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西表島へ移住して19年。農業を経て『SUP』に出会い、ツアーガイドになるまで

西表島へ移住して19年。農業を経て『SUP』に出会い、ツアーガイドになるまで

西表島へ移住して19年。農業を経て『SUP』に出会い、ツアーガイドになるまで

「日本最後の秘境」などと呼ばれることもある『西表島』。

今でこそ移住者が集まるこの島で、19年前から農業を始め、現在はSUPのツアーガイドをされている佐藤GOさんという方がいます。

今回はGOさんの元を訪ね、島に渡った経緯、仕事や暮らしぶりについてお伺いしてきました。果たして、南の島の移住生活は楽園なのでしょうか?

西表島編、第二弾です。

※SUP…「Stand Up Paddleboard(スタンドアップパドルボード)」の略称。ボードの上に立ち、パドルを漕いで水面を進んでいく新感覚のアクティビティ。

佐藤 GO(さとう ごう)

『西表島ツアーNGAF』代表。2000年に西表島に移住。オーガニックパインを生産する『NGAF』を立ち上げ13年間パイン農家を運営。2015年からSUP(スタンドアップパドル)で島の案内を始める。

天気が良い日は仕事をしたくない!移住を決めた19年前

GOさんは、西表島に移住されてからずっとツアーガイドをされているのですか?

佐藤GO(以下、GO):19年前に西表島に来て、漠然と農業で飯を食いたいと思い描いたんだよね。それで農園で働きながら無農薬のパインを作っていたんだけど、これが全然お金にならなくて、それからツアーガイドになりました。

元々は東京にいらっしゃったんですよね?

GO:東京では、高校生のときから夜遊びばっかりしていて、新宿のクラブに通い詰めててね、そこで知り合ったペンキ屋の親方がすごく良くしてくれたんです。そのつながりでしばらくはペンキ屋として働いていたんだけど、天気が良かったりすると仕事したくなくなっちゃうんだよね。山に行きたくなって、仕事場とは反対に行っちゃったりとか(笑)。
▲仕事終わりのGOさん。地元民の集うお店『字南風見』でお話を伺いました。

その気持ち、めちゃめちゃわかりますね〜(笑)。

GO:その後、友だちと会社を立ち上げて、そこで内装の仕事を4,5年やっていたんだけど、仕事より自然のあるところへ行きたい!っていう癖が直らなくて、それなら北海道か沖縄へ行こうと思って、28才のときに西表島に来たんです。

いきなり、ひとりでですか?

GO:特に誰か知り合いがいたわけでもなく、誰にも言わずに移住するつもりで来ました。ネットで調べたら、バスの運転手やガソリンスタンドとか色んな仕事があって、それで『玉盛スーパー』っていう日本最南端のスーパーで働くことになって、それから西表島生活が始まり、2年後に農業を始めたんです。

無農薬パイン農家から『SUP』のツアーガイドへ

無農薬パイン農家を辞めたのはなぜだったんですか?

GO:とても広い農場を貸してもらっていたから、草取りだけで大変な時間がかかったのと、無農薬っていうのはコストもすごいかかるんです。始めた頃は時間があったからそれでもよかったんだけど、子どもができたりするとそうもいかなくなっていきましたね。

今の日本の農業には農薬は必需品で、農薬を使わないときれいなものができないからお金にならないんです。それでも畑も貸してもらっているし、そう簡単に辞めるわけにはいかなくて、それで結局無農薬パイン農家は13年間は続けて辞めました。

その後、遊覧船とカヌーのガイドをしていた奥さんのつながりでツアーガイドの仕事を始めたんです。農業をやっていたこともあって、植物のことがわかるし、10年以上住んでいるから島についても話せるしちょうどいいんじゃないかと思ってね。

農家と今のツアーガイドの仕事を比べてみてどうですか?

GO:今の仕事の方が合っているし、諦めが悪かったなとは思います(笑)。

でもね、パイン農家でやっていたことは今の仕事にも活きていますよ。

お金を稼ぐって面ではいまいちだったけど、西表島の自然のことや地域の生活のことを知ることもできました。
農家をやっていたとき、島のおじいから教えてもらったこともたくさんあります。例えば、渡り鳥を見て植え付けや収穫の時期を見極めるとか、そういう知恵もつけることができました。

それで5年前に今のツアーの会社を立ち上げたんですね。

GO:初めは本当に大変でした。この4年続けてこれたのはお客さんのおかげですね。今でも「お客さんが来ますように」って天使にお祈りをしていますよ(笑)。

▲GOさんの西表島案内は、ANAの機内誌『翼の王国』(全日本空輸)にも掲載された。

色んなツアーがありますが、SUP(スタンドアップパドル)のガイドを選んだのはなんでだったんですか?

GO:自由だからですね。歩いてもいいし、川に入ってもいいしね。立ったり座ったりできるから。子どもは、SUPを漕ぐよりも川にブワーッって入りたいだろうし、それならそうしても良いし、そのときのお客さんの雰囲気に合わせることができるんですよね。

たしかに、SUPは西表島で初めて体験しましたが、ほんとに自由にやらせてもらってすごい楽しかったです!

GO:僕は「SUPやって楽しかった!」と思ってもらうことを目的にやっているから、ツアーに参加した人同士が仲良くなったりとか、その場の雰囲気がいつも違ったりするのが一番に楽しいんです。


▲少人数のツアーなのでお一人様でも参加しやすく、SUP体験中の写真も撮ってもらえる。

移住者だからって頑張らなくていい

今は移住者がとても多いという西表島ですが、島民に受け入れてもらうにはどんなことが大事だと思いますか?

GO:自分の意見を出すのも大事だけど、頑張らなくてもいいんです。

一番大事なのは、郷に入りては郷に従えって言葉があるように、先人の作り上げてきたものに敬意を持つことだから、自分が何かを頑張って変えようとか、そんなふうに思う必要はないんですよ。

内地の人は街の行事とかを効率良くやろうとするんですよね。でも、こっちの人にとって行事はコミュニケーションの場。仕事じゃないから、効率良くすることは重要じゃないんです。普段会話することがない人とも行事を通して、ゆっくりとお互いがどういう人間なのか知っていくっていう、そのための場所なんだよね。

お祭りをやるとしたら、準備の段階からコミュニケーションだし、そのあとの宴も楽しいからやっていること。そこでお酒を飲んでベロベロになって、楽しくやって、仲良くなって、って俺の場合はそれでやってきたようなもんだからね(笑)。

人前でベロベロになれるかどうかが問われますね!

GO:なかなかいきなりできる人はいないかもしれないけど(笑)。最近では内地の人同士のコミュニティとかが出来てしまっていて、島の人みんなでコミュニケーションを取るってことが出来ない人も増えてきてる。めんどくさいとか、仕事が優先だったりとかいう理由でね。

でもそれじゃあ都会で暮らしているのと何も変わらないから、せっかく島に来て受け入れてもらいたいなら、昔から続いていることやコミュニケーションを大事にしていかないといけないと思います。

あとは、自分たちも楽しむってことが大事。子どもの小学校のPTAの役員をやったりすることもあるんだけど、子どもたちにSUPに触れてもらう機会を増やしたいと考えていて、自然と触れ合うツアーを小学校の行事に取り入れようっていう計画もあるんです。

そういうことを考えたりするとPTAもすごい楽しいんだよね。子どもたちのためだけじゃなくて、大人が楽しむためにやってるんです(笑)。自分が楽しみながらやるっていうことを子どもにも教えていけるし。

島の自然を守り、人との出会いをつなぐこと

今ツアーガイドの人のマナーが問題になっていると聞きました。

GO:説明が疎かだったり、参加するお客さんの人数が多くてコントロールができなったりとか、他のツアー団体にちゃんと気を遣えないツアー会社は増えてきています。本来はだめだけれど、資格の無いガイドもいたり、誰でもできる状況なのでそういうことは昔からあります。で、そういう人たちは島の人たちとコミュニケーションを取らないから、島のローカルルールとかも知らない人が多いんです。

それが原因で自然が破壊されていたりもするんですか?

GO:ボードを自然の中に置きっぱなしにしていたりとか、何十人も連れて滝を見に行くツアーをやったりすると、マナーが悪い人がいてもそこまで気がつくことができなくて、結果的に自然は壊れていると思います。

今ある自然も、島の人たちが大切にしてきたからこそ存在するものだから、それを自分の物のように扱うツアー会社があるのは本当に残念です。ビジネス優先で、自然を大切にしていくのは二の次になっちゃうのが一番良くないなって思いますね。

ツアーガイドの仕事のやりがいはどんなところでしょう?

GO:人と出会えることかな。最近はSUPの漕ぎ方でその人の性格が見えてきたりするのがおもしろいですね。

それに、お客さんやその子どもの成長していく姿を見るのも楽しいです。SUPがどんどん上手くなって、行けるところが毎年増えて行くんですよね。

お客さんと長い付き合いになるんですね。

GO:本当にそうですね。今の子どもたちが自分の子どもを連れてきたりね。まあその頃には俺はもうガイドはしてないけどさ。

島のおじいになっていますね!

GO:そうそう(笑)。そうやって次の世代なんかにもつながりができていくのが一番うれしいこと。お金じゃなくてね。

今後の目標はありますか?

GO:リピーターさんが来てくれたときに、基本のツアーとは別の場所に案内できるようにスタッフを増やしたいなとは思っています。お客さんの要望に応えて、SUPで海や滝に連れて行ってあげたりしたいですね。

で、そんなことができるってことをもっと伝えていきたいから、うちのホームページを作ってくれる人を募集してます!もし作ってくれたら、西表島をどこでも案内しますよ!

というわけで、佐藤GOさんのSUPツアーのHPを作ってくれる方大募集中!
「イケてるHPを作るから、西表島を案内して欲しい!」という方はこちらまで!

mail@ngaf.jp(ホームページ作ります係)

取材を終えて

GOさんのSUPツアーに参加し、お話を聞いて思ったことは、GOさん自らが自由に楽しくガイドをしているから、お客さんも安心して自分らしくSUPを体験できるのだということ。それは19年前に自由を求めて島にやって来て、いろんな苦労を乗り越えてきたGOさんだからこそ出せる空気感なのだなと思いました。

世界自然遺産登録に向けて本格的に動き始めているという西表島。今後、移住者や観光客が増えれば、これまで人々が守ってきた島の環境はどうなるでしょうか。雄大な自然に包まれ、生き物たちの存在を感じると、この自然は人間だけのものではないのだ、と改めて感じました。

▼佐藤GOさんのSUPツアー詳細はこちらから

西表島ツアー 『NGAF』