今話題のワード!“事業所内保育所”の実際のところ

今話題のワード!“事業所内保育所”の実際のところ

こんにちは!元保育士 Fledgeライターのもかちんです。

今、働きながら子どもを育てる、いわゆる「ワーキングマザー」が増えていますね。子育てだけでも大変なのに、その上フルで仕事なんて・・・と、世の中のワーキングマザーには頭の下がる思いです。

そんなママにとってのお悩みが「仕事中、子どもをどこに預けよう?」ということ。以前fledgeの記事でもお伝えした通り、待機児童問題は少しずつ改善してきてはいますが、子育てをしやすい環境とはまだ言い難いですね・・・。sad

やっと保育園が見つかっても、会社から遠いためにお迎え時間が遅くなってしまったり、保育園に預けること自体がママやパパの負担になってしまうことも。

そんな中、保育業界に一石を投じるのが「事業所内保育所を積極的に作っていこう」という世の中の新たな取り組み。今回は、働くママたちの救いになるかもしれない「事業所内保育所」についてまとめました。

事業所内保育所が増えてきた

事業所内保育所とはその名の通り、事業所内・または事業所の近くにある、会社で働く社員専用の保育所のことです。子育てをしながら働けるよう企業や会社が設けており、その多くは無認可保育園です。

そんな事業所内保育所ですが、個人的に数が増してきているように感じます。最近もLINEの事業所内保育所のニュースが話題になったし・・・。default

実際のところはどうなのでしょうか?厚生労働省が発表した資料「認可外保育施設の現状取りまとめ」を見てみましょう。

・・・ふむふむ、なるほど!

単純に見ると、調査が始まった 平成10年から平成26年 のうちに全国で1,000施設以上増えていることが分かります。現在は全国に4,000ヶ所を超える事業所内保育所があり、時代の流れに伴い、施設の数も増え続けているようです。

その中でも多いのが院内保育施設で、全体の半数以上を占めます。病院内にある保育所のことですね!女性が多く、夜勤など長時間働く場所であるからこそ、それらのニーズにあった保育園が増えているのかもしれません。

ちなみに都道府県別に見てみると、事業所内保育所が多い都道府県トップ3は・・・

No.1 東京都(367施設)
No.2 千葉県(168施設)
No.3 北海道(156施設)
(平成27年 3月 31日現在)

やはり大企業の多い首都圏に集中しているようですが、北海道は個人的に意外でした。

今、話題のワード 「事業所内保育所」

日本は「現状1.46%の出生率を、2025年度までに1.8%に引き上げる」という大きな目標を掲げています。同時に、結婚・妊娠・出産・子育てまで切れ目のない支援を行うことも目指しています。

その一つの解決の糸口になるかもしれないのが事業所内保育所の設置。・・・なのですが、コストや運営面で踏みとどまり、なかなか導入に踏み切れない企業が多いというのも事実です。

そこで内閣府は平成28年度から「企業主導型保育事業」を開始しました。この事業が目指すのは待機児童の解消であり、平成29年度末までに保育の受け皿を5万人増やすことを目的としています。自治体に届け出を出すだけで設置できたり、設置する事業者への補助金を認可保育所並みの水準に設定したりと、なるべく企業が保育所を設置しやすい条件になっているようです。
(→詳しくは
内閣府の企業主導型保育事業の概要をご覧ください )

国や内閣府が動くことからわかるように「事業所内保育所を積極的に作っていこう」というのは、国全体で始めている新しい取り組みなのです。

実際に導入した企業の例 

では、実際に事業所内保育所を開設した企業の例をいくつか見てみましょう。

株式会社ブリヂストン:ころころ保育園

タイヤメーカーのブリヂストンが2008年に開設した、定員120名という都内最大級の事業所内保育施設が「ころころ保育園」です。

<特徴>
・対象は生後9週目から小学校修学前までと幅広い
・7:30~21:00と長い保育時間
広い園庭がある
・子どもの様子を見られるコミュニティスペースがある


職場から近いだけでなく、社員の要望に沿った運営が心がけられており、社員からの評価はかなり高いようです。女性の過去3年間の復職率はなんと9割!

ブリヂストンは、こうした事業所内保育所の設置を含むダイバーシティ推進への取り組みが評価され、女性活躍推進に優れた上場企業として、保育所を設立した2013年から4年連続で「なでしこ銘柄」に選定されています。

多様な人材を活かすマネジメント力や環境変化への適応力が高く、成長力がある企業として経済産業省からお墨付きを得たのですね。
( →ころころ保育園について、詳しくはこちら )

ワークスアプリケーションズ:WithKids

以前Fledgeでもご紹介したWith Kids。コンセプトが「いつも一緒」のこの園は、親や保育スタッフを始め、その他の社員も自由にスペースに入ることができます。「社内みんなで子どもたちを育てていこう」という優しい気持ちに溢れた保育園になっています。

<特徴>
・子どもと一緒にランチや夕食が食べられる
・お迎え時間に融通がきき、延長保育料金がかからない
・保育士もワークスアプリケーションズの社員として採用

社員が「一日社員先生」として得意なことを園児たちに教えるプログラムも今後予定しているそう。事業所内保育所としての新たな形が実現した保育園とも言えそうですね。

( With Kidsについて詳しくはこちら↓)
ここが会社の中ということを忘れてしまいそう…話題の社内託児スペース「WithKids」に潜入!
会社で仕事と子育てを両立!社内託児スペースWithKidsに込めた想い ── ワークスアプリケーションズ

LINE Corporation:みどりの保育園

LINEが2017年4月、新オフィスに事業所内保育所を設立したのは記憶に新しいですね。

<特徴>
・0~2歳を対象に12名受け入れる少人数保育
・0歳児から子どもの才能や可能性を伸ばす「エデュケア」を実践

社員数は4年前から3倍に増え約1,500人、平均年齢は34歳のLINE Corporation。ライフスタイルの変化を迎える社員が増えていることから、保育所開設に踏み切ったようです。

保護者への連絡はもちろん(!?) LINEで、専用のLINEアカウントを使って日々の子どもの様子をやり取りするのだそう。事業の形が生かされた保育スタイルで人気を集めそうです。

(こちらもご覧ください→働くパパママ必見!事業所内保育施設のある企業10選)

事業所内保育所のメリットとデメリット

それぞれの企業の個性や事業内容などが園にも反映されとても魅力的ですが、導入することで一体どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?企業側、利用者側のそれぞれの立場で考えてみます。

<企業側のメリット>

助成金を利用すると最小限のコストで設置できる

事業所内保育所設立に関して助成金を出してくれるところも多くあります。その代表とも言えるのが、厚生労働省の運営支援助成金。

<助成金の対象となる事業所内保育施設(一部引用)>
規模
・乳幼児の定員が6人以上
構造・設備
・2歳未満の子を見る乳児室、2~6歳の子を見る保育室、調理室、トイレがそれぞれあること
・乳児室の面積 1.65㎡以上、保育室の面積が1.98㎡以上であること
・消化用具、非常口など、災害に必要な設備が設けられていること
・専任の保育士が常時2人以上配置されていること
など。
<助成してくれる費用>
設置費
・大企業・・・助成率1/3まで 限度は1,500万円まで
・中小企業・・・助成率2/3まで 限度は2,300万円まで
増築費
・大企業・・・助成率1/3まで 限度は750万円まで
・中小企業・・・助成率1/2まで 限度は1,150万円まで
建て替え費
・大企業・・・助成率1/3まで 限度は1,500万円まで
・中小企業・・・助成率1/2まで 限度は2,300万円まで
運営費
・大企業・・・1,360万円まで
・中小企業・・・1,800万円まで

(参考:[平成28年度版] 事業所内保育施設設置・運営等支援助成金 のご案内)

これは内容の一部ですが、開設を考えている企業はぜひ知っておきたいですね。各自治体で補助金を出してくれるところもあるので、要チェックです。

出産を理由に退職する社員を減らせる

女性にとって大きなライフスタイルの変化である「出産・育児」。これを理由に退職する女性は多いです。事業所内保育所を導入することで、「保育園に入れない」「仕事復帰できない」などを理由に退職する女性は少なくなります。優秀な人材を会社に残しておくことができますし、社員としても出産後に安定した子育て環境が確保されていることは、大きな安心でもあります。

企業のイメージアップに繋がる

「保育園がある企業」と聞くと、なんだか印象がよくなりませんか?smile女性にとって働きやすい企業・出産しても長く働ける企業として、イメージが向上しますよね!採用時のアピールポイントにもなります。

<利用者個人のメリット>

子どもが近くにいる安心感が得られる

年齢が小さい子ほど体調を崩しやすいのは仕方のないことですが、熱が出るたび保育園にお迎えに行くのはとても大変です。しかし、会社の近くに保育園があればお昼休みや休憩時間に様子を見に行くことができるなど、安心して仕事ができます。

送り迎えに時間を取られない

わざわざ遠くの保育園に送らなくても良くなり、子どもと一緒に出勤をするような感覚で送り迎えができます。出社ギリギリまで子どもとコミュニケーションをとることもでき、子どもも喜びそう!

利用者同士、悩みを共有できる

同じ会社に勤めるママやパパ同士が集まるので、自然と仕事の悩みや子育ての悩みも共有できます。仲間がいるという安心感の中で子育てができますね。

<企業側のデメリット>

経営に余裕がないと難しい

補助金は大抵の場合5年で打ち切られます。その後、経営に余裕がないと園が成り立たなくなってしまいますよね。そんな状態では園児の確保も難しいです。

利用者が安定しないことも

その時々によって社員のライフスタイルやニーズは変わってきます。一時は大人気でも、時期によって子どものいる社員が減るなど、利用者が安定しないというデメリットも。定員割れを起こしている事業所内保育所も少なからずあります。

その課題への対応として、社員以外の地域の子どもも受け入れる「地域型保育事業」の形をとっているところもあります。

<利用者個人のデメリット>

一緒に通勤(登園)しなければならない

メリットにもあげた子どもと一緒の通勤ですが、電車に乗って通勤しているという方にとってはデメリットにもなります。通勤ラッシュ中、人で溢れる電車に子どもを乗せるとなると、親子ともに大きなストレスがかかってしまいます。sweat

環境がいいとは言えないことも

ビル内などに保育所があるところも多く、十分に外遊びができない環境も考えられます。その場合は、散歩の頻度など運動面への配慮を園に聞いてみるといいかもしれません。

まとめ

今回調査してみて、働き方改革、出生率の引き上げを目指し、国全体で子育て環境を変えていこうとしているのを感じました。

事業所内保育所設立の根底にあるのは「社員にとって働きやすい環境を作りたい」という企業の想い。それに加えて「子どものため」をプラスで考慮した保育所が増えてきているのは素直に嬉しいです。

子どもは親が選んだ環境でしか過ごせません。大人も子どもも幸せになれる園が増えていくことは、働き方を考えるに当たっても大きなポイントになるのではないでしょうか。事業所内保育所の今後の動きには、より一層注目したいですね!

 

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