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16時退社、3週間のバカンスは当たり前!?ヨーロッパから教わる「徹底的に自然体で働きやすい社会」

16時退社、3週間のバカンスは当たり前!?ヨーロッパから教わる「徹底的に自然体で働きやすい社会」

16時退社、3週間のバカンスは当たり前!?ヨーロッパから教わる「徹底的に自然体で働きやすい社会」

私はつい先日までヨーロッパで生活をしていました。


ヨーロッパで生活する前は、ヨーロッパの人たちの働き方について、さほど考えたこともありませんでした。ただ漠然と「日本よりは働きやすいのだろう」と思うことはありましたが、具体的にどう『働きやすい』のかは正直分かりませんでした。今回は、私が実際にヨーロッパの人々に囲まれて生活して感じた、日本とヨーロッパの働き方の違いから、『働きやすい』とは何かについて考えていきたいと思います。

川西 里奈(かわにし りな)

名古屋出身。立命館大学卒業。 広告営業、webディレクターを経験後、スロバキアに住みながらバックパックで世界を旅し、帰国後フリーライターに転身。ほっとする情報とぐっとくる写真を発信しながら、自分らしい生き方を模索中。

定時退社は当たり前のヨーロッパ

2017年夏、ポーランド人の知り合いの家に1ヶ月ほどホームステイをさせてもらったとき、こんなことがありました。
16時に帰ってきた友人の姉に私は「もう仕事が終わったの?」と聞くと、「ヨーロッパでは15時か16時には仕事が終わるのが当たり前だけど、日本では何時くらい?」と逆に質問されました。私が「20時くらいかな?でも遅いときは23時くらいだね」と答えると、「オーマイガー!家族と過ごす時間や自分のための時間が全然ないじゃない!」と言われてしまいました。

このとき初めて、日本とヨーロッパの生活や仕事に対する意識の違いについて考えることとなりました。

大切なのは家族と過ごす時間や自分のための時間

家族と過ごす時間が日本よりも圧倒的に長いヨーロッパ人、とは言っても、家族と何をしているのかというと別に特別なことは何もなく、ただ子どもの学校の送り迎えをしたり、家族で食事を一緒に囲んだり、テレビを見たり話したり、ごく当たり前の生活です。そして自分のために本を読んだり習い事をしたりジムに通ったり、こちらも何か大したことをしているわけでもありません。

しかし、実際に日本人の生活に置き換えると「そんな当たり前なことができていないな…」と気づく方も多いのではないでしょうか。我々日本人が、そんな「大したことのないこと」をないがしろにしてしまっていることが、ヨーロッパ人と日本人の決定的な価値観の違いなのだと気づきました。

驚くほど寛容なカスタマー

価値観の違いで驚くことはそれだけではありません。日本では、質の高いサービスを提供していくに連れ、お客さんの要求もそれ相応に高くなっていきますよね。
一方、ヨーロッパの人々は徹底的に自然体です。コミュニケーションの取り方や生活の仕方を見ていても、無理が少ないと感じる場面が多々あります。感情を隠したり過剰に表現することや人に合わせたり気を使い過ぎることもありません。例えば、スーパーのレジにどれだけ行列ができても、急ぐ素振りもなく飲み物を片手に冗談を言いながらレジ打ちをしています。飲食店でも、たとえ混んでいなくても数十分待たされることはざらにありますし、バスや電車だって当たり前のように遅れてきます。

これは日本でも起こりうることなのですが、大きな違いは、このような事態にお客さん側が驚くほど寛容であることです。日常生活の中で自然と起こってしまう事柄に対して、誰も驚かないし怒らない、とても自然なのです。

変化や違いを認め合う文化

なぜ、そんなに自然体なのか。それは、ヨーロッパには様々な国籍、人種の人がいます。国境のハードルは日本よりも遥かに低く、多種多様な人々が入り混じり生活しています。
私の住んでいたアパートもスロバキア人、メキシコ人、ポルトガル人とのシェアフラットでした。生活様式、性格の気質など国によって面白いほど違いがあり、私にとって大変刺激的でしたが、ヨーロッパの人々にとってはそのような違いは普通のことなので気にすることもありません。互いの違いについてそこまで意識をしてはいないので、個人の性格の違いや状況の変化も柔軟に受け入れています。そのベースとして、異質のものを認め合う文化が日本よりも強くあるのだと感じます。

他人の目を気にしすぎる日本人

先日、日本は有給休暇の取得率が世界30国の中で2年連続最下位というニュースが話題になりましたが、世界最大級の旅行会社エクスペディアの調査によると、有休取得に罪悪感を感じる人の割合も、また世界で最も多い結果となっています。

一方、ヨーロッパにはバカンスの文化があるので、有休をとるのは当たり前であるばかりか、3週間ほどまとめて休んでしまうことも珍しくはありません。そういった文化のない日本でいきなり3週間も休みをとるのは難しいことですが、有休を取ることに罪悪感を感じてしまう気にしすぎる精神と、気を使わせる雰囲気は変えていく余地はあるはずです。ヨーロッパの職場においては、空気を読む人よりも空気をつくる人が有能であると評価されます

転職や副業をネガティブに捉えない

ヨーロッパの社会においては、日本ほど転職や副業をネガティブに考えていません。転職している人は根気がない、副業している人は本業に対するパフォーマンスが低下する、などといった固定概念の元に人を判断するのではなく、個人の能力を測る基準もまた個々に委ねられています
人を評価するのは制度ではなくてあくまで人であり、またその人自身です。そのため試用期間を設けている会社も多く、日本のように、就職は結婚と同じでその後の一生を左右する!という重苦しさは全く感じられません。

自分の可能性を試せる社会

このような社会の基盤には、日本と世界における就職活動の違いもあります。
欧米では大学を卒業してから(または大学在学中に)通称“ギャップイヤー”と呼ばれる、自分を知るための期間を設けることが推奨されています。ヨーロッパでもこのギャップイヤーは若者たちがごく自然に経験していることです。その期間には旅に出る人もいれば、アルバイトやインターン、ワーキングホリデーに行ったりボランティア活動をしたりします。それによって就職の時期が遅れたりすることもあれば、他に学びたいことを見つけて進学する場合もあり、自由度の高い社会を象徴しています。自己分析とは紙の上ですることでも、エントリーシートに記載するためにすることでもなかったのだなと気付かされます。

ワークスタイル=ライフスタイル

ヨーロッパの人々との違いから、『働きやすさ』について考えたとき、ライフスタイルがそのままワークスタイルに通じているということが見えてきました。ヨーロッパの人々は生活においても仕事においても主体性を持ち、行動しています。人と同じことよりも個性があること、またその違いを認めること、それらが自然と生活や仕事の中に根付いています。
もしも日本がヨーロッパよりも働きにくい国とされるのならば、その原因は私たちは無意識のうちに人と同じであること、周りの意見に従うことを選びがちなところかもしれません。個々の中にその判断基準を持つことができれば、もっと働きやすい社会になる気がします

日本の仕事に対する真摯な姿勢は、今もなお世界中から評価されています。その一方で、長時間労働や過労死にスポットが当たり、「生産性が悪い」「非効率」だと言われることも増えてきています。あらゆるものがデジタル化されていく今、人間にはマニュアル通りに仕事をこなす能力よりも、本当にそれが必要であるのか考えることや、かたちや常識にとらわれずに自分の意見を持つ力が試されています。自分のことを大切に考え、家族のことを大事にするヨーロッパの人々の自然なライフスタイルは、私たちの忘れかけている「大したことではない大事なこと」に目を向けるきっかけを与えてくれています。