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社名は子ども達へ贈るエール。より早い意識改革は日本を変える── 一般社団法人Good Try JAPAN

社名は子ども達へ贈るエール。より早い意識改革は日本を変える── 一般社団法人Good Try JAPAN

社名は子ども達へ贈るエール。より早い意識改革は日本を変える── 一般社団法人Good Try JAPAN

「みんな同じ」は、もう時代遅れーー。世界単位で“日本”という国を見た時に、日本が古来から良しとする「皆同じ」というマインドはもう必ずしも「良し」とはされない時代にきています。そんな世の中の流れにいち早く気づき、行動を起こしている方がいます。

今回取材させて頂いたのは、一般社団法人Good Try JAPAN 代表理事の中野修二さん。中学生・高校生の子どもたちと一緒にアメリカ・カリフォルニア州シリコンバレーに渡り、自分自身の価値観や将来について考えるプログラムを企画しています。

なぜ中高生が対象なのか。そして、なぜ舞台がシリコンバレーなのか。社名にも込められた中野さんの想いをお伝えしていきます。

中野 修二(なかの しゅうじ)

一般社団法人Good Try JAPAN 代表理事・プログラムディレクター 「世界で自分の将来を考える旅」として、日本の中学生・高校生を対象とした新しい形のキャリア教育プログラムを展開し、早いうちから海外の高校や大学・企業など様々な場所や人を訪れ、進学や働くことに対する意識・可能性を育てる活動を行なっている。

8年かかってわかった「自分には向いてない」。それなら、早いうちから多くの失敗をして学びたかった。

───「Good Try JAPAN」は、中高生が自分の将来を考えるきっかけづくりをしているとお聞きしました。中野さん自身も以前から教育方面の仕事を目指していたのですか?

中野修二(以下、中野):いいえ、全く考えてませんでした。大学時代は研究者の道を目指していました。大学進学を考える際、ぼんやりと命に貢献したいという気持ちがあったこと、そしてどちらかといえば理系科目が好きという、そんな理由で研究の道を選びました。

──意外でした!全く違った職種を目指されていたんですね。

中野:ぼんやりと決めた道だったので、大学の時は勉強も研究もほとんどやらずサークルと麻雀ばかりしていましたね(笑)結果、大学の4年間では進路を決められませんでした。研究者として生きていくかを見極めるために大学院に進学したんですが、「僕は一体何やってるんだろう」とだんだんイライラしてきて(笑)浪人時代から数えると8年…。ようやく研究者の道は“僕には向いていない”という結論に至りました。

──8年越しで、向いていないなと(笑)

中野:長かったですね(笑)その8年間に後悔はないですが、時間の使い方を振り返ったときに「あー、もったいないな」と思いました。この間に、もっと色んなことに挑戦して、多くの『向いてる』『向いてない』を見つけられたはずだ、と。

──なるほど。その後はどうされたんですか?

中野:大学院を卒業した後はリクルートに勤めました。リクルートを選んだ理由も「何か情報で命を救う手助けができればいいな」というぼんやりとしたものでした。今思えば、“リクルート”いうブランドで選んだのが素直なところだと思います。

──ご自身の軸づくりに苦戦されていたのをものすごく感じます。その後リクルートを退社し、起業されたんですよね。きっかけは何ですか?

中野:ワクワクできなくなった、というのが本音のところです。とても優秀な人はたくさんいましたし、事業の価値も理解してましたが、枠にはまっている自分を強く感じていました。既存の価値の拡大は先が見えてしまっているし、「こんなものかな」という想像通りの成長路線を辿っている自分に退屈していることに気づきました。だったら、より自分が本気になれて、ワクワク出来る場所で自分を高めていきたいと起業を考え始めました。

──Good Try JAPANの中高生向けプログラムもそのとき生まれたのですか?

中野:いえ、初めは日本の大学生向けに、海外インターンのサービスをやろうと思っていました。東南アジアの企業に出向いて「大学生を受け入れてくれませんか」と聞いて回っていました。そんな中「日本の大学生はいらない。英語も話せないし、積極性も低い。逆にお金を払ってくれるなら受け入れてもいい」と言われてしまう現実を知りまして…。

──衝撃的な一言ですね…!

中野:そこで、大学生ではもう遅い。もっと早い段階から自分の世界を広げたり、チャレンジするマインドを芽生えさせなければならない、と問題意識を感じたというのが大きなきっかけですね。これがGood Try JAPANの礎だったと思います。

「Good Try!」と言われる風土を子どもたちに感じて欲しい

──Good Try JAPANのプログラムについて教えていただけますか?

中野:僕たちが目指しているのは、「子どもたちが、自分が何をしたいかを軸に、キャリアを考えられるようになる」こと。自分らしさの軸を芽生えさせるきっかけづくりをしているような感じですね。
『世界で自分の将来を考える旅 in シリコンバレー』のプログラム名通り、シリコンバレーで多彩な働き方や生き方、考え方に触れ、自分の将来を考える機会を作っています。

シリコンバレーで活躍する挑戦者たちから多くのインプットを受けて、自分の想いや考えをアウトプットする。これを毎日繰り返します。最終日にはこのプログラムで何を学び、帰国してからどんな行動を起こすのかを全員でプレゼンテーションし合います。語学留学ではなく、キャリア留学という位置付けで、本気で自分と向き合い、本音で仲間たちと話し合います。参加者たちにとっても、充実した時間になっていますね。

H.I.Sスタディツアーページより、昨年度のプログラム内容の一部

中野:そんな中で何らかの行動や変化が見えれば「よし!」という感じですが、もちろん、行動を起こすタイミングは子どもによって違います。僕らが大切にしていることは、参加した子どもたちに対して「この子にはどんな障壁があって、それを突破するにはどうしたらいいのか」をいち早くキャッチして、プログラム中に解決する機会を提供するという部分。そこはスタッフ同士かなり話し合いますね!

経験からしかうまれない「自分らしさ」

──自分らしさを見つけることはとても難しいように思いますが、中野さんは「自分らしさ」をどのようにお考えですか?

中野:「僕はこんな人間だ!」と、どれだけ自信を持って言えるかではないでしょうか。でも、それは自分の経験という材料がなければ生まれようがないものです。今いる環境でその材料を見つけられないのなら、勇気を出して一歩外に踏み出して行くしかありません。経験という材料を調達するためには、そうやって動き続けるということが大事で、自分の理想のキャリアというのは動き続ける中でしか見つけられないと僕は思っています。

これは持論のキャリアモデルなのですが、キャリアには「停滞期」「活動期」「内省期」「熱中期」という4つのフェーズがあると思っています。

停滞期は悩んだりもがいたりしている状態で、大抵の人はここから出られずにいます。ここで悶々と考えていても次のゴールは絶対に見つかりません。活動期に入って行く勇気が必要ですね。

活動期に入ると自分の世界がどんどん広がって、選択肢が増えていきます。ここでは自分の判断軸をしっかり持って選んで行かなくてはいけないので、内省が必要になります。

内省期は「自分の軸は何だろうか」と考える思考のタイミングです。ここが明確になると、他の選択肢を捨てて選ぶという勇気が再び必要になります。内省期の勇気を越えられたら熱中期に入れます。目標に向かって走っている間は、すごくハッピーな状態ですね。

そして一番充実した状態である熱中期。しかし、目標に何らかの結果(成功、失敗、諦めなど)がでると人は大抵また停滞期に戻っていきます。キャリアとはこの4つのサイクルで、螺旋状に連なって上がっていくのだと思います。

行動して経験をしていく・失敗を恐れずに挑戦して行くマインドが、僕は一番大事だと思っています。そのためGood Try JAPANでは、内省期と停滞期の2つのフェーズに問題意識を持っていて、主にその2つのフェーズから出る作業をしているというイメージです。

──プログラムの舞台にシリコンバレーを選んでいるのもそれと関係ありますか?

中野:はい。さっきも言ったように、自分らしさや自分の理想のキャリアというのは、動き続ける中でしか見つけられません。そして停滞期や内省期から出るためには、多様な選択肢を知る必要もあります

単一民族国家である日本では“同じ”が大前提。その一方で海外、特にシリコンバレーは“違い”が大前提です。住んでいる人の人種も多様で、考え方ももちろん多種多様。自分や周囲が変わることも恐れていませんし、例え失敗したとしても、挑戦したこと自体を「よくやった!」と声高に言える風土が根付いています。まさに根底のマインドがGood Try JAPANの目指すところと同じという訳です。

シリコンバレーの人たちは自分の大事にしたいもの、例えば家族への愛情や自分といったものの優先順位がしっかりついている印象がありますね!ただ、日本人がそこを大事にしていないわけではなく、単にあまり意識できていないだけじゃないかと。「明日死にます」と言われたら、あなたは本当に今やっていることを続けますか?とね。

Good Try JAPANの存在がリスクヘッジの場になっていければ

▲シリコンバレーツアーに同行する中野さん

──お話を伺っていて、中野さんご自身が自分の軸に従ってイキイキとお仕事されているのを感じます。子どもたちに限らず、自分の仕事や人生の軸がなかなか見つからない大人も多いかと思いますが、中野さんは「仕事を楽しむこと」についてどうお考えですか?

中野:僕は、仕事は必ずしも楽しければいけないとは思っていません。仕事とプライベート、それぞれの時間リソースを自分が納得できるエンジョイレベルまでいかにあげられるかだと思います。例え仕事自体がつまらなくても、トータルで人生の楽しいレベルが上がっていけばそれでOKだと思っています。

例えば、Aの仕事は「仕事の楽しさ:2」「プライベートの楽しさ:100」だとします。一方、Bの仕事は「仕事の楽しさ:20」「プライベートの楽しさ:20」だとしたら、合計の楽しさが大きいA社の方がいいじゃないか!というイメージです。

どちらにせよ、大事なのはその選択を自分で理解して選んでいるのか、という部分。仮にリスクがあったとしても、自分にとって何が重要で、何を軸として生きるのか。この部分を分かっているかいないかがとても大事だと思っています。 

──自分らしくを軸に仕事をしていると、少なからずリスクも関わってきますものね。

中野:そうですね。昔なじみによく言われるのが「修二すごいよね」という言葉です。僕はやりたいことをやっているだけなのに、この状況は何だかおかしいなあ…と常々思っています。シリコンバレーの起業家で「リスクは取れるやつが取ればいい」と話されいる方がいるのですが、その通りだと思ってます。例えば僕なんかは、もしこの事業が失敗してもコンビニ店員は募集があるし、採用される自信があるんですよ(笑)

──中野さんの笑顔と爽やかな雰囲気なら、確かに…(笑)

中野:パチンコ屋の店員もいけるかな、とか(笑)そんなリスクヘッジ策が今の僕にはたくさんあるんですよ。日本にいれば、多くの人が持っているんですけどね。一方で、自動レジが普及したら、コンビニ店員の求人は減り、リスクヘッジとして機能しなくなるかもしれません。だから、リスクを取れる自分でいるためにも最新情報には敏感でいたいと思っています。

リスクヘッジとは・・広く一般に「危険を避けること」をさし、死亡、事故、失業など、不慮の事態に備えて保険に入ることもリスクヘッジの一種である。(コトバンクより)

──なるほど。

中野:でも、もし仮に結婚して子どもがいるような状況だったら、きっと違う選択をしたと思います。どこかで選択をしなければいけないのは当然のことなんです。自分が取ったことのないリスクを取ることを「すごい!」と思うこともあるかもしれないけれど、自分の状況を冷静に判断することができていれば、「僕はこういう状況だから、そのリスクは取らないという選択をした」と堂々と話せますし、それも立派な自分らしさです。

──うーん、確かに!

中野:リスクヘッジ策を持っていることは、一歩踏み出す上でとても大事です。僕は、Good Try JAPANの存在自体が精神的なリスクヘッジの場でありたいと思っています。子どもたちがやりたいことを突き詰めていく中で、誰にも理解されず完全に孤立してしまったり、周囲から反対されることもあると思います。そのときに、周りの意見に流されて諦めてしまうのか、または自分で選んだ道を信じて突き進めるか。ここが人生を豊かにする分かれ道なのかなと。

仮に孤立したり反対されたとしても、「そういえば、あの時中野が暑苦しいこと言っていたなー」と子ども達が思い出してくれればそれでいいですし、それ自体がもうリスクヘッジです。子どもたちが「それ、すごく素敵だよ!」と言ってもらえる場を作っておくのは大事ですよね。

──最後に、今後の展望を聞かせていただけますか?

中野:僕個人としては、常に本心に素直でいたいです。色々な経験をしていく中で、興味や関心を引くものがあったら臨機応変に自分を変化させたり、すぐに動ける自分でいたいですね。Good Try JAPANとしては、より世界に向けて「自分の軸を見つける」ということを発信していきたい。今は日本の中高生に課題を感じていますが、この問題は必ずしも日本だけじゃなく、先進国全体の課題として存在していますし、国が成長していくのと同時にその課題も大きくなっていくはずです。そんな時に、私たちGood Try JAPANの価値を提供していけたら良いと思っています。

──ありがとうございました!

編集後記

Good Try JAPANが行なっているのは働き方改革ではなく、あくまでも「個人の意識改革」。しかも、中高生という未来ある子ども達に対してです。日本人がこれから世界と同等に戦っていけるよう、子どもたちに力強く道筋を示す中野さんの姿には、強い感銘を受けました。

働き方改革が話題になっている今ですが、中野さんはもっと長いスパンで、日本の働き方の未来や行く末をしっかりと見据えています。個人の考え方や意識を根本から変えて、そこから未来の働き方までも変えようとしている姿は、壮大な「働き方改革」と言えるかもしれません。例え失敗したとしても、挑戦したことに対して「Good Try!」と声高々に言える文化が日本にも根付いていってほしいですね。とても心に響く取材でした。