験もあり、どこかいい保育園あったよなと思って調べていたら、この職種が出てきて、ちょうど募集がかかっていたんです。

すごいタイミングですね!

根岸:ちょうどここが「認証」から「認可」に上がる直前の時期でした。町会や、外部の方達との関り合いという意味では、実質的に代表の松本がこのコミュニティコーディネーターを立ち上げからやっていたんです。

ただ応募する際に色々と職種内容を見たら、これから色々と決まっていくフェーズなんだろうなという雰囲気は感じていました。そうすると、編プロで培った保育の知識や、IT系や営業・ベンチャーにいた経験が逆に糧となって、出来そうかもという感覚があったんです。

今までの経験が、うまく還元できる仕事だったんですね。

根岸:ただその時不安だったのは、用務の仕事をやったことがなかったこと。電動ドリルとか使ったことがなかったんで…(笑)でも入ったら出来るようになりました。

あとは、僕自身がたまたま園の近くに住んでいた部分は結構大きいですね。近所なので、土地勘や近くにどういう団体がいるかなど、「地域資源」も割とたくさん知っていますし。また松本のコンセプトを見て、この地域が盛り上がれば、自分も楽しいよなって思った部分も大きいですね!

人に対して、先にギブしちゃう。

地域の方達との交流も多いと思いますが、根岸さんの中で一番大切にされていることは何ですか?

根岸:「人間というのは、みんなそれぞれ違う人」というのが大きいです。ニーズが違えば、想いも違うし、まずは話を聞かなきゃ始まらないというのが大きいと思います。

あとはガッツリ手伝って苦にならない人もいれば、ちょっとでも苦になる人もいるので、そこはその人の状況を見て判断していますね。

根岸さんのコミュニケーション能力、さすがです!老若男女いろいろな方々と接するかと思います。

根岸:これは代表の松本のお知り合いでもあるのですが、「クルミドコーヒー」という西国分寺で珈琲屋さんをやっている方がいらっしゃって『ゆっくり、いそげ』という本を書かれているんです。

そこでは、まず先にギブしちゃう色んな人達に対してギブしていくと、どんどんギブが返ってくるとあって、これはすごく面白い考え方だなと思ったんです。なかなか資本主義の考え方だと、ギブしたらお金が欲しいってなりますけど、そうではなくて“先に与えていく”ことで、自然と人が集まってくるし、困った時に助けてくれると。

それはコミュニケーションの極意かもしれないです…!「まちの保育園」がある小竹町の町会さんとも、色々な取り組みをされているとか?

根岸:町会って、若手の加入率がすごく少ないんです。やっぱりなかなか踏み出しづらいですよね。何かやらされるんじゃないかとか(笑)そこでPRを頼まれて「こたけぐらし」という冊子を作ったり、年に1回「こたけあそび」というイベントも開催しています。そこから派生して「こたけひろば」という月一の交流広場を開催し、今度は「こたけねっと」というホームページを作りました。

町会自体が「何をやっているんだろう」と思われていた部分を、少しずつ可視化していく。この小竹町が元気になれば、子ども達にとっても必ずいいものになるし、地域の人が繋がっていると、防災防犯や社会福祉の向上という意味でも役立つし、もしかしたら孤独死みたいなものが防げるかもしれない。

保育園がこの地域にあることによって、一つ一つの小さい繋がりから、どんどんコミュニティの輪が広がっていくといいなと思いますね。

やみくもにコーディネートするのではなく、あくまでも「子どもの興味関心」が大事。

聞けば聞くほど、一言で「こういう仕事」と説明するのは難しいお仕事ですね。

根岸:そうですね(笑)でも大きく分けるとこの2つになります。「子どもの育ち・学びのため」と、「まちづくりの拠点として」というところ。

いわゆる保育園は子どもの教育施設、かつ保護者の方達の就労支援の場ですが、「地域づくり」までを目指しているのは「まちの保育園」の特殊なところかもしれません。

そういう面でも、「コミュニティコーディネーター」さんがいると地域との連携がしやすくなると思います。

根岸:まさに保育園の中だけではできない活動など、子ども達の活動の幅が広がるというのはメリットとして大きいです。ただ、日々の保育をもっと大事にはしたい。僕達の活動を外に発信する時に、すごく派手な保育園だなと思われてしまうのはいやだなと思っていて、あくまでも子どもの興味関心があって、それに関連する団体と繋ぐというのを大事にしている。

例えば、大人が先導的に毎週ワークショップをやっていて、子どもの興味も分断されているような感じではなくて、元々動物を好きな子が何人かいて、じゃあ動物園にちょっと行ってみよう、動物の団体さんに来てもらおうとか、そういう形で活動を組み立てられるように保育者の思いも大事にしながら行っています。

これからは、“自分が好きな所”をいかに伸ばしていけるか。

園内にある飾り物も素敵ですね!

根岸:飾り物は「子ども達が作るもの」を飾っているんです。子ども達が一生懸命工夫して作った物が飾ってあると、子どもも自信になるし、大人が見ても素敵ですよね。不完全な素敵さというか。また子どもこそ“本物”が分かるので、七夕の時は本物の笹を保育園の入口に飾って、みんな自由に短冊に願いごとを書いたりしています。

そういう場所だと、地域の方達もますます足を運びたくなりますね!

根岸:保育園は閉鎖的な場所ではありますが、色々な人がもっと自由に行き来できる場になって欲しいという想いがあります。障がいがある方ない方、老若男女すべての人が「学べる場所」として保育園が使われていくといいなと思いますね。

また、「子ども」は小さい守られるべき存在ではありますが、強い存在でもある。かつ素敵な存在だから、それをもっともっと周りの多くの人達に知ってもらいたいです。

子どもは子どもなりに色々と考えているし、親御さんとお子さんは似ている部分もあるけど全然違う人間でもある。大人の社会では多様性が叫ばれていますが、そこから「みんなそれぞれ違うんだよね」と「違いを認め合う」という観点にも繋がってくるはず。今ビジネスで叫ばれていることなどは、「子育て」や「子どもと接している中」で身につけられることが多いなと、僕自身感じますね!

子どもから学ぶことは多いですね!

根岸:子ども達の発見が、めちゃくちゃ面白いんですよね。先ほどのナカダイの素材の使い方も、大人が見ると「この子はこういう使い方をするんだ」と刺激されるし世界が広がる。色んな子の使い方を見ていると、どんどん世界が広がっていくし、それってまさに「創造的な社会」

そんな子ども達に、今後身につけていって欲しいのはどのような力でしょうか?

根岸:これは大人も身につけないといけないのですが、自分が好きな所をいかに伸ばしていけるかという部分、「生きるように働く」というのが今後は大事だと思います。

そのために、やりたいことをどれだけ磨けるかというのが一つ。もう一つは、そのやりたいことをやっている人と自分との違いを認めていくこと。「お互いを認めていく」というのが育っていけば、例えばAIの時代になっても、AIのことをよく理解して「AIがそういう仕事をするなら、AIには出来ないこういうことを自分がしていこう。お互い良い所があるよね」となるはず。大人もこれから10年20年経ったら、ちょっと意識していかないと危なくなってきますね(笑)

ありがとうございました!

<編集後記>

自分の子や身近な子どもが通っていない限り、なかなか足を踏み入れることのない保育園。核家族化や超高齢化社会が叫ばれる中で、そんな保育園が「地域の交流の場」、さらには「コミュニティの中心」として機能していけば、子どもにとっても社会にとっても、よりよい環境になるはず。そう本気で感じたインタビューでした。

まちの人達に寄り添う大切なポジション“コミュニティコーディネーター”さんが、これからさらに増えていくことを願います!

 

第2回
日本初?いやいや世界初!「まちの保育園」にいる“コミュニティコーディネーター”ってどんな仕事?