<img height="1" width="1" style="display:none" src="https://www.facebook.com/tr?id=1176794389076832&ev=PageView&noscript=1" />

働くをもう一度考える。スペインとイスラエルから学んだこと ── 長谷川 雅彬

働くをもう一度考える。スペインとイスラエルから学んだこと ── 長谷川 雅彬

働くをもう一度考える。スペインとイスラエルから学んだこと ── 長谷川 雅彬

この度、ご縁があって、戦略デザインファームErretresアドバイザーとして海外で活躍されている長谷川雅彬さんにお話を伺うことができました!日本を飛び出し世界を股にかけて働く中で感じたこと、長谷川さんだからこそ伝えられる「海外で活躍するために大切なこと」について伺っています。仕事や働き方に悩んでいる人、必見です!!

長谷川 雅彬(はせがわ まさあき)

戦略デザインファームErretresアドバイザー。ロシア、Contemporary Museum of Calligraphy公式大使。自身の持つ創造性に関するオンラインコースでは120各国に4000人以上の受講者を持ち、アーティストとしては2017年にマドリッド、パリ、モスクワで作品を展示する。スペイン語、英語、日本で著作があり国や地域にとらわれず精力的に活動している。

日本人が海外で活躍するための条件

── 長谷川さんは、これまでに日本、イスラエル、スペインで働いた経験をお持ちですが、それぞれの国によって働き方に違いはありますか?

長谷川 雅彬(以下、長谷川):別世界と言えるほど違います。どれが良いとか悪いとかではなく、それぞれ重要としていることが違うのです。

例えば、日本では波風を立てないことや上司の言うことには黙って従うことが良いとされますが、イスラエルでは全く逆です。相手が社長だろうと投資家だろうと、自分の考えをしっかりと主張することが求められます。日本人がイスラエル人のミーティングを見たら喧嘩していると思うかもしれません。自由に議論することでイノベイティブなアイディアが出ますし、常に頭を使って考えるようになります。

スペインはビジネスにおける時間の感覚が緩やかです。出社時間をうるさく言う人もいませんし、夏休みも数週間から1ヶ月ほど取ります。確かにギリギリまで何もしないことも多いですが、その代わり情熱を持って仕事をしている人が多くいます。

GDP/hour(時間あたり国内総生産)という生産性の指標があるのですが、2013年のデータだとスペインが世界19位に対して日本は21位です。もちろん、これは目安でしかないですが、ただ沢山働けば良いというわけでないことが分かると思います。

戦略デザインファームErretresアドバイザー長谷川雅彬1

── 「日本人が海外で働く」と聞くと、華やかでどこか格好いいイメージもありますが、実際は苦労されている点も多いのでは…?

長谷川:もちろん、それなりの難しさはあります。しかし、日本人ということが武器になることもあります。

例えば、多くの企業が日本に進出を狙っていますが、言葉や文化の壁があるので日本人のパートナーなしでは不可能です。

知り合いのスペイン企業は日本展開のために日本人を探していました。私も彼らを日本の大企業と繋いだりしたのですが、日本人の採用は簡単ではありませんでした。スペインの経済は悪いというイメージが先行してしまい、この企業で働きたいという日本人が少なかったためです。

しかし、この企業は2年後にはeBayに買収されるほどの成長をしています。海外にはこうしたポテンシャルを持つ企業が実はたくさんあります。視野を広く持てば日本人でも活躍することは十分に可能です。

語学力よりも重要な「バリュープロポジション」

── 海外で働く上ではコミュニケーションが非常に重要になってくるかと思います。日本人の語学力は海外で通用するのでしょうか?

長谷川:日本ではTOEICの点数がとても重要視されますが、高得点を取れることと『グローバルな仕事ができる』ことはイコールではありません。重要なのはバリュープロポジションです。つまり、『相手にとってどんな価値を提供できるか?』ということです。

言葉はそれを伝える手段でしかありません。言葉が話せた方が良いのは当然ですが、まず『相手にどんな価値を提供できるか?』を考える必要があります。既にできることを活かしてもいいですし、こんな価値を提供したいというアイディアがあれば、それを実証すれば良いのです。自分が提供できる価値が明確であれば、言葉の問題は後から解決できることがほとんどです

実際、スペイン語での講演や交渉を始めた時の私のスペイン語はビジネスレベルからほど遠いものでした。しかし、伝えたいことや提示するバリューがハッキリとあったので、語学力は後からカバーできたのです。グローバルに働くとは文化や価値観の違う相手にバリュープロポジションを行なうこととも言えます。

── とはいえ、長谷川さんが優秀だからこそ上手くいった側面も大きいのでは…なんて考えてしまいます。誰に向けても海外で活躍できる可能性があると言い切ってもいいものなのでしょうか?

長谷川:一人ひとりに無限の可能性があります。ただ、ほとんどの人にはそれが信じられません。過去の経験や実績が未来を決めると考えてしまうからです。しかし、過去が未来を決めるわけではありません。

例えば、私は海外で活動をしていますが、立教大学1年生の時の海外実習プログラムでは全学年で唯一単位を落とした問題児でした。

また、スペイン語と英語で本を出していますが、大学時代にはどちらも落第・再履修です。今はロシアの美術館の大使を勤めていますが、美術を公式に学んだことすらありません。

過去の実績や経験から考えれば実現しそうにないことばかりですよね。重要なのはこれまでに得た経験や知識の範疇で未来の可能性を限定しないことです。

チャンスや可能性はいつも私たちの目の前に広がっています。ただ、多くの場合、その存在を認識していません。確かにずば抜けた才能を持っている人もいます。しかし、どんなジャンルでもプロの域に達するくらいであれば誰にでも可能性があります。

白か黒かではなく、どうすれば自分のアイディアを実現できるか、その可能性を上げることがキーになります。

戦略デザインファームErretresアドバイザー長谷川雅彬2

自分探しはNG!大事なのは『継続的に好きなことをしている状態を創ること』

── さきほど「自分が提供できる価値」という言葉がありましたが、そもそも自分が好きなこと、向いていることが何かわからない人も多いと思うんです。

長谷川:そうですね。多くの人が“自己実現難民”になっているように見えます。一つ重要なのは『好きなこと探し』や『自分探し』をしないことです。必要なのは、『継続的に好きなことをしている状態を創ること』です。

例えば、子どもの頃を思い出してください。自分が好きなことは何か?なんてイチイチ考えなかったはずです。ただ好きなことをする状態があり、好きなことをしている中でさらに好きなものが生まれるサイクルがあっただけです。

好きなことを自分の外側に探すのではなく、何でもいいからやってみたいと思うことを実際にやる状態や環境を創ることから始めるのです。そうすれば、好きなことが自然と生まれます。多くの人がレストランでは好きなものをオーダーできますが、人生に関わる決断となると好きなことを選べる人は多くありません。理由は様々ですが、その選択をして生きる自信が持てないためです。

好きなこと探しをしても、見つけた時にそれを選択できなければ、見つけていないのと同じですよね。だからこそ、好きなことを探すのではなく、好きなことを継続的にやれる状態をまず創ることが肝要です。

── 長谷川さんの経歴や現在の活動は非常にユニークに見えるのですが、そこから伝えたいと思うことはなんでしょう?

長谷川:私が海外で色々なチャレンジをするのは、誰にでも自分の可能性やポテンシャルを引き出せることを証明するためでもあります。その中で最も大切なことは『自分の役割』と『学び』にフォーカスすることです。

私の役割とは、最前線で挑戦しながら、同時に人々の可能性を引き出すことです。成功論を述べる人や、過去の成功体験を語る人は多くいますが、実践しながら伝えている人は多くないからです。

その中でも特に重要なのは学びです。私たちはついつい自分のエゴにとらわれがちです。他人にどう思われるか、自分の地位、勝ち負け、こういったことにこだわる癖があります。いわゆるプライドというやつですよね。プライドに固執するとは今の自分に対する評価にこだわることです。これでは未来に対する成長がありません。

私が積極的に挑戦するのは、自分が偉くなりたいからでも社会的な地位が欲しいからでもありません。そうすることで、『私にこれだけのことができるのだから、あなたにはもっと凄いことができますよ』というメッセージを発信できるからです。

役割と学びに集中するとは、固定的な何かにとらわれないことでもあります。これは、自分の可能性を広げるためにとても大切なことです。

── それでは最後に、今ご覧になっているFledgeの読者へメッセージはありますか?

長谷川:お金を稼ぐこと自体がゴールになっていることが多いようです。大多数の人が生きている時間のほとんどをそのために使います。しかし、お金を使って何を実現したいかを真剣に考えている人は多くありません。これは不思議なことです。

例えば、企業であれば銀行や投資家からの資金調達にほとんどの時間を使うなんてあり得ませんよね。重要なのは調達したお金で何を実現したいかです。

Appleならコンピューターの民主化でしょうし、Ferrariなら世界最高の車を作ること、Space Xであれば宇宙旅行の実現でしょう。良いマンションに住むとか、良い車に乗るというのは、企業で言ってみれば六本木ヒルズにオフィスを構えるとか、社用車を高級外車にすることです。これらが企業のゴールなんてことはあり得ないはずです。

大切なのは、あなた自身が調達したお金でどういった人生を実現したいかです。就職や転職は人生の中で分岐点になる大きなイベントです。だからこそ、過去の経験や実績にとらわれず、自由に自分の可能性を探ってみてください。

筆者あとがき

今回、長谷川さんのお話を聞いて印象深かったのが、「好きなことを自分の外側に探すのではなく、自分の内側の声に耳を傾けてみる」ということ。その上で、「継続的に好きなことをしている状態を創るということが大事」というメッセージです。

確かに、シゴトや働き方で悩んでいると、どこかに「これ!」という唯一の正解があることを信じて自分探しの旅に出てしまったり、片っ端から外部のセミナーに出かけては「イマイチだったな…」と落ち込む日々を繰り返してしまいがちです。(経験あり)

でも、実はそういう人に限って答えはもっと身近なところに転がっていたり、自分の中の本当の気持ちに勝手に自分でフタをしていただけという人も多いんですよね。

あてもなくフラフラする時期があってもいいと思いますし、それによって何かのきっかけを見つけられる人もいます。でも、そういう人は結果論であって全員が上手くいくわけではありません。

ぜひ長谷川さんの言葉のように、もっと自分の内側の気持ちを大切にして「継続的に好きなことをしている状態を創る」ということに意識を注いでみてはいかがでしょうか?

<おまけ>
今回の記事にグッときたという人は、ぜひ長谷川さんの著書自分が信じていることを疑う勇気をご覧ください!なりたい自分に近づくためのヒントが見つかるかも知れませんよ! 

自分が信じていることを疑う勇気
自分が信じていることを疑う勇気 – 長谷川 雅彬 (著)