<img height="1" width="1" style="display:none" src="https://www.facebook.com/tr?id=1176794389076832&ev=PageView&noscript=1" />

移住者増加率300%!愛媛県西条市から教わる「移住すればうまくいく」の落とし穴

移住者増加率300%!愛媛県西条市から教わる「移住すればうまくいく」の落とし穴

移住者増加率300%!愛媛県西条市から教わる「移住すればうまくいく」の落とし穴

地方創生の一手としても注目される「地方移住」。

各自治体や地域がさまざまな活動をしている中、愛媛県西条市無料の移住体験ツアーを実施するなど移住者に寄り添った施策が人気を集め、2019年の住みたい田舎ランキング四国部門では1位を獲得し、直近1年間の移住者増加率は300%を超えました。

西条市が移住者にとって働きやすい街であることを表す「co-あきない宣言」には、
個を活かして自由にはたらく人。
まちに残る伝統や技術にほれ込んで、古を伝えようとしている人。
取り組みが人をつなぎ(Co)、人が来る理由になる(呼)
という意味が込められています。

そんな西条市が「移住すればうまくいくの落とし穴」と題したトークイベントを開催。
今回は、移住のリアルについて語られたその内容をお届けします。

堀口正裕

地域との繋がり方を提案する雑誌「TURNS」プロデューサー。

眞鍋かをり

LOVE SAIJO応援大使。18歳まで西条市で過ごした経験を持つ。

荻原甲慎

西条市に移住して「西條そば甲」を営む。

岡山史興

地域や企業のブランディングを手がける「70seeds」代表取締役編集長。

移住ブームはなぜ起こった?

前半は、地域と人をつなぐ雑誌「TURNS」をプロデュースされている堀口正裕さんにお話を伺いたいと思います。そもそも、地方移住を検討する人が増えてきているのって一体なぜなのでしょう?(モデレーター:岡山、以下同)

堀口:自分の大切にしたい価値観に従って生きたい人が全国に増えているからだと思いますね。移住者へ取材をしていると、「上司のため」「会社のため」と考えて働くことが虚しくなったという声もよく聞きます。

心地よい空間で自分の好きな人たちと仕事をする、そういう環境を作ることができる時代になってきているのに、そういう選択をしないまま終わるのはもったいないと思う人も増えてきていますね。

(co−あきないの)“個”に関していうと、会社が培ってきた個人のスキルを独占するんじゃなくて「コミュニティや地域社会で共有すること」を望む、そういった考えも広まっています。

そういった考えを持つ一番のきっかけは、「こんな自由に生きてる人がいるんだ!」と知ることだと思いますね。

地域は“ユートピア”じゃない

地域へ移住を決めたら、どんな仕事や活動をするのが良いでしょう?

堀口:一番大事なのは、自分がワクワクすることをやること。そうでないと続かないです。

例えば、高知県の土佐市でゲストハウスを運営している女性がいるのですが、彼女は筋トレが大好きなんです。そんな彼女が着目したのが、土佐市で有名なカツオのなまり節。なぜかというと、筋肉に良い成分がいっぱい含まれているから。「これを世界中の筋トレマニアに愛される商品にしよう!」となっていろいろと工夫をしたら、月に3万本売れたんです。

自分のやりたくてワクワクすること、且つ地域の人も喜んでくれること、それをやるとうまくいくんです。そういった事例はいっぱいあります。

好きなことと地域の課題を結びつけていくのが大事なんですね。

堀口:「地域の役に立ちたい!」と思っていても、地域はそんなの欲してません、ってこともあります。独りよがりではなくて、地元の人の意見も聞きながらかたちを変える柔軟性も大事です。

地方移住を成功させるには、何が大事だと思いますか?

堀口:大事なのは地域の伝統や営みに対する敬意やホスピタリティです。その意識があれば色んなものが乗り越えられると思います。

地域のことを“ユートピア”だと勘違いしている人っていると思うんですよね。たしかに、小さい失敗をいろいろできるのが地域の魅力だとも言われています。でもそれは受け入れられればの話しですからね。

相性の良い地域の見つけ方

自分と相性の良い地域ってどうやって見つけたら良いのでしょうか?

堀口:まずは移住コンシェルジュや移住相談窓口の人と話すのが良いと思います。

そこで移住者を紹介してもらって、「どんな人に出会って移住したのか」というストーリーを語ってもらうんです。移住相談って人生相談に近いところがあるので、親身になって話しを聞いてくれるかっていうところも大事です。薄っぺらい話だけじゃダメ。

たしかに、誰とつながるかが大事ですよね。地域のコーディネーターでない人との出会い方はありますか?

堀口:「TURNS」は紙媒体なので、それを見て自分が動くのも良いと思います。あと、地域のホームページや空き家バンクなんかを見て、そこからつながりを持っていくのも良いと思いますね。

そして、とことん人に会うことです。自分が気になる人がいたら会いに行く。これが重要です。

シャイで優しい西条人の魅力

では、ここからは西条市出身の眞鍋かをりさん、移住者の荻原甲慎さんをお迎えして、お話していきたいと思います。早速ですが、西条市の魅力はどんなところですか?

眞鍋:ただの田舎の自然ではなくて、その自然を楽しめるところですね。ここ最近、アウトドアのお店やおしゃれなスポットが増えて、若い人が楽しみやすい場所になってきたなと感じています。

山と海が直線距離で20km圏内にある場所って、日本に2箇所くらいしかないそうで、アウトドアに詳しい人からしても魅力的なんだそうです。ずっと自然に囲まれて育ったので、あたりまえだと思っていたことが申し訳ないです(笑)。

荻原さんは15年前に西条市に移住されて、今はお蕎麦屋さんをされているということですが。

荻原:自然の良さももちろんですが、15年住んで思うのは人の度量の深さだなと思っています。西条の人の考え方は素晴らしいです。古き良き日本の考えの方がたくさんいて、損得ではなくて正しいかどうかで物事を判断する人がすごくいるんです。僕はそういうところが一番好きです。

15年前、移住という概念がなかったので受け入れてもらうにはどうしたらいいかと考えて関西弁をやめて、西条弁を練習しました。

眞鍋:西条の人は、そうやって飛び込んできてくれる人にはウェルカムですよね。

荻原:そうですね、でも自分から飛び込まないとなかなか声をかけられることはなかったです。でも、「あいつがんばっとるな」と、よそで言ってくれていたり、直接ではなくても無言の応援があるんです。移住して生きていくのは大変でしたけど、それでもがんばれたのもこの無言の応援のおかげです。

お蕎麦屋さんを始めた15年前は、苦労されたということですが。

荻原:「移住すればうまくいく」まさにそう思っていましたが、そんな夢の楽園は一瞬で消えました。1日にお客さんが1人という日もあって、だんだん支払いもできなくなってきました。

それで仕入れをしている先を一軒一軒回って、支払いを遅らせて欲しいとお願いをするんですが「今月は待ったるけん。がんばれよ」と言ってくれる人たちがぽろぽろと出てきて、それは本当に嬉しかったです。

今ではミシュランガイドに掲載されるなどして、そんな苦労があったとは感じさせないほどの人気店となっていますね。

荻原:一年目に気づいたんです。「俺はこうだ!」と自分のスタイルを周りに押し付けているだけだったと。お客さんがいるから商売は成り立っているんだ、ということに気づいたら、だんだん数字はあがってきました。

眞鍋:西条の人はけっこう保守的で、男の人は無口です。沖縄のようなフレンドリーな感じを想像するとちょっと違っているので、その辺の付き合いかたにはコツがいるかもしれません。商売をするとしても、イケイケより一歩引いている姿勢が大事だと思いますね。

大人と子どもの距離の近さが生む子育て環境

移住を考えたら、「子育て」についても気になるところですね。

荻原:西条には、地域で子どもを育てるという文化があります。祭りが盛んなのが影響していると思いますが、子どもが走り回ると「危ないだろうが!」と、近所のおじさんに言われるくらい、子どもと大人の距離感が近いです。

今の大人もそうやって育った人たちなので、30歳のおじさんが60歳のおじさんを「たかしクン」って呼んでいたり(笑)。PTAなんかのコミュニティも盛んで、みんなで協力して子育てをしている、そういう地域ですね。

眞鍋:大人と子どものつながりが強いのは、だんじりがあるからだと思いますね。みんな祭りに向かって気分を盛り上げて、当日は全力投球。そういう場面で大人と関わることが多くて、地域の子どもと大人は顔見知りでした。運動会では「地区対抗リレー」っていう珍しい競技がありましたね。今もあるんですかね?

荻原:今は地区対抗の綱引きですね。かなり盛り上がりますよ。

眞鍋:あと、子どもにとってすごく良いなと思うのは、東京に住んでると車で1,2時間かかるような海や山にすぐに行けるところです。子どものとき、父が船舶免許を持っていたので、船に乗ってよく遊びました。そう聞くと、東京だとセレブなイメージになりますよね(笑)。瀬戸内海は島だらけなので、夏は毎週末船に乗って無人島を探して、浜で釣った魚を焼いて食べたりとかしていました。

最近では、島にバーベキュー会場ができたり、もっと気軽に遊べるようになっています。子育てには良い環境だなと思いますね。

最後に、移住検討者の方々にメッセージをお願いします!

眞鍋:都会に住んでる方でも「暮らし方を変えたい」と思うタイミングがあると思います。年をとってくると、若い時とは必要なものって違ってきますよね。私自身、西条に惹かれる時期になってきていて、昔と違った西条の良さを感じています。人生の何かを変えたいタイミングに来た、そういう人にはぴったりの場所だと思います。

荻原:「移住してもうまくいくとは限りません」と断言できます。うまくいくためにはどうするのか、どうやって生きていくのかを考えてから、初めてうまくいくと思います。

今回話しながら改めて、良い人生を送ってきたなと思いました。移住して本当に良かったのか、そう思ったときもありましたが、30歳のときに決断して良かったです。このまま西条で良い人生を送っていきたいです。

本日はありがとうございました!

イベントを終えて

「移住すればうまくいく」その考えには多くの落とし穴があるようです。

今の暮らしや地域を“もっとよくするため”の移住と考えがちですが、本当は「自分らしく」あることが最優先であるべき。

移住を検討するならその前に、今自分らしく生きているか?その地域で自分らしく生活できるのか?を考えるのが良いかもしれません。

それぞれのあり方で西条市と関わる皆さんのお話を聞き、「うまくいく移住」への理解に一歩近づくことができた気がします。

▼西条市についてはこちらから!
移住の情報⇒「LIVE IN 西条
まちの魅力情報⇒「LOVE SAIJO