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教育、経済的支援、仕事をしやすい環境づくりで、フリーランスがもっと輝ける社会に ── ランサーズ秋好陽介

教育、経済的支援、仕事をしやすい環境づくりで、フリーランスがもっと輝ける社会に ── ランサーズ秋好陽介

教育、経済的支援、仕事をしやすい環境づくりで、フリーランスがもっと輝ける社会に ── ランサーズ秋好陽介

少子高齢化に伴い、2016年時点では約6600万人いる労働人口が、2055年には4400万人まで減少するという調査結果があります。現に地方企業では、深刻な人材不足に悩むケースもあります。

また、会社のルールに合わせるのではなく、自分のライフスタイルに合わせて働きたいと考える人の数も増えています。そんな中で注目されているが「フリーランス」です。

副業レベルを含めると、日本には約1122万人のフリーランスがいます。しかし、会社に雇用されて働く人と比較すると収入が不安定であることや、社会保障の不充実などから、環境面での整備にはまだまだ課題が残ります。現に、フリーランスの45%が「収入が不安定なこと」を不安要素に挙げています。

今後フリーランスがもっと活躍できるようになるにどうればよいのでしょうか。「個のエンパワーメント」をミッションに掲げ、フリーランスを支援するプラットフォームサービス「Lancers」を展開する秋好社長に現状の課題と解決策についてお話を伺いました。

参考:2017年フリーランス実態調査

秋好 陽介(あきよし ようすけ)

ランサーズ株式会社代表取締役社長CEO 1981年大阪府生まれ。大学在学中にWeb制作の受託を始め、インターネットビジネスに目覚める。2005年、ニフティ株式会社に入社。インターネットサービスの企画・開発に携わる。仕事の受託者・発注者、両方の立場を経験したことから、仕事を依頼したい企業と仕事を受けたい個人をオンライン上でマッチングするウェブサービスを思い立ち、2008年4月に株式会社リート(現・ランサーズ株式会社)を創業。12月、日本初のフリーランスを支援するプラットフォームサービス「Lancers」の提供を開始する。

教育や金銭的な信用を社会がどう担保するか

今なぜ、フリーランスの活用が着目されているのでしょうか?また、活用が進んだ場合、働き方にはどのような変化が起こるとお考えですか?

秋好:前編での話とも少々重複しますが、産業寿命が短い状況で旧来の雇用が成り立たなくなっているからです。ビジネスが継続するか不透明なのに、従業員を何十年も雇い続けるというやり方がアンバランスになってきています。

また日本では労働人口が減少していきます。そうした中で、企業は今働いている人にできるだけ多くのプロジェクトに参加してもらい、能力を発揮してもらいたいと考えるようになりました。個人としても、ひとつの会社でしか通用しない仕事をするよりも、汎用性が高く、自分の人生に合った働き方を求めるようになった側面もあります。

こうなると、会社の垣根を超えてプロジェクト型で働くやり方が主流になってきます。その流れに乗らずに現状維持をし続けるのは厳しいと思います。特に国と企業は変化を強いられるでしょう。

フリーランスが増え、個人は自分らしい働き方ができ、企業は人材不足を補えるのは良いことです。一方で、十分な収入が確保できない、立場が弱いなど、フリーランスが活躍していくにはまだ解決しなければいけない課題が多く残っているように思います。今後、どのように解決していけばいいと思われますか?

秋好:フリーランスの誰でもが活躍できるような「環境を整えてあげること」が先決です。

学びの機会が少ないことや、金銭的な信用が得られにくいというデメリットも解消する必要があります。企業が担ってきた教育をどうするのか?部屋を借りたり、クレジットカードを作ったりする際の信用をどうするのか?社会全体として、フリーランスの信用を担保する環境づくりが必要です。

あとは、フリーランス同士が助け合えるような仕組みも必要だと思います。個人で働いていても、必要に応じて助け合えるフラットな組織というイメージですね。フリーランスは通常、企業のバックオフィスが担っているような仕事を全部こなす必要があるので、負担がかなり大きい現状があります。

御社はフリーランスの経済的な支援を行う新しいサービスを作られましたよね?

秋好:はい。今年1月中旬からランサーズで働く人向けに「フリーランスレンディング」というサービスをスタートしました。これは、ランサーズで働いた実績をもとに、成長資金の融資をするというものです。報酬を受け取るまでの間の立て替えや、事業に必要な物を購入する際の費用などを融資を行います。すでに引き合いは多く見られるので、ニーズに合致したという手応えがあります。

フリーランスが受けられる仕事の幅を増やしたい

もっと働きやすい社会を実現していくために、今後どのようなことをしていきたいとお考えですか?

秋好:様々な企業で自分らしく働き、報酬が得られるような社会に変えていきたいですね。あとは受けられる仕事の幅をもっと広げ、選択肢を増やしたいと思っています。

プラットフォームでは、仕事の多くはエンジニアやライターなどに偏っていました。たとえばチラシ作成のような、企業が切り出しやすい仕事を依頼することが多く、チームで進めるような仕事は少なかったです。

もっと一般的な仕事を、より多様な企業や人に使ってもらえるな仕組みを整えないと、弊社として提供できる価値が限定的になってしまうと考えています。たとえば、秘書、経理、財務などをもっと一般的な会社が使えるような環境を作りたいですね。そうなったらフリーランスの仕事の幅は拡大し、企業にとっても外部人材を活用するのが当たり前になってくるわけですから。

人は仕事を通して成長する部分があるので、「自分が成長している」という幸福感を味わえるかどうかが大切です。お金が稼げる事は大切ですが、自分らしく好きなことをやっているのが一番幸せなのですから。もっとたくさんの人が、自分らしい働き方を手にして欲しいと思っています。それが理想ですね。

企業が仕事を外部向けに切り出すサポートをしたい

プラットフォームにおける「単価」についてはどうお考えでしょうか?

秋好:安い仕事が多いイメージが強いのかもしれませんが、実際には高単価の仕事はあります。それで十分な収入を得ている方がいるのは事実です。現にかつてと比べて単価は上がっています。

「Lancers」のリリース当初は、そもそもネット上で仕事のマッチングを完結させるサービスがなかったので、いきなり高単価での案件のマッチングは難しいものがありました。しかし現在ではネットで仕事を見つけることが一般化し、単価は確実に上がっています。今後はさらにスピード感を持って単価を上げていきたいと考えています。

ただ収入面についてですが、個人的には大きな金額を稼げるか否かが問題なのではなく、その人が自分らしく働けて、それ相応に得たい金額を得られる状態を作ることが大切だと思っています。数千万円の収入を得る人もいれば、月に数万円の人もいる。その人の生活や働く目的は違うわけですからね。

アメリカではフリーランスが日本に比べて活躍している印象があります。日本企業がもっとフリーランスを活用できるよう、どのようなサポートが必要なのでしょうか?

秋好:そもそも多くの日本企業は大企業を中心に自前主義の考えが一般的で、自社の案件を外部に依頼することに慣れていません。仕事を切り出すサポートをしたいと考えていますね。

現在の取り組みとしては弊社がエージェントを設置して、仕事を探す側と企業側との間で相談に乗るといったサポートを行なっています。ただ、人の手だけでは対応しきれない可能性があるのでシステムを導入して、ユーザーの利便性を高めていきたいですね。

編集後記

企業による不当な独占を防いだり、最低報酬の設定を検討するなど、国もフリーランスの労働環境を向上させようとする動きを見せています。

筆者もひとりのフリーランスとして、秋好社長の話に真剣に耳を傾けていました。確かに、学びのサポートを得たり、金銭的な信用がもっと認められたら働きやすくなると感じます。

収入の不安定さや社会的に立場が弱いというネガティブ面はありますが、自分のライフスタイルに合わせて働けるのは素敵なことです。よりフリーランスが安心して仕事ができる仕組みが整っていったらいいなと感じます。