炭鉱の町から音楽の町へ!田川市を復活させるために30代の若者たちが動き出した

炭鉱の町から音楽の町へ!田川市を復活させるために30代の若者たちが動き出した

地方創生」が日本にとって重要な課題になっていることをご存じでしょうか?

今回の取材先は、自治体と二人三脚になって地方創生を目指している株式会社BOOKの大井社長。(※余談ですが大井社長は、筆者の新卒時代〔GMOインターネットグループ〕の同期です。)

福岡県田川市に本社を構える株式会社BOOKは、田川市から依頼を受け、廃校を利活用して、音楽ビジネスを中核としたコンテンツ産業拠点を作るそうです。

これから始まる廃校活用プロジェクトについて、田川市の歴史や現状を踏まえながら、お話を伺ってきました。

第1回
地方創生が日本を元気にする!福岡県田川市の廃校活用プロジェクトが始動
第2回
炭鉱の町から音楽の町へ!田川市を復活させるために30代の若者たちが動き出した

大井 忠賢(おおい ただたか)

シリアルアントレプレナー。1982年生まれ・福岡県田川郡福智町出身。九州大学大学院MBA修了。株式会社BOOK(福岡県田川市)代表取締役、楽心堂本舗株式会社(福岡県福智町)代表取締役、インアウト株式会社(福岡市中央区)代表取締役

インタビュアー 新田 勢剛(にった せいごう)

株式会社えふなな代表取締役。 「シゴトを楽しむ、人生を楽しむ。」という理念を広めたいとの想いから当メディア「Fledge」を立ち上げる。三児のパパとしても日々奮闘中。

田川コンテンツバレー構想を実現する

新田:廃校を活用してどんなことをしていくの?

大井:簡単に言うと、音楽ビジネスを中核としたコンテンツ産業拠点を創るってことかな!俺達は、田川コンテンツバレー構想って言ってるんだけど。

新田:おー、具体的に言うとどんな事業を?

大井:音楽で言えば、レコーディングスタジオやレッスンスクール、単発になるけどフェスとかもやりたいし、オンラインで言うと、音楽に特化したクラウドソーシング事業。それ以外にもコワーキングスペースとかキャンプ場も検討してるかな!

※クラウドソーシングとは、仕事を依頼したい個人や企業と、仕事を受けたい個人をオンライン上で引き合わせてくれるウェブサービスのこと


新田:壮大な計画だね!ちなみに、なんで音楽ビジネスが中心なの?

大井:こんな小さい町なのに田川出身のアーティストって意外と多くて…。例えば「井上陽水さん」とか「山下洋輔さん」とか、最近で言うと「どぶろっかーずさん」とか。
前職のリヴァンプで働いていたときに、経済産業省のメディアコンテンツ課でクールジャパンのプロジェクトに携わってて、それをきっかけにコンテンツ産業に興味を持ったことも大きかったかな。

新田:学校っていろんなリソースがあるから出来ることも多そうだね!

大井:そうそう!教室はもちろんなんだけど、図書室とか運動場、プール、体育館、給食室とか凄い多機能なんだよ。これをどう活かすかだね。

音楽の都「田川市」を創りたい

新田:でも音楽産業って市場が右肩下がりでしょ?

大井:確かに右肩下がりなんだけど、それはメジャーの部分よね。CDが、iTunesとかGoogle Playにとって変わってるし、そもそも楽曲自体が売れなくなってる。でも制作側から見ると、ロングテール化してて、以前はCMや映画とかっていう限られたシーンにしか音楽制作ニーズがなかったと思うんだけど、今は自治体のPR動画とかご当地アイドルとか、ニーズが多様化してるのね。例えば、俺も結婚式で、BOOKの樋口(共同代表)がオリジナルソングを作って歌ってくれたんだけど、めっちゃウケたし、感動したよ。歌詞は…嫁に送ったプロポーズの手紙ってのがあって、それをそのまま歌詞にしてくれたんよ。だいぶイタイよね(笑)

新田:プロポーズの言葉を歌詞にするとかマイノリティだけど、ニーズはありそうだね(笑)確かに会社もそうだし、大学のサークルとか地方自治体もコミュニティってたくさんあるから、そこに音楽があっても良いよね!

大井:冠婚葬祭の潜在需要が高いと思う。結婚式はもちろんなんだけど、例えばおじいちゃんの葬儀で、家族がおじいちゃんに歌のプレゼントをしたり、生前におじいちゃんが書いた手紙を歌詞にして、楽曲として流したり。いろんなシーンでもっと音楽が密接にあっても良いと思うんだけど、それが今までは身近に作曲できる人がいなかったし、ビジネスとしても中々成立してなかったよね。

新田:それが今ならクラウドソーシングでビジネス化できるんじゃないかと。

大井:そうね。単価は低いんやけど、メジャー市場とは競合しないビジネスモデルなのかなと。新しい潜在市場を開拓する感じになると思う。楽曲ができる人って日本だけでも30万人以上はおるみたいなんよ。

新田:なるほど!めちゃくちゃ面白そう! 

大井:田川を音楽の町にしたいなと!

新田:それはいいね!各自治体がそうやって個性のある町にしていけば、目的を持って定住してくれる人が増えそうだね!

大井:そうそう。個性が大事で、例えばその個性が「炭鉱」じゃ誰も魅力を感じないと思うんよね。それって過去の栄光でしかなくって、死んだ産業でしょ。生きた産業でなきゃ求心力がないよね。ただ、音楽の町として新たなスタートを切ることができれば、定住人口もそうだけど、旅行者を中心とした交流人口も増えると思うわけよ。そうすれば、この事業自体やこの事業を通して生まれた事業や企業がしっかりと収益を生むことで納税できる。この入口と出口の建て付けが大事と思うんよ。

定住人口・・その地域に住んでいる(住民登録されている)人口
交流人口・・その地域に(通勤や観光などで)訪れる人口

新田:これぞ地方創生って感じだね!個性のある町、音楽の町って凄くいい!

大井:音楽の都と言えば、ウィーンか田川かって言われるくらいにしたいね(笑)

子どものためにも自分たちがスターになる

新田:田川の夢が広がるね!子どもたちの未来を明るくする仕事ってかっこいいね!

大井:夢とか希望を持って仕事をしているかっこいい大人が田川にもいるよ!ってことを子どもたちに伝えたい!顔はブサイクだけど生き方はかっこいいみたいな(笑)

新田:確かに顔はね(笑)

大井:おい!!!(笑)まぁ、俺らがスターにならないと駄目よね!頑張れば誰でもかっこいい大人になれるんだ!っていうことを背中で示していかなきゃね!

新田:田川の子どもたちが放課後に自然と集まってくる場所になったらいいね!で、集まってるかっこいい大人たちと自然と交流してるみたいな!

大井:それが出来たら最高だね!学童の代わりみたいな場所になればいいかもね。

新田:田川の子どもたちに、どんな子になって欲しいとかある?

大井:母校の田川高校の校訓が「水平線上に突起をつくれ」ていう校訓で、自分の座右の銘でもあるんやけど、勉強でもスポーツでも特技でも、どれか一つでもいいから突き抜けて欲しいよね。その個性がめちゃめちゃ大事と思うね。そういう文脈から考えると、やっぱり個性的な町づくりが大事だし、人も町も、その個性が魅力になるよね。今回のプロジェクトも時間はかかると思うけど、着実に前進することで、他の地方自治体にとっても一つの成功のカタチとして示せるし、大事なことよね。

新田:それが日本全体を良くすることに繋がるし、各地方自治体にも希望を与えられるね!めっちゃ期待しています!また1年後くらいに続編をレポートさせてね!ありがとうございました。

 

 

―編集後記
いま日本には、消滅する可能性のある市区町村が896地域(全体で約1800)もあるそうです。そのため政府は、2014年に「まち・ひと・しごと創生本部」を発足し、首都圏への人口集中を是正しようとしています。

今回取材した田川市も例外ではなく、昭和30年前後をピークに人口減少化が進んでいます。そんな田川市の現状を、自治体が民間企業と手を組んで解決に向かっています。株式会社BOOKの代表(大井さん、樋口さん)をはじめ、メンバーは田川出身で構成された30代のメンバーが中心だそうです。取材を通じて最も印象的だったのは、「田川を何とかしたい!」という情熱。この想いがきっと田川市民にも伝播して、町自体が少しずつ活気を取り戻していくような気がしました。

貴重な取材をありがとうございました!

第1回
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