「今、私にできること」が「未来の自分の選択肢を広げること」になる—プロボノという新しい社会貢献のカタチ

「今、私にできること」が「未来の自分の選択肢を広げること」になる—プロボノという新しい社会貢献のカタチ

前回のイベントに引き続き、今回はa-conで活躍をされているお二人に、プロボノ活動について伺いました。

第1回
ビジネスパーソンは今すぐ参加すべき!?スキルアップ、人脈形成、社会貢献…これ、全部プロボノで実現できます
第2回
「今、私にできること」が「未来の自分の選択肢を広げること」になる—プロボノという新しい社会貢献のカタチ

奥田 雄一郎(おくだ ゆういちろう)さん

本業は、教育コンサルタント。a-conでは教育関連NPOのプロジェクトを主に担当する。

野田 沙綾(のだ さや)さん

本業は大手EC会社にて内部監査を担当。a-conではプロジェクトマネジメントをはじめ、様々な業務に携わる。外部イベントでスピーカーを務めることも。

—— ではまず野田さんから、これまでの経歴を教えて頂けますか?

野田沙綾さん(以下、野田):大学で国際協力を専攻していて、卒業した後に3年弱システムエンジニアをしてました。その後は、4年くらいカンボジアで国際協力の仕事をして、帰国してからは資格の勉強をしながら2年くらいコミュニティビジネス起業支援の仕事をして、3年前に東京にきてからは、EC事業をやっている会社で内部監査の仕事をしているという感じです。

—— 国際協力に興味を持ったきっかけは?

野田:中学3年生のときに…あ、これ言うと年齢が分かってしまうんですけど(笑)中東和平が成立して、その立役者であるアラファト議長とかラビン首相がノーベル平和賞を受けたんですね。その記事を見たときに物凄く感銘を受けて。今までいがみ合ってきた人達が手を繋ぐって凄いなって感動して。

それが平和について学びたいと思ったきっかけで、大学に進学して国際関係学とか国際開発学などを専攻してました。学生時代に途上国を回って、平和ってどういうことなんだろうとか、ひたすら考え続けましたね。

—— そうなんですね!今、野田さんが思う平和って何ですか?

野田:家族で安心してご飯が食べられることが一番の平和かなと。あと、途上国って選択肢がないんですよね。お金もないし環境もない。教育も受けていない。そういう選択肢をもっと増やしていけるような社会になることが平和だと思っています。

—— なるほど。ちなみに、中学3年生で興味を持つ以前から、ボランティアなどのご経験はあったんですか?

野田:ボランティアって訳ではないですけど、小学校1年生からガールスカウトをやっていたり、叔母から「さやちゃんは、そういう志向があるわね!」って言われていたり…(笑)あと、今思えば、8月15日は戦争に関するテレビ番組を自然と見て会話をしていたり、家庭環境に影響を受けた部分もあるかなと。

—— 叔母様、すごいですね(笑)
それでは、奥田さんの経歴を教えて頂けますか?


奥田 雄一郎さん(以下、奥田):現在は、学校経営のコンサルティングをしています。両親が二人とも教師なので、自分も何となく教師になるのかなって学生時代は思ってましたね。その一方で、学生時代は学校の校則などに不満もあったりして、生徒会活動で校則改正などに取り組んだりもしていたんですが(笑)

大学は教育学部に進んだんですけど、だんだんと自分は特定の教科を教えたい訳ではないなって思うようになって、教員ではなくて、民間企業への就職活動を始めました。その中でコンサルティングという仕事に辿り着いたんです。

ちょうど学校自体も競争が激しくなってきた頃で、学校もこれからは健全な競争が必要になってくる。その一方で、学校は教師という専門家がそのまま経営層になっていってしまうので、学校経営には今後サポートが必要なんじゃないかと考えて、だったら教育のコンサルタントを目指そうと思ったんです。ただ、その当時は教育コンサルティングの会社がなくて、一旦普通の経営コンサルティング会社に就職しました。その後すぐに教育コンサルティングの会社を見つけて転職したのが今の会社です。

実は、ボランティアが苦手!?

—— 学校教育一筋できて、なぜボランティアに興味を?

奥田:僕、もともとボランティアは偽善っぽくて苦手だったんですよ。

—— え!?そうなんですか?

奥田:はい、実は(苦笑)でも、東日本大震災があって、さすがに衝撃を受けて…。そのときに、親しい友人が仕事を辞めて、東北で支援活動を始めたんですね。それで、何か僕も一緒にできないかなって思って、NPO団体を立ち上げたんです!東北の子供たちと105個の卵を使って1メートル級のカステラを作ったり。

—— 1メートル!すごいですね!

奥田:2016年5月に活動を終えるまでに、100回以上はやりましたね(笑)これをきっかけに、他のNPO団体にも興味を持ち始めて。みんな凄く熱い想いを持ってやってるなとか、想いだけじゃなくてビジネス感覚を持ってやっている方もいるんだなと感銘を受けたんですね。

そんな時に、a-conが主催しているNPOオブザイヤーみたいなものに団体として呼んでいただき、表彰してもらったんです。それがa-conとの最初の接点で、その後に教育系のプロジェクトがあるからってことでお誘いを受けて、それなら貢献できるかもと思ってプロジェクトに携わったのが「運の尽き」ですね(笑)それから運営面にも携わるようになりました。

—— なるほど。野田さんは、何がきっかけでa-conに?

野田:東京に出てきて、1年半経って仕事が落ち着いたころに少し余裕が出てきたんですね。民間企業で専門性を積んで40歳までに国際開発の仕事に戻りたいと思っていたんですが、何か物足りなくて。

そこまでの足掛かりとして、何か今のうちから始めておいた方がいいのかなって言うのと、自分の持っている時間や能力を社会貢献に使いたいなと思ってたときに、「プロボノ」というキーワードで検索してa-conを見つけたんです。そしたら、事業内容にコミュニケーション支援と書かれていて、ちょっと今の自分の分野とは違うけれど、やってみないと分かんないしと、思い切って参加してみたのがきっかけですね!フラッと来て、フラッと参加したっていう(笑)

—— お二方は、a-conで活動されるようになってどのくらいですか?

野田:私は1年くらいですね。

奥田:出会いで言うと4年くらいなんですけど、入ったのは2年半くらいですね。

自分に合った活動のカタチ

—— 最近でいうと複業とかっていう選択肢もある中で、なぜ「プロボノ」っていう非営利のNPO団体を選んで活動しているんですか?

野田:私の場合は、誰かのサポートをすることが自分にはハマるんですね。社長ではなく、2番手タイプというか。メインの仕事を持ちながら、もう一つ大きな責任が増えてしまうと私の場合は、自分自身を支えきれないような気がしますね。

だから、プロボノとして活動することが、自分の将来への近道でもあり、自分に合った活動のカタチなのかなって思っています。

奥田:僕の場合は、本業で学校経営のコンサルティングをしている中で、学校もa-conと同じ非営利団体で、経営に親和性のないような業態に対しても経営の力で何かサポートしたいという想いが心のどこかにあるんだと思います。

後は、単純に面白いからっていう。そうは言っても、入るプロジェクトは、その団体の理念に共感しないと参加はしませんけど、共感できるものであれば参加していて楽しいですよね。

他には、いろんな人に会えるからっていうのも大きな理由としてはあるかなと。普段は一緒に協働できないような異なる業界の人や企業規模の人と一緒にプロジェクトの課題解決をできるっていうのは、自己研鑚の場になっているなと思いますね。

ボランティアのハードルを低くする


(▲「プロジェクト成果共有会」で参加者の方の質問に答える奥田さん)

—— a-conで実現させたいことや目標ってありますか?

奥田:やっぱり関わったプロジェクトで成果を出したいというのは前提としてありますね。あとは、コミュニケーション分野のプロフェッショナルの意識を持った人たちが多いなと感じる一方で、もっともっと増えて欲しいなと思っている部分もあるので、そこに貢献したいなという想いはありますね。ここがa-conの課題でもあると思いますし、そういう人が増えればa-conとしても、もっと多くの団体を支援することができますし、もっと大きなことができると思いますね!

野田:プロジェクトを成功させるのはもちろんなんですけど、NPOの環境をもっと良くしたいって想いがありますね!今はすごくNPOと民間企業が分断されてるなって感じるんですけど、もっと自由に行き来できる環境にしたいかな。a-conで実現できるかは分からないですけど、a-conの活動を通して伝えたいと思ってますね。

—— 個人的には、ボランティアって高い志がないと踏み込めないっていう意識があって。でも実際は、今、野田さんが仰っていたように、もっと参加のハードルが低く感じることができればいろんな人が参加するようになるのかも知れませんね。

野田:
そうですね!先日、プロボノイベントで講演する機会があって、他の講演者の話を聞いていたんですが、その方はビジネススキルを伸ばすためにNPOの活動をしているって仰っていたんです。参加することに対して、いろんな目的があって良いなって改めて思いましたし、例えば、「a-conではこんなビジネススキルが身につきます!」みたいなものを可視化して打ち出していけば、また違った目的を持った人たちが集まってくるようになるのかなって思いますね。

ボランティアって、電車に乗ったときにおばあちゃんに席を譲ってあげるくらいの感覚で良いと思うんですよね。そのくらいハードルが低くて良いかなって。

—— ボランティアって、もっとガッツリ関わらないと参加できない印象が強かったです。

奥田:真面目かつ真剣に、じっくり時間をかけてやらないとボランティアって認めてもらえないんじゃないか、そう思われがちかも知れませんね。

—— そうなんですね。あと、自分のスキルアップのためにっていう考え方も違うような気がしてたんですけど、そうではないんだなって。

野田:全然そんなことはないんですよ。

奥田:プロジェクトは基本3ヶ月で、1週間に必要な時間は一人2時間くらいですっていう感じで意外とキッチリ決まっていて。もちろん、NPOの団体によっては、全精力を注ぎこむくらいの勢いでやらないと参加が難しいケースもありますけど、もっと敷居の低い団体も多いです。

—— 団体によって結構違うんですね。

野田:専属の職員を置くか置かないかによっても違うと思いますね。専属の職員を置くってことは、団体としても、組織を回すために最低限の収益がどうしても必要になってきますし、一方で、a-conのように専属の職員を置かないケースで言うと、できる範囲内でやっていく感じになりますから。

自分の選択肢と視野を広げるきっかけに


(▲ 成果共有会にて「リーダー育成プロジェクト」についてお話する野田さん)

—— ここまでのお話を踏まえて、プロボノをオススメしたい人ってどんな人でしょうか?

奥田:社会経験を積んだ20代後半から30代くらいの人にはオススメしたいですね。会社や業界の狭い中だけではなくて、外の視点を入れることで世界が広がるし、短期スパンでいろんな経験ができて、いろんな人に出逢えますし。今後は自分が身を置いている会社や業界だけではなくて、外の視点を知っているってことが大事になるんじゃないかなと思います。あとは、魂に良いというか…心が豊かになりますよね!

—— ある程度キャリアを積んだ20代後半から30代前半くらいの方って、何となく自分が見えてきて悩み出す時期でもあるような気がしますね。

奥田:転職と似てるかも知れませんね。パラレルキャリアじゃないですけど、ちょっと覗いてみるみたいな。

—— 野田さんはいかがですか?

野田:やりたい人はぜひという感じです(笑)私がちょっと思うのは、一つの会社にいて、これが世界の全てだと思ってしまうのは良くないかなと。そこで上手くいかなかったときに悩んでメンタルがやられてしまうことがあると思うんです。

それがプロボノじゃなくてももちろん良いと思うんですが、自分がいくつのコミュニティを持っているのかによって、違う価値観の人や今まで自分が知りあわなかった人とかに出会えたり、物事が違う角度から見られるようになったり、大きく変わってくると思うんですよ。だから、そういう場所を自分の中に持っておくことって大事ですよね。自分のためにもある意味、逃げ場を持っておくというか。

—— そうかもしれませんね。さっきの発展途上国の話じゃないですが、選択肢を持っておくことは大事だなと、私も思います。

では、最後になりますが、今後どのような働き方や生き方をしていきたいですか?


奥田:自分の芯は持ちながらも、偶発性を大事にしていきたいですね!a-conの出会いもそうですし。あとはいずれ結婚したいですね(笑)まぁ、ちょっと学生時代の夢だった教育コンサルを今まさにやっているので、この次のステップをどうしようかなと思ってますが、暫くは今できることをやっていきながらも、じっくりと次のステップを考えていきたいですかね。

野田:冒頭にもお話しましたけど、40歳くらいを目途に国際協力の仕事を視野に入れつつも、そこにとらわれ過ぎずに自分自身の土台を作っていきたいなと思ってますね。こうしたいっていう想いもありますけど、今やっていることが面白くなったらそれでいいかなって。進む道が変わっても全然良くて、もっと良い社会にしたいとか、住みやすい社会にしたいとか、もっと笑顔でいられる人が増えたら良いなみたいな漠然としたものがあって、そこに何かしらの手段で貢献できれば幸せですね!昔ほどは、良い意味で拘り過ぎなくなりましたね(笑)

▼お二人が参加しているプロボノ団体
特定非営利活動法人 NPOコミュニケーション支援機構(a-con)
ホームページ:a-con | NPOの広報を社会人・学生ボランティアがサポートする中間支援組織

 

【編集後記】
今回のイベントとインタビューの前と後では、私の中でのボランティアに対するイメージがガラッと変わりました。自分の将来に何か迷いや悩みがある方は、是非、プロボノ活動に参加してみてはいかがでしょうか。
そして、プロボノに限らず、自分の知らない世界に飛び込んでみることがすごく大事だなと、再確認した一日でもありました。

第1回
ビジネスパーソンは今すぐ参加すべき!?スキルアップ、人脈形成、社会貢献…これ、全部プロボノで実現できます
第2回
「今、私にできること」が「未来の自分の選択肢を広げること」になる—プロボノという新しい社会貢献のカタチ
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