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ブラック企業も真っ青!?アニメ制作会社の実情

ブラック企業も真っ青!?アニメ制作会社の実情

ブラック企業も真っ青!?アニメ制作会社の実情

昨今、とあるアニメ制作会社の給与明細がSNSで拡散され、あまりの安さに驚愕…と話題になりました。(※1)
あまり良い労働環境で仕事をしていないという噂をよく耳にしますが、アニメ好きな私としてはアニメ制作会社の実情ってどんなものだろう…?と思い、調査してみました!

更に、調査する中で、ユニークな制度や独自の取り組みを行っているアニメ制作会社を発見!こんな制度や取り組みが少しでも広がってほしいな…という想いを込めて、本記事をお届けします。

(※1)参考元:年収100万円未満…アニメ制作現場、超絶ブラックで崩壊の危機か…離職率9割、人材使い捨て常態化 | ビジネスジャーナル

アニメーターを取り巻く環境と様々な想い

日本のアニメは世界でも高く評価され、年々多くの新しいアニメが世に送り出されています。2016年には新作アニメ本数が220本と、日本を代表するビジネスの一つにもなっているアニメ産業。
そんなアニメを支えているアニメーターの方々ですが、お世辞にも良いとは言えない労働環境で働いている人が多いようです。

一般社団法人日本アニメーター演出協会が、アニメーターの実情を把握するため、2008年から実態調査を行っています。今回はこの調査結果である『アニメーション制作者実態調査報告書』をもとに、アニメーターの実情を解説していきます。

長い労働時間と休日の少なさ

アニメーション制作者の労働時間を把握するため、1日の作業時間と1ヵ月の作業時間を調査したところ、1日あたりの平均作業時間は11.03時間、1ヵ月あたりの平均作業時間は約262.7時間。更に、350時間超働いている人は15.9%にも上っており、かなりの長時間労働であることがわかります。
このように労働時間が高い数値になってしまう理由の一つとして、休日の少なさが含まれていると思います。1ヵ月あたりの休日日数についても調査したところ、平均休日日数は4.63日。一般的な労働者の1ヵ月あたりの平均休日日数が約10日とすると、かなり少ない休日日数ですよね。

労働時間の調査の他に『現在の生活や仕事状況について』というアンケートに対し、『過密な仕事のスケジュールによる過剰労働』を感じるという回答者が61.0%と、長時間労働に対する不満を感じている人はかなり多いようです。

低い収入と思わぬ支出

アニメーターの平均年収は332.8万円ですが、一番多い年収は『150万円超200万円以下』と『250万円超300万以下』が同率。アニメーターではない全国的な民間企業に勤務している人の平均年収は約414万円と言われており、アニメーターの平均年収は全国平均年収より約81万円も低いことから、苦しい生活を余儀なくされている人も多いようです。
また、アニメーターは出来高制の現場が多く、作業スピードが遅い人や実力があまりない人は、年収100万円以下の場合もあるそう。更に、フリーランスのアニメーターは仕事をする場所の使用料を自己負担する場合もあるそうで、自由に使える収入はかなり限られている可能性もあります。

収入の調査の他に『現在の生活や仕事状況について』というアンケートに対し、『老後の生活設計における不安』を感じるという回答者が85.9%と、収入に対する不安を感じている人がほとんどのようです。

仕事に対する明確な意識と情熱

長時間労働に加え低賃金という、過酷ともいえる労働環境ですが、『現在の仕事継続理由』という質問に対する回答で最も多かった『この仕事が楽しいから』や、『今後の仕事計画』という質問に対する回答で最も多かった『働ける限り、アニメーション制作者として仕事を続けたい』という調査結果もありました。
この調査結果を見ると、アニメが好きだから、絵を描くことが好きだから、この作品に関わりたいから、というように自分の好きなことや、やりたいことが明確で、仕事に対して高い意識を持っている人がとても多いように思います。

アニメ業界の課題を解決すべく立ち上がった団体

そんな仕事に情熱を持つアニメーターの皆さんを支える団体があるんです!
それはNPO法人アニメーター支援機構。入社3年目までの若手アニメーターを対象とした『新人アニメーター寮』を月3万円以下で賃借できるなど、アニメーターが抱える低賃金問題解決への取り組みを行っています。

 

また、アニメ制作会社の中にはユニークな制度や独自の取り組みを取り入れている企業があることを皆さんはご存知でしょうか?
少しでもこんな会社が増えてほしい!という想いを込めて、そんなアニメ制作会社を4社、読者の皆さんに紹介したいと思います。

意外な取り組みを行うアニメ制作会社

ufotable有限会社

今クールでは『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』を制作しているufotableは、徳島県にサテライトオフィスを開設しています。本社は都内にもありますが、代表の近藤光氏の『僕らは普段目でみたものや接したものが画面に現れます。だから、違った環境、いい環境でアニメをつくりたい(※2)という想いから、徳島県でサテライトオフィスを開設しました。都会とは違った、地方ならではの環境で行う仕事は、新しい発見が沢山ありそうですよね。
また、以前Fledgeでもご紹介した、徳島県で行われているイベント、『マチ★アソビ』の主催をするなど、地方活性化にも力を入れています。
(※2)引用元:「マチ★アソビ Vol.13」開催を間近に控えてufotable代表・近藤光 特別インタビュー! | WebNewtype

株式会社ピコナ

2016年に公開された『モンスターストライク THE MOVIE』のCGを担当しているピコナ。以前Fledgeの『ウチの会社にも取り入れたい!残業を“劇的”に削減した5社の取り組み』という記事でも紹介させて頂きましたが、残業削減運動『リア充しよう』に取り組んでいます。
クリエイターにはインプットする時間が重要だというキッカケのもと始まったこの制度。残業チケット制という社長決裁の申請チケットを導入し、安易に残業が出来ないよう取り組みを行った結果、時間外労働が80%も削減
プライベートの時間が増えたことで、社員がアニメーション作品を創作。その作品が商品化されるといった普段の業務に縛られない働き方ができることで会社にとってプラスになっているんです。プライベートのことがビジネスに繋がるだけで、楽しさややりがいを感じますよね!

株式会社WHITEFOX

2016年一躍ブームとなったアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』を制作したWHITEFOXは、都内に拠点を構えながらも新人育成に力を入れるため2016年に伊豆高原にスタジオを開設
生活費の心配が少なく業務に集中できるようにと、月3万円で借りられる寮の提供を行っています。しかも、寮には温泉付き…!疲れが溜まるデスクワークにとって温泉は最高のご褒美ですし、とっても贅沢(笑)
また、毎月レクリエーションを開催しており、社員同士のコミュニケーションもはかどるため、チームでの仕事が多いアニメーターにとってはプラスになること間違いなしな環境です!

株式会社カラー

2016年大ヒットした映画『シンゴジラ』の監督である庵野秀明氏が代表を務めるカラー。
代表である庵野氏はアニメーターに対して『作品を実際に作っているのは監督ではなくスタッフです。なので、スタッフは大事にしなければなりません。これは当然のこと。作品を作り続けるには、還元をしていかなければならない。(※3)という考えがあるため、安定した給与や充実した福利厚生があります。
そんな福利厚生の一環として社員旅行が毎年2回もあるんです!社員旅行ではカラオケ大会を行い、社歌である大人気アニメ『エヴァンゲリオン』のOPとしても有名な『残酷な天使のテーゼ』をスタッフで歌って盛り上がるそうです(笑)
(※3)引用元:庵野秀明監督が初めて語る経営者としての10年(下)|『週刊ダイヤモンド』特別レポート|ダイヤモンド・オンライン

まとめ

子どもの頃から自然とアニメを見て育ち、今度は大人になって自分に子どもができた時、子どもと一緒にアニメを見る。そんな風に、自然とアニメを見る機会ってとても多いと思います。
中にはただ単純にアニメが好き!というように、大人になっても趣味としてアニメを楽しむ人が多いですよね。近年ではアニメをキッカケに日本を好きになる海外の方も増えてきています。

そんな多くの人を楽しませてくれるアニメの裏側には、多くの人たちが関わっているんですよね。
だから、今回の実情を知った時、何だか複雑な気持ちになりました。人を楽しませる仕事だからこそ、もっと豊かに仕事ができる環境になればいいのにな、なんて考えてしまいました。

一方で今のままではいけないと取り組みを行う団体や企業があるからこそ、その取り組みが、これからは『個』の団体や企業だけでなく、アニメ業界『全体』に蔓延し、より良い環境が増えてくれるといいなと思います。

【余談】アニメ好きということもあり、この記事を書き始めた私ですが、冒頭で2016年の新作アニメが220本もあったことに驚愕したので、自分自身2016年のアニメをいくつ視聴したのか数えたところ38本でした………全然見てない!!!と一人ツッコミを入れ、アニメ好きを語る資格などないと心の底から嘆きました(;_;)