地域で生き方をリデザイン。ロールモデル探しと自分の根っこを知ることから始めてみませんか?

地域で生き方をリデザイン。ロールモデル探しと自分の根っこを知ることから始めてみませんか?

地域で生き方をリデザイン。ロールモデル探しと自分の根っこを知ることから始めてみませんか?

このエントリーをはてなブックマークに追加

こんにちは!Fledgeライターの外山です。今回のイベントレポートは茅ヶ崎のコワーキングスペース、チガラボからお届けします。

チガラボとは?
湘南・茅ヶ崎の、多様な人のつながりから新しいコトが生まれるコミュニティ。定期的なイベント・ワークショップでの学びと交流から、何かやりたい人、すでに実践している人、応援したい人がつながり、一歩踏み出すことを目的としている。


実は私の実家が茅ヶ崎にあり、チガラボはいつか行きたいと思っていた場所のひとつでした。茅ヶ崎に一度来たことがある方なら、こちらの風景に見覚えがあるのではないでしょうか?ミスタードーナッツお隣、茅ヶ崎駅北口から徒歩5分ほどのところに立地しています。

今回のイベントのテーマは「湘南ワンハンドレッド・プロジェクト」という、人生100年時代のワークライフ・スタイルを考えるためにチガラボで誕生したプロジェクト。

「湘南ワンハンドレッド・プロジェクト」とは?
「現役世代からの人生100年時代の生き方のリ・デザイン」をテーマとしてチガラボから生まれた取り組みで、NPO法人湘南スタイルと神奈川県の協働事業になっている。

清水 謙(しみず けん)

1974年生まれ、茅ヶ崎市在住。ヒトコトデザイン株式会社 代表取締役、コワーキングスペース「チガラボ」代表。湘南エリアや東北などで、地域での起業やプロジェクトを担う人の育成・事業支援に取り組んでいる。

山口 順平(やまぐち じゅんぺい)

1977年生まれ。人事制度を活用し、週4勤務で会社員をしながら、茅ヶ崎での市民活動を実施。CHIGASAKI 100CLUB を始め、「年を重ねることがワクワクする未来」「自分の人生は自分で舵を取る」をモットーに活動をしている。

中村 容(なかむら よう)

1965年生まれ、茅ヶ崎在勤。大学職員としてサラリーマンをやりながら、自称「まちのキャリアデザインマスター」として個人が地域でライフキャリアをデザインしていくための機会づくり、仕組みづくりに取り組んでいる。

人生100年時代を生きるための道先案内人になる

清水 謙(以下、清水):人生100年時代においては、これまでのような学校~就労~引退という直線的な流れではなく、それらが行き来したり並行して進むようなバリエーション豊かな生き方があたり前になると言われています。(※『LIFE SHIFT』リンダ・グラットン著 参照)このテーマに関しては、何歳から考え始めても遅すぎることも早すぎることもありません。

▲参加者の最年少は高校生、最高齢は80歳!主に30〜40代の方が参加されていました。

平均寿命が伸びていく中で、引退後の金銭的な問題や生きがいの問題について、日本のメディアは悲観的に報じる傾向にあるように思います。食事や運動で健康を維持することはもちろんですが、人生に主体的であること、生きがいややりがいを得ることで、心身ともに健康でいられるという考え方がこのプロジェクトの軸になっています。そこには、多様な人が集まるコミュティが必要になると思っています。

将来を予測して不安になるのではなく、自分の人生を主体的にデザインする人を増やしていきたい。いつ人生が終わるかは誰も決められませんが、どう生きるかは自分で決められます。

▲イベントで使われていたスライド

世の中では働き方改革が進められていますが、まだまだ変わっていないと感じています。ですが、地域には働き方や暮らし方を考え実践する機会があふれています。

まずはこうしたテーマについて話し合う場をつくり、世代を越えて多くの人が関わる機会をつくっていくために「湘南ワンハンドレッドプロジェクト」が生まれました。「豊かな生き方に関心を持っても入り口がわからない」という人の道先案内人になり、少しずつ行動を生み出していきたいと思っています。

▲湘南ワンハンドレッドプロジェクトの全体像

現在、茅ヶ崎市では、企画経営課がボランティアや市民活動などに参加したい人を横断的にコーディネートする機能を担うべく、コンシェルジュとして相談窓口や、セミナーを開催しています。ただ、実際に参加する人は引退後のシニア世代が多く、現役世代との接点が少ない点に課題を感じているそうです。

その点チガラボには20代をはじめ自然と多様な年代の人が集まっているので、相互補完的に関われるのではということで、連携して進めていきたいと考えています。

今回のイベントでは、みなさんに「湘南ワンハンドレッドプロジェクト」への “関わりしろ” を見つけてもらえればと思っています。

シニア=支えられる人ではない。人のかけ算で生まれる新しい価値を生み出す「レジェンド探検隊」

山口 順平(以下、山口):100年時代をどう生きたいか考えたときに暗いイメージではなくワクワク生きていけるようになりたいと思い、これからお話しする「茅ヶ崎まちのレジェンド探索隊」を始めました。

2025年問題と言われているように、高齢化が進むと介護の人や病気の人が増えていきますが財政が悪化しているためそこにお金をかけれないのでは、という不安要素が蔓延しています。そんな時代だからこそ「シニア=支えられる人」という考え方をやめ、世の中でシニア層の人が持っている価値をもっと発揮してもらうことが必要になっていくと思っています。

このプロジェクトでは、人生を主体的に生きている茅ヶ崎在住の70歳以上の方をレジェンドと呼んでいます。レジェンドの方々から私たちはロールモデルを探し、レジェンドの方々には活躍の場を提供することを目的としています。

今は紹介でつないでもらいながら会いに行っています。このプロジェクトは半年前からスタートし、現在9名が関わっています。子育てをしているママ、農園をやっている人など、多種多様な人で構成されており、私も会社にソーシャルデーと申請をして、週4で会社に勤務しながらこのプロジェクトに参加しています。

▲プロジェクトの説明をしている山口さん

実際にお会いしたレジェンドの方のお話を少しだけしたいと思います。1人目は、接骨院を経営している60歳の方。この方はお客さんに「先生に相談するとなんとかなる」と言われることがうれしくて、常に調べて探求し続けているそうなんです。仕事に対する姿勢がとても素敵の方でした。

2人目はデザイン会社の経営をされているとってもおしゃれな77歳の方。この方には実際にチガラボに来ていただいて「喫茶去」というお茶会をやっていただいきました。「喫茶去」というのは「焦らずお茶でも飲んで行きなさい」ということだそうで、この方は「現代人は焦りすぎ、落ち着けば解決策が見えてくるから」と言っていました。

3人目は農業関連で仕事をされていた方。最初はちょっと距離があったのですが、2回くらいお会いするとだんだん自然体になり笑顔を見せてくれたのがうれしかったですね。「今までの人生で一番楽しかったのはいつですか?」と伺うと「今だよ」とおっしゃっていたのも、印象的でした。

インタビューする側もされる側も初めての人が多いのですが、徐々にコツのようなものがわかってきました。インタビューされるレジェンドの方々には、話し出すスイッチのようなものあって、出身地や職業が同じといった点を切り口にするとどんどん話が出てくるんです。インタビューをやったことがないから不安と言っていたメンバーも、終わったあと「超楽しかった!」と言っていました。

何人かのレジェンドのお話の中には人生を楽しむ秘訣に共通点があり、私たち自身が人生を楽しむための学びや気付きを得ることができています。

▲プロジェクトメンバーが考える「まちのレジェンド」に共通すること

このプロジェクトの価値だと感じているのは、同じ方の話を聞いても受け手は感じ方が違うこと。茅ヶ崎の広報ページでも同じような企画をしているのですが、このプロジェクトはレジェンドと話を聞く人の組み合わせというところで違った価値が生まれていると思います。インタビューをする人が変わればお互いに得られる気付きは全然変わるので、同じ話でも人によって学びが違うんです。

これからどんどん活動を広げていきつつ、メディアなどに情報を蓄積していきたいと思っています。また、企業とのコラボや茅ヶ崎ならではの企画や、副業で働く人とレジェンドだけの会社をつくったりするのもおもしろいかなと考えています。

やりたいことを複数の手段で実現!小さな一歩を応援する「まちのキャリアラボ!?」

中村 容(以下、中村):以前は収入を得るだけの生活スタイル、コツコツ働くことが美徳という価値観の中で働いていました。ですが、手応えや充実感がないと感じ始め、このまま働いていて豊かさを得られるのかなと思っていたところで、チガラボと出会いました。

自分が働いている学校教育の中では、高校卒業(大学等進学・卒業含む)後に新卒で就職して3年以上継続的に就業する、いわゆる「ストレーター」が一般的なモデルとされているのですが、それだけでは得られない豊かさを感じながら生きていくことがこれから必要になると感じています。学校教育では限界があってできないとは思いつつも、今の職場をやめる勇気はないので、少しずつこの活動を自分の生活の中心にしていきたいと思っています。

最初はプロジェクト名を「まちのキャリアセンター」としていたのですが、「キャリアセンター」というと一般的なハローワークや人材系の会社のイメージになってしまうので、「まちのキャリアラボ!?」にしました。

ここでやりたいことは個人と仕事とのマッチングというよりは、その人のやりたいことを複数の手段で実現するような、ポートフォリオデザイン。情報提供、傾聴、カウンセリングだけではなく、ひとりで実現できないことを実際に形にする場を創出するところまでしたいと思っています。

▲「まちのキャリアラボ!?」を発表している中村さん

ターゲットは40〜50歳、「やりたいことはあるけどいまさら会社で働くのも・・・」「このままでもいいのかな」「なにかやりたいたいけど、なにをすればいいかわからない」という悩みを抱えている人としています。

今まではキャリアバーというお酒を飲みながら働くことを話し合うイベントや、映画を見ながらキャリアを考えるイベント、女性限定の「私にも◯◯できちゃうかもカフェ」などを開いてきました。イベントには具体的にやりたいことがある人もまだ見つかっていない人も参加しており、まだ見つかっていない人でも具体的にやることがある人から刺激を受けた方もいらっしゃいました。

「私にも◯◯できちゃうかもカフェ」では、自分のできることを棚おろしし、これからどうしようかということを考えることをテーマとしました。女性は男性よりもキャリアが自分だけではなく、まわりの環境に変えられてしまうので、より課題に感じている人も多い印象を受けました。

▲「まちのキャリアラボ!?」の全体像

プログラムは大きく3つの構成で考えています。まず最初に今までやってきたことやその人自身の根っこを掘り、次にリデザイン・ワークライフスタイルを描き直し、そして最後に自分で話をしたり試しにやってみる、という流れです。

ゴールは、自分で事を起こしていくこと、自立して自分でプロデュースしていくこととしていますが、いきなり大きなことをやり続けるのは難しいので、3ヶ月くらいのプチプロジェクトに参加してみることができればいいかなと思っています。

このプロジェクトのスタッフが専門性を持っているわけではなく、専門を持っている人につなぐような形でこれからやっていこうと思っています。イベントから一緒に活動してくれる人が入ったりしながらチーム自体も色々な方が関わりながら変化してもいいかなと思っているので、「まちのキャリアラボ!?」という名前のとおり自分たちも実験をしていきたいですね。

目指すは、“日本総ラボ化”。地域全体で学び合う場をつくる

清水:茅ヶ崎ではこうした取り組みをスタートしていますが、それぞれの地域で実験的な取り組みが生まれ続ける、いわば“日本総ラボ化”という状態をイメージしているので、ここで完結しようとは思っていません。どの地域にも、おもしろい人が集まりおもしろいことが生まれる場が重要だと思っています。

100年時代では、お互いに過去や未来を学び合うことが必要になる、つまり誰もがロールモデルになりうるということです。地域全体が学習する組織のような場になっていけばいいなと。意志を持って主体的に未来をつくる人が増え、明日からでもできる小さなことから始めていけたらと思っています。

▲地域における学習する組織化のイメージ

100年時代というテーマはすべての人が当事者となるテーマです。今後もさまざまな人たちと定期的に話し考える場をつくっていきます。もし少しでも興味を持ってくださった方がいたら、ぜひ「湘南ワンハンドレッドプロジェクト」の活動やイベントに遊びに来てください。

編集後記

以前、自分自身のコラムにも少し書きましたが、将来やってくる100年時代を不安に思いながら生きるって、とてももったいないと思うんです。よく新しい働き方や100年時代をテーマにしたイベントに足を運ぶのですが、このイベントのようにほとんどの参加者が30歳以上で、お金を稼ぐことを一番の目的にせず形になっているプロジェクトが集まっているイベントは久しぶりでした。

そしてどのプロジェクトにも共通していて素敵だなと思ったのは、自分たちも楽しみながら学びを得つつ、ほかの人の人生も変えていくような流れを生んでいること。今新しい時代の流れに不安に思っている方の、まさしく“道先案内人”になっていくだろうなと感じました。そして、お互いに学び合う社会になっていくからこそ、個々に「レジェンド」の方に共通している受容性も求められていきます。

そんな「レジェンド」の方から元気をもらいつつ、自分のロールモデルを探し、「まちのキャリアラボ!?」で自分のやりたいことを実現していく。このふたつの活動の輪が広がることで、茅ヶ崎のラボ化、そして“日本の総ラボ化”も実現できるのではと思いました。

チガラボではほぼ毎日イベントが開催されているので、気になった方はぜひ足を運んでみてくださいね。イベント情報に関してはこちらから。

この記事をシェアしよう!
TAGS
もっと便利に!

記事のクリップを使ってオリジナルのライブラリを作りましょう。

すでにアカウントをお持ちの方
or

ソーシャルアカウントで登録/ログイン