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酒蔵の隣がオフィス?島根で蔵人のためのシステムを作る、ある夫婦のお話──株式会社フランジア・ジャパン

酒蔵の隣がオフィス?島根で蔵人のためのシステムを作る、ある夫婦のお話──株式会社フランジア・ジャパン

酒蔵の隣がオフィス?島根で蔵人のためのシステムを作る、ある夫婦のお話──株式会社フランジア・ジャパン

島根県雲南市。緑豊かなこの場所にたたずむ酒蔵の中に、ひっそりとサテライトオフィスがあります。ここは、株式会社フランジア・ジャパン島根オフィス。主にオフショア開発をメイン事業とし、本社は東京都渋谷、他にベトナムをはじめ海外に開発拠点を持つ同社ですが、2015年9月に島根オフィスを、それも酒蔵の中にオープンしました。

なぜ島根に、そして酒蔵の中にサテライトオフィスを開設したのでしょうか?今回は、そんな”酒蔵オフィス”で、エンジニアとして働く林田賢行さん・真子さん夫妻にお話を伺いました。

林田賢行

株式会社フランジア・ジャパン エンジニア 東京のシステム会社、フリーで働いた後、福岡の転職フェアで同社を知りジョイン。

林田真子

賢行さんの奥様。移住のタイミングで株式会社フランジアジャパンのサポート役を担い、品質管理や翻訳などさまざまな業務に携わっている。

<島根県雲南市>

島根県の東部に位置し、松江市、出雲市等に隣接、南部は広島県に接している。 総面積は553.4km2で島根県の総面積の8.3%を占め、その大半が林野になっている。総人口は39,899人人で、男性が19,152人人、女性が20,747人。

参考:雲南市公式ホームページ(2017年2月度時点の情報)

技術の力で蔵人を楽に!酒蔵とサテライトオフィスの関係とは?

── 早速お話をお伺いしたいのですが、なぜ島根に移住を決意されたのですか?

林田賢行さん(以下、賢行さん):僕は福岡出身で、大学を卒業後は東京のシステム会社で5年程働きました。その後1年ほどフリーランスで働き、エンジニアとしての自信もついてきたのでそろそろ地元に帰ろう、と福岡の転職フェアに足を運んだんです。そこでフランジア・ジャパンに出会いました。オフィスは島根にあるはずなのに、あれ?おかしいなって。(笑)それで移住に興味を持ちました。

── そんなことがあるんですね(笑)入社の決め手はなんだったのですか?

賢行さん:自然が好きだったので、自然の中で仕事ができる、という部分を軸に仕事を探していました。フランジア・ジャパンは、まさに僕のやりたいことができそうでしたし、ならば島根に行ってみようかなと。 ちなみに、島根には今まで一度も行ったことはありませんでしたが、ダメだったら福岡に帰ればいいかと思って入社しました。

── 思い切りがすごいですね!奥様はすぐに受け入れられましたか?

林田真子さん(以下、真子さん):西日本に帰るという話になったときに、てっきり主人の地元の福岡に行くものだと思っていたのですが、それが「島根?あれ?」って最初はなりましたね(笑)でも、そこまで大きな問題じゃないかな〜と移住に賛成しました。

── 奥様も寛大!(笑)いきなり知らない土地にお2人で来られて、不安はありませんでしたか?

賢行さん:少しはありましたが、私たちがここに来た時にはもうこのオフィスはできていましたし、何度か通っていたので周りの人との関係もできあがっていました。それこそ酒蔵の社長である竹下さんのお父さん、お母さんは、とても良くしてくれています。

これが例えば、私たちがフリーランスで、会社といった器が何もない中でこの土地に来るのはちょっと勇気が必要だったかもしれません。しかし、会社として繋がりがあった状態で移住できたので、その辺りは本当に良かったなと思いますね。

── そもそも、なぜ雲南市にサテライトオフィスを構えることになったのですか?

賢行さん:率直に言って、代表の趣味に近いですね(笑)というのも、平井は大の酒好きでして。私がフランジア・ジャパンに入社したのは2016年の2月で、その数ヶ月前にサテライトオフィスができたんです。

── 酒好きが高じて酒蔵とオフィスを結びつけたとは驚きです!なぜ雲南市のここの酒蔵だったのでしょうか?

賢行さん:もともと、酒蔵の社長の竹下さんと平井が飲み友達だったそうなんです。それで2人が一緒にお酒を飲むうちに意気投合しまして。「この酒蔵で酒と、そしてシステムも造りたい」という平井の想いから、サテライトオフィスを作ることになりました。

── 「酒と、システムも」という感じですね!どちらかというと酒ありきなんでしょうか?(笑)

賢行さん:酒ありきです(笑)ですが、うちはシステムを扱う会社なので酒造りの負担を技術の力で軽減したかったという背景もありますね。酒蔵の蔵人って、本当に大変なんですよ。酒の管理を全て人力でしているので。

例えば、数時間置きに麹の温度を測り、麹に異常がないか確認する大事な作業があるんですが、こうした作業はシステムで自動化できる可能性がありますよね。そういう部分で蔵人の負担を減らしていきたいな、と。とはいえ、異常があったときには蔵人がすぐにかけつけてチェックしなければいけないんですけれど(笑)

── そういうシステムがあるだけで、蔵人さんは大分楽になりますよね。

賢行さん:そうですね。あとは今後、おいしい酒をより安定的に作れるようなシステムを開発したいですね。再現性が必要だなと考えていますね。

▲ オフィスの向かいにある大きな酒蔵。ここで蔵人たちがお酒を作っています。

自分たちが作ったシステムをすぐに実証できるというメリット

▲ オフィスで仕事をする林田さん。基本的に自分の好きなところにPCを持っていくスタイル

── お仕事の効率は東京時代と比べて変わりましたか?

賢行さん:仕事の効率は圧倒的に上がりました。東京勤務の時は周りに人が多くて、良くも悪くも会話の時間が多いんです。ここは人がいませんので(笑)東京にいる時よりも集中して業務に取り組むことができています。

その分、チャットワークはバンバン飛んできます。それにいちいち対応していたらキリががないので、返す時は返す時、業務に集中するときは業務に集中するという、時間によって切り替えるスタイルを取っていますね。

── チャットワークを見ていない時間の情報格差は生まれないですか?

賢行さん:それはその通りですね。ですが、そこはもう仕方のないことと割り切っています。(笑)やっぱり、どうしてもリアルでのコミュニケーションには及ばないところもあるので。

重要な情報などは日頃のチャットでやり取りしてますし、あとは定期的に行なっている勉強会の際に情報共有をしっかりして、なるべく格差が生まれないようにしています。

── 勉強会では実際に東京に出て行かれるんですか?

賢行さん:いえ、勉強会もリモートで参加しています。定期的に技術の勉強をしようということで、他のプロジェクトでどんな技術を使っているかなどの共有を主にしています。ここでしっかり情報共有をしているので、普段は割と最低限のコミュニケーションでいけるのかもしれませんね。

── リモートワークのデメリットの部分をうまく補われていますね!逆にメリットの部分はいかがですか?

賢行さん:そうですね…。まずは通勤時間がほぼないので、その分勉強時間を確保できるようになったので、エンジニアとしてのスキルアップのスピードは以前より早くなったと思います。

── 通勤時間がほぼないのはかなり魅力的ですね!

賢行さん:そうなんです。 あとは、自分たちの技術を実証するという点では、島根が圧倒的にやりやすいですね。

先程の酒造りで使うシステムなどはこの島根ならではの取り組みです。東京でシステムの開発はできても、実際にそれを活用する場面に立ち会うのはなかなか難しいので。

酒造システムの他にも、稲の育成状況を把握するシステムも開発して実証しているのですが、これもこの広い土地があるからこそ実践できているところですね。自分たちが立ち上げたシステムが実際に現場で使われている所を見れるというのは、大きなモチベーションになりますね!

毎週末が温泉旅行⁉︎ 仕事とプライベートの境目を感じない雲南市での日々

── 林田さんのプライベートもすごく気になるのですが…(笑)

賢行さん:僕は仕事とプライベートの境目があまりないので、はっきりとオンとオフが分かれているわけではないのですが…。強いて言うなら、よく温泉に行っていますね!

自宅から歩いていけるところにも温泉がありますし、車を少し走らせればそこにも温泉があります。

真子さん:泉質がキレイですし、いろんな種類の温泉があるので「今週はどこに入ろうかな」と、結構楽しんでます。

── 都会じゃなかなかそういうことはできませんね。

賢行さん:そうですね、これは東京時代にはなかなかできなかったことですね。奥出雲の方にたくさん温泉があるんですよ。なので週末は車を走らせて、お昼にお蕎麦を食べて、温泉に入って帰るみたいな生活を送ってます。毎週末温泉旅行ですね(笑)

── それは羨ましいです!他にプライベートでやっていることなどはありますか?

賢行さん:あとは、犬を飼っています。やっぱり「自然には犬でしょう」ということで(笑)

── そこにいる、元気な柴犬ですか?

真子さん:そうです。ワンワンうるさい子いたと思うんですけど(笑)名前は「おいも」と言います。

賢行さん:これも東京時代にはできなかったことの1つですね。

── まさに夢の田舎暮らしですね。

真子さん:あと、畑もやってるよね。

賢行さん:土いじりが好きなので、畑を耕していますね。自分たちの畑でかぼちゃを作って、それをご近所さんにおすそ分けしています。そのかぼちゃのことを、通称「外交かぼちゃ」と呼んでいるんですけど(笑)

かぼちゃを持っていくと喜んでもらえますし、逆にご近所さんからおすそ分けももらえたりして。周囲と関係を築きつつ、同時に自分たちの仕事とプライベートを両立できる働き方は、この環境ならではの魅力だと思いますね。

▲ こちらが林田さんが育てた外交かぼちゃと野菜たち。ご近所さんにおすそ分けしたり、お礼として持っていったり!

── 外交かぼちゃ、気になります(笑) では最後に、林田さんがこれから挑戦してみたいことはありますか?

賢行さん:東京ではなかなかできない、そもそもあまり思い浮かばないようなアイディアが、この島根では、たくさん浮かんできます。いい意味で好き放題できるというか。そこは島根にいることの大きなメリットだなと感じています。

それは酒造のシステムだったり稲のシステムだったりとさまざまですが、思い浮かんだアイディアでもっと世の中を便利にしていきたいなと思っています。同時に、そのアイディアをいかにビジネスに近づけられるか。そこはすごく難しいですけれど、ここ島根でチャレンジを続けていきたいと思っています。

── ありがとうございました!

まとめ

窓から鳥や虫の声が聞こえる大自然の中、今の仕事の話や未来の話を楽しそうに語ってくださった林田さん夫妻。「仕事とプライベートの境目がほとんどない」とおっしゃっていた通り、普段の毎日のことを話されるお仕事の話をされる賢行さんは楽しそうで、表情もとても穏やかでした。

「誰かのために何かをしたい」という想いを根底に、今まで未踏だった島根県雲南市で挑戦を続ける林田夫妻。「田舎で働く」という新しい選択肢のあり方、そして「地方で働く」の新たな可能性が見えて来るような、とても貴重な時間でした。