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ホラクラシー組織の創り方。自走できる組織をつくるために必要な「社内データの蓄積」と「見える化」

ホラクラシー組織の創り方。自走できる組織をつくるために必要な「社内データの蓄積」と「見える化」

ホラクラシー組織の創り方。自走できる組織をつくるために必要な「社内データの蓄積」と「見える化」

ザッポスが導入して話題になった「ホラクラシー」型の組織。その特徴は役職や上下関係を一切なくして、経営における意思決定を分散させるというもの。

今回は、そんな従来の「ヒエラルキー(階層)」型の組織とは一線を画す、実に先進的な組織構成をとるダイヤモンドメディアさんにお話を伺いました。会社・組織の“当たり前”が一気に吹っ飛ぶかも・・?

(※「ホラクラシー」型組織に関する基本的な内容については、「役職なし、上司なし、管理なし!「ホラクラシー」は近未来の組織スタイル!?」でも解説をしていますので、ぜひご覧ください!)

武井 浩三(たけい こうぞう)

ダイヤモンドメディア株式会社 代表取締役 共同創業者 日本で最初の「ホラクラシー型」組織である、ダイヤモンドメディア株式会社の代表取締役。自らのブログでもホラクラシー型組織のテーマを中心に積極的に情報発信中。

岡村 雅信(おかむら まさのぶ)

ダイヤモンドメディア株式会社 取締役 武井代表を支える取締役。採用、社内の組織づくりにおいても大きな役割を担う。

挫折を経験して気付いた自分が本当にやりたい会社のかたち

── まずは「ホラクラシー」の考え方を導入した背景をお伺いできれば。

武井:実はダイヤモンドメディアでは、途中から「ホラクラシー」を導入しようとした訳ではなく、最初からこういうスタイルの経営を前提に会社を作っているんですね。

僕個人ではこの会社をやる前に、別の会社をもう一社起業しているんです。でも、その会社はあまり上手くいかずに1年で潰れる結果になりました。そこで本当は何がしたかったんだろうと自分に向き合うきっかけになったんですね。

とにかく大きいことやりたい!という自分の欲が先走った結果として、世の中に貢献できなかった。仲間にも貢献できなかったし、自分自身も何も得られなかった。

じゃあ会社って何のために存在するのか?ということを模索し始めて、いろんな本を読むようになったんです。その中で出会ったのが、セムコ(※)のことが書かれてある『奇跡の経営』やゲイリーハメルが書いた『経営の未来』です。

(※)セムコ・・・従業員数3,000名を超えるブラジルで最も人気のある企業の一つ。経営理念、企業戦略、経営戦略もないという型破りの経営手法を取りながらも、6年間で売り上げ規模が6倍にも成長したという驚異の企業。やはり同社もホラクラシー型の組織構成を採用している。


こういう存在意義のある会社を作りたいと思うようになり、じゃあそういう会社のデザインをダイヤモンドメディアでは最初からやろうと。事業の内容は一旦置いておいて、そういう会社作りをしようというのが始まりですね。

(「ホラクラシー組織を作ってみよう(ホラクラシー導入実践編)17 of 34」より

「ホラクラシー組織を作ってみよう(ホラクラシー導入実践編)17 of 34」より)

試行錯誤の末、たどり着いた「合理的な経営システム」の導入

── ホラクラシー型の組織を目指した場合、個人に委ねられる部分が多くなって、個人事業者の集まりみたいになっていく、みたいなことはないですか?

武井:5、6年前くらいに、社内のみんなに好きな働き方をすればいいじゃんと言って、やりすぎて本当に収拾がつかなくなった時期があったんです。その頃は、物事すべての中心に「自由」を据えてやっていたんですけど、結局はそれが一人歩きしてしまって。

そこで、外部のパートナーだったら「採算合わないから契約を切る」という選択もできますが、雇用関係があって社内で一緒に仕事していたり、雇用関係がなくても内部の人として仕事していると、一方的に切ることってできないじゃないですか。組織として一体化しているわけなので。

でも、一体化しているはずなのに好き勝手に働くっていうのは、本当は一体化していない証拠ですよね。この帳尻をどう合わせるのかというのを考え抜いた結果、そこからは合理的な経営システムを導入していくことにしたんです

社内での徹底したデータ管理

── 具体的にはどのようなシステムを導入されたんですか?

武井:まずは管理会計を徹底的に整備しました。それからアメーバ経営を取り入れたり、ABM(アクティビティ・ベースド・マネジメント)に基づいて労働時間などを定量化していきました。その頃から社内データを蓄えていくようにしたんですね。

この社内データは大きく分けると3階層あります。パフォーマンス結果である「営業成果」や「会計」といった数字と、そこに至るまでの「プロセス」というデータ、それから1番根底にある「レイバー」という労働時間。これらをすべてデータ化して、誰もが見える状態になるように可視化したんですね。

社内での徹底したデータ管理

そうすると、自由を追求しつつも独りよがりにならずに、うまく他の人が介入できるようになったんです。例えば「ここの生産性良くないね、なんでかな?」とか。

Webサイトの分析に使う『Google Analytics』みたいなイメージです。それを会社全体に入れることで、細かく分析できるようになるという感じですね。

組織においては情報へのアクセシビリティーを高めることが重要なんです。まずはデータを蓄えていって、それを誰もが見られる状況を作れば、あとは勝手に最適化してくということに気付いたんですね。それ以降はもう放ったらかしですね!(笑)

日々の業務内容をすべて数値化、可視化することによるメリット

── 蓄積していった社内データはどのように分析し、改善に向けて活かしているのですか?

武井:深掘りしようと思えば相当深いところまで掘れます。例えば、クライアントごとの生産性、採算、プロフィット業務・ノンプロフィット業務の割合。営業活動でいえば、移動時間が最適化されているかということも見られます。それを使っていれば勝手に最適化されていくので、組織がめちゃくちゃ筋肉質に変わります。

個人でいえば、自分の仕事は自分で最適化できているって思い込んでるだけで、案外そうじゃないことってありますよね?マネジメント力には個人差があるので、全員が自己管理をしなきゃいけないという考えは「幻想」だと思っていて。仮に自己管理のできない人が多いというのであれば、できる人だけがやればいいという話です。うちの会社はとにかく、できる人が、できることを、できるだけやる。・・できない人は無理すんなと(笑)

── 仕事ができる人ほど、自分でできるから細かい数字を付けたくないといった声が上がることはないですか?

武井:正直、できる人は付けなくてもあまり変わらないんですが、全体としてデータを取っていると「傾向」が見えてくるので、そこは必須だと思っています。個人が数字を付けなくなると、そこからチームメンバーとの分離が始まるんです。

同じ情報を共有できなくなると、組織は分裂し始める

武井:ホラクラシーって「複雑系マネジメント」と呼ばれていて、企業や組織を“生物的に”とらえるんですね。

生物には特徴があって、例えばアメーバって分裂するじゃないですか。でも分裂してもまた戻れるんですよ。戻れるということは「分裂しても1つの個体である」というように定義ができるわけですよね。でも、分裂して戻れなくなることもあるんです。それはどういう時かというと、小さくなりすぎて情報が共有できなくなった時なんです。

同じ情報を共有できなくなると、組織は分裂し始める
個体って情報でつながってるんですよ。だから、組織の中で同じ情報を共有できなくなると分裂し始めるんですね。そうならないためにも、組織には情報を共有するために適切なコミュニケーションインフラが不可欠なんです。

次回は、通常の企業では当たり前のように行われている企業の「人事制度」について、独自の視点から切り込んでいきます!

むやみな昇進は人を“無能”に変える!組織がやるべきことは、各自にとっての「ベストピーター」探し

▼お話を伺った企業
ダイヤモンドメディア株式会社

▼代表の武井さんのブログはこちら
KOZO TAKEI'S BLOG