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ランサーズ秋好陽介が語る、働き方改革"成功の秘訣"「現状に危機感を持ち、変化の中にチャンスを見出す」

ランサーズ秋好陽介が語る、働き方改革"成功の秘訣"「現状に危機感を持ち、変化の中にチャンスを見出す」

ランサーズ秋好陽介が語る、働き方改革"成功の秘訣"「現状に危機感を持ち、変化の中にチャンスを見出す」

Fledge編集部では、働き方改革についての連載をスタート。第1弾は経産省の伊藤禎則参事官に働き方改革全体について、第2弾はジャーナリストの白河桃子さんに女性活躍に関するお話を伺いました。

その第3弾となる今回は、「働き方改革元年」と言われながらも、現場レベルではかえって混乱をきたすケースが見られるなど、まだまだ浸透しきれなかった印象のある「働き方改革」について、自社へ導入を成功させるためには何が必要か、企業の視点から考察していきます。

お話を伺ったのは、日本最大級のフリーランスDBを活用して生産性を向上させる仕事マーケットプレイス「Lancers」を運営するランサーズ株式会社代表の秋好陽介さん。これまでにも、クラウドソーシングの認知拡大・定着に大きく貢献してきただけでなく、働き方の可能性を拡げる様々な施策を実行に移されてきました。今回はそんな秋好社長の「働き方改革」に対する想いに迫ります。

秋好 陽介(あきよし ようすけ)

ランサーズ株式会社代表取締役社長CEO 1981年大阪府生まれ。大学在学中にWeb制作の受託を始め、インターネットビジネスに目覚める。2005年、ニフティ株式会社に入社。インターネットサービスの企画・開発に携わる。仕事の受託者・発注者、両方の立場を経験したことから、仕事を依頼したい企業と仕事を受けたい個人をオンライン上でマッチングするウェブサービスを思い立ち、2008年4月に株式会社リート(現・ランサーズ株式会社)を創業。12月、日本初のフリーランスを支援するプラットフォームサービス「Lancers」の提供を開始する。

「働き方改革×自分=?」疑問に思って立ち止まってしまう

現状、働き方改革という言葉だけが先行し、今ひとつ浸透していない印象があります。その理由は何だと思われますか?

秋好陽介(以下、秋好):やはり「自分ごとに捉えにくいから」ではないでしょうか。「働き方改革×自分=?」みたいに思ってしまう。働き方改革をしようと言われても、労働時間を短縮すればいいのか、生産性を向上すればいいのかがわからず、立ち止まってしまうんです。これは企業も同様だと思っています。

それでは、なぜ自分ごとに捉えにくいのでしょうか?

秋好:現状に満足していることが考えられます。高度経済成長期においては、周りが頑張っているから「現状維持=取り残される」という意識があったと思います。でも今は生活レベルがある程度の水準まで達しているので、「もっとやってやる!」というハングリー精神を持ちにくいんです。

生産性を上げようとする動機には、「今のままじゃヤバイ!」という焦りや不安が大きいと思います。だから今の暮らしに満足していれば、何かを変えようと思えないですよね。

でもこのままではいけません。歴史ある日本の大企業がグローバルの新興企業に圧倒されるということが実際に起こったわけですから。現状維持でギリギリ大丈夫という時代はすでに終わっていて、これからのことをちゃんと考えないといけない時期に来ていると思います。

危機感を持つにはどうすればいいと思いますか?

秋好:リーダーを変えることです。経営者は、会社を継続させるということについては社内の誰よりも圧倒的に強い気持ちを持っていますので、彼らが危機感を抱けば状況は変わるはずです。

経営者の中には働き方改革は福利厚生の一環のように思う人もいるかもしれません。でも実はビジネスにとても有効なんです。経営者が利益を実感すれば、もっと積極的になるはずです。

変化の時は新しいビジネスが生まれるチャンス

今後の日本では、労働人口が減少の一途をたどることがわかっています。すでに人材不足に悩む企業があるのも事実です。こうした状況を企業はどのように乗り切ればよいと思いますか?

秋好:採用戦略の見直しが必要です。産業寿命が10年と言われる中、社員を40年間雇用するということがアンバランスになっていく可能性が高いです。

従業員の副業・パラレルワークを推奨したり、外部の人材を有効活用するといったやり方が有効だと思います。業務を切り出してアウトソースすれば生産性が上がり、社員の幸福度も上がります。それに自由で多様な働き方を認める方が、採用戦略上も有利になります。

また、限られた人材を活用するには、柔軟な働き方を認め、受け入れられる仕組みも必要です。そうでないと、せっかく採用しても辞めてしまう。経営陣、働く人ともに意識改革は待った無しです。しかし、今の状況はチャンスでもあるんですよ。

チャンスとは?

秋好:変化の時期には、かつて機能した仕組みが通用しなくなるわけですから、新しいビジネスが生まれます。現にPCをメインに使っていた時代にスマホが台頭してきたことで様々なビジネスが誕生しました。

働き方も同様で、週2日出社が当たり前になれば、週5日出社を前提とした周辺ビジネスは淘汰されていくわけです。反対に郊外の自宅周辺ビジネスは成長するかもしれません。発想を転換すると新しい発見があります。

働き方改革をすんなり適用できる人とそうでない人の違いは何だと思いますか?すでに自分らしい働き方を実現できている人がいる一方で、あまり変わらない人もいます。

秋好:セルフマネジメント力の有無でしょう。自由な働き方をするということは、それ相応の責任も生じます。かつて管理は会社がやってくれましたが、今後は個人でやる必要が出てきます。

働き方を“自分で考えて”選ぶことが大切なんです。働き方改革が推進されているからといって、全員がやる必要はなく、何なら従来のままでも構わない。そこも含めて自己管理が重要になります。

在宅勤務など形から入って慣れていく

改革は今後、何年くらいの間に進んでいくと思われますか?また、そうなった場合はどのような変化が起こるのでしょうか?

秋好:5年以内には大きく変わりますよ。毎日出社が当たり前でなくなれば、まずオフィスの意味合いが変わります。単に自社の人員が働く場ではなく、外部人材を含めチームを組んだ人たちとコラボレートするための場所になるかもしれません。

週5日出社の前提が崩れていくと、リモートワークで自由な働き方をする人とオフィスで仕事にコミットする人が二極化するかもしれません。複業をしてたくさんのプロジェクトにコミットしたい人もいれば、ひとつの仕事を深掘りしたいと思う人もいるでしょう。

働き方改革をまだ自分ごととして捉えられていない状態でも、在宅勤務や週3正社員など、形から入ることで馴染んでくることもあると思いますか?

秋好:形から入るのも良いやり方だと思いますよ。起業するにしても、いきなり挑戦するのはリスクが高いですからね。私の周りでも、最初は副業としてスタートして、本業の収入を超えた辺りから、一気に費やす時間を変えるというケースが多いです。

これまでと違った働き方をすることで、以前の自分では気づかなかった課題を意識したり、それを解決するための行動を起こしたりするなど、良い面がたくさんあるでしょうから。

挑戦した人がいつでも会社に戻れるように

個人がもっと働きやすくなるためには、何が足りていないと考えますか?

秋好:起業したりフリーランスをやったりした人が、いつでも会社に戻れる社会になることです自分で会社を経営したり、フリーランスをやったりすることは貴重な経験です。会社としてはそれらの経験から得た知見を活用したい。ちなみに、ランサーズでは出戻りウェルカムですよ?(笑)

あと、一度在宅勤務や週3出勤という武器を手に入れると、人は「どうやって進化させるか?」を考えるようになります。人は一度手に入れた便利さを手放したくないと感じるものです。次に転職する会社で在宅勤務NGと言われたら嫌ですよね?そうすると、「どうにか在宅勤務にできないか」など試行錯誤したり、もっと使い勝手を良くしようと考え始めます。

すると企業の生産性は上がり、結果として経営陣は利益を実感します。一方で個人は自分らしく働くことができるというメリットがある。そんな状態が理想です。

編集後記

秋好社長はフリーランスの支援を推進されてきた方だけに、働き方改革には前向きそのもの。変化の時をマイナスにとらえず、そこから新たなビジネスチャンスを探求する姿勢は、現状に満足してしまいがちな私たちに必要な視点だと思いました。

今のところはどうも改革を自分ごととして捉えられないという人は、まずは形から入ってみて、慣れていくというのも一つの手かもしれません。

引き続き後編では、「教育、経済的支援、仕事をしやすい環境づくりで、フリーランスがもっと輝ける社会に」をお届けします。