チャンスの神様は前髪しかない!働くママに勇気を与える、ある女性のヒストリー ──オクシイ株式会社

チャンスの神様は前髪しかない!働くママに勇気を与える、ある女性のヒストリー ──オクシイ株式会社

チャンスの神様は前髪しかない!働くママに勇気を与える、ある女性のヒストリー ──オクシイ株式会社

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世田谷の閑静な住宅街──

静かで自然溢れる通りを歩いていると、ふと目に入る可愛らしい建物。ここ、マフィス馬事公苑には、社長と二児の母を兼任するパワーみなぎる女性がいるとのこと。一体どんな方なのでしょうか?いざ潜入です。

こんにちは!

高田 麻衣子(以下、高田):あら、いらっしゃい。お待ちしておりました!

初めまして(シンデレラのような登場シーン!)本日はどうぞよろしくお願いいたします!

お美しい高田さんの登場にときめきながらも、オルゴールの優しい音色と子どもたちの笑い声の中で取材がスタートしました。

【Maffice馬事公苑】
〒158-0098 世田谷区上用賀1-25-20 
TEL.03-6432-7680
[平日]9:00〜18:00(夏季休暇、年末年始、土・日曜日・祝日休館)

第1回
チャンスの神様は前髪しかない!働くママに勇気を与える、ある女性のヒストリー ──オクシイ株式会社
第2回
待機児童問題なんかに負けない!世田谷で自分らしく働く3人のママのストーリー ──オクシイ株式会社

高田 麻衣子(たかた まいこ)

オクシイ株式会社代表取締役。 1977年生まれ。大阪市立大学卒業後、不動産デベロッパーなど数社で不動産廻りのフロントからバックオフィスまで全般的な業務に従事。プライベートでは1男1女の母。多くの女性に、子育ても仕事も自分らしく欲張りに楽しんでもらいたいとの思いから、2014年に独立し、世田谷区内に保育サービス付きシェアオフィス「Maffice馬事公苑」を開業。

最後は勢い!一人のママが日常に疑問を感じ、起業するまで

マフィスはどんな施設なんですか?

高田:一言で言うなら、“ママの「はたらく」を応援する保育サービス付シェアオフィス” です。同じ施設内に大人の空間と子どもの空間が分かれて存在していて、子どもは保育スタッフと一緒に遊び、大人は自分の仕事にじっくり取り組める場所です。

コワーキングスペースやシェアオフィスとはまた少し違うんですね。マフィスのような施設は今まで見たことがありません。立ち上げの経緯を教えていただけますか?

高田:最初のきっかけは、自分自身が子育てをしながらフルタイムで仕事をするワーキングマザーだったということです。マフィス立ち上げ前までは、不動産業界という男性社会の中で仕事をしてきたんですが、どうしても会議やアポで帰宅が遅くなることが多くて。いつか子どもを産んでも仕事を続けたいと思っている中で、これだとどうしても難しいだろうなと思っていて。

男性社会の中だと、なかなか理解されがたい部分もありますよね。

高田:そうなんです。そんな想いを抱えながらも、27歳の時に新しく広報の仕事にチャレンジして、結婚もして。頑張りが評価されて管理職になったのがちょうど30歳の時。でも、管理職になってほんの1ヶ月も経たずに、自分が妊娠していることが分かったんです。

ええっ!?(驚)

高田:でもその時は「チャンス!」って思ったんです。私は女性初の管理職になったんですが、そんな私が妊娠・出産を経て復帰して、以前と同じ仕事のクオリティを出していたら、ワーキングマザーでも頑張れば子育てと仕事を両立して、時間ではなく成果で仕事をしていけるんだ!ということを体現できるのではと感じました。

高田さん、すごく前向きですね。

高田:でも、育休を取得して復帰間近という時に、別の部署に移動になったんです。「次の上司は子どもがいる女性らしい」っていうアウェイな雰囲気の中での復帰でしたが、成果を出しながら少しずつ受け入れられてきたところで、今度はなんと第二子の妊娠が発覚して。

えええっ!?(驚)

高田:2人目の時は3ヶ月で復帰したんですけど、1人から2人に増えたことが思った以上に大変でした。自分でコントロール不可能なことが増えるのに加え、気持ち的にも上がったり下がったりで。もっと日常が楽になればいいのに…といつも感じていました。

そんなことを考えていた時に東日本大震災があって、友人から「子どもを連れて実家に行った方がいい」とアドバイスされたんですが、私は既に仕事復帰をしてしまっていて…。実家に行くとなると、退職するしかないんです。その時、私の仕事は自分の子どもを危険に晒してまでするべき仕事なのだろうか?と考え始めました。

同時に、日々の子育てと仕事の両立も大変だったことから、「家、保育園、会社」のトライアングルが小さくなればなるほど、もっと世の中のママは楽になるのに…と感じたんです。離れたところにある、家・保育園・会社の距離を毎日往復していると、身体がじわじわ疲れて、最後には疲労骨折してしまいそうになるんですよね(笑)

ワーキングマザーだからこそ気づけたポイントですね。そこから起業されたんですか?

高田:実はそこから会社を辞めるまで3年弱かかりました。どこまでいっても「起業するぞ!」という最後の決断がなかなか下せなくて。その一番の理由はお金。世の中にありそうでないサービスは無いなりの理由があるから「それをちゃんと明確にしないとお金は出せない」という人が多かったんですが、その頃はそれが分からなかったんです。紆余曲折を経て、結局最後は「えいやっ!」でした(笑)

踏ん切りがついた理由は何だったんですか?

高田:理由は2つあって、1つは「マフィス」にぴったりのこの物件に出会えたこと。緑あふれる環境にあって、丸みのある可愛らしい建物で、賃料も私の出せる範囲内。そして驚いたのが、ここは元絵本美術館で、オーナーさんが子どもが好きでやっていたということ。「女性の活躍を応援できるような施設だったらぜひお貸ししたいわ」と、快く協力してくれたんです。

素敵な巡り合わせですね。

高田:本当にそうですよね。そしてもう1つの理由はお金。自分の持っていた金融資産が、本当にたまたまなんですけど…最適なタイミングで跳ね上がったんです。このお金と退職金があったら、マフィスが安定稼働に乗るまで多少時間はかかっても大丈夫なのではないか、と思ったら気持ち的に踏ん切りがつきました。

念願が叶いましたね。

高田:「やりたい!」という気持ちが3年消えなくて、私がやろうとしていることは世の中が向かっている方向と絶対合致しているという自信もありました。後は何かの掛け違いがあるだけで、そこをしっかり見極めることができれば絶対上手くいく!と感じて、最後は見切り発車でした。

何もやらずに時が経って「私も実はあんなことやりたかったんだよね」と言うおばさんにはなりたくなかったんです。チャンスの神様は前髪しかないっていうじゃないですか(笑)もしかしたら借金を作るかもしれないけど、健康な身体と子どもたちさえ失わなければ何とかなると感じましたね。

マフィスに訪れる、たくさんのシンデレラガール

たくさんの苦労や紆余曲折をを経てここまで来られたのを感じます。では逆に、マフィスを作って嬉しかったことは?

高田:「シンデレラガール」みたいな人にたくさんめぐり逢えたこと!マフィスには素敵な方が本当にたくさん集まってくれるんですが、そんな人達が子育てと仕事の最適なバランスを見出せなくて葛藤してたところから、マフィスで視界が開けて次のステップに上がっていく例を何度も見てきました。

その中でも、フードアナリストの「とけいじ千絵」さんは、マフィスを利用されてから大きくステップアップされた一人で。彼女はマフィス開業時に一番初めに申し込みをしてくれた方なんですが、以前は弁護士を目指して、ロースクール時代には大きなビルの事務所でインターンしていたこともあったそうです。

結果的に弁護士の道には進まなかったんですが、その理由の1つが「弁護士として素晴らしい女性はたくさんいるけど、ワーキングマザーとしてのロールモデルを自分の中で見つけられなかった」ということ。その後結婚して一度専業主婦になったんですけど、そこからフードアナリストの勉強をし始め、自分の軸足を「子どもの味覚」や「食育」に絞り始めたんです。しばらくは自宅でお仕事をしていたんですけど、徐々に外に出る仕事が増えて…途中からマフィスを使ってくれるようになりました。

マフィスを利用したからこそ、自分らしく仕事ができたんですね。

高田:お子さんを預けながら本格的に仕事をしたことで、どんどん売れっ子になっていきました。波に乗ってからは本当にすごくて。講座募集開始の3分後には満員になったり、有名メディアで連載が始まったり。

こういう結果になったのは、彼女自身のポテンシャルの高さが一番なんですけど、そんなポテンシャルの高い女性に適時適切な環境が整っていると、子育てが足かせにならずに飛躍していくことができるっていうことを改めて実感させてもらいました。現在、彼女にはマフィス横濱元町の給食監修もお願いしているんです。

ワーキングマザーの時間換算がまだまだ多い中、こういうママは本当に頼もしいです!

みんなの我慢の寄せ集め?子連れ出勤の疑問点

マフィスには素敵な女性が集まってくるんですね。

高田:本当にそうです。仕事に対する信念もあるし、プロ意識も高い。そういう優秀な女性ってすごくたくさんいるのに、出産を経ていざ復帰しようとしても、優秀なスキルを活かすような雇用先がない。中途半端な女性活用しかされていないのは、今の日本の問題だと思っていて。自分の能力を発揮する土壌として、そして子育てを楽しむきっかけとしてもマフィスを使ってくれればいいなと思います。

高田さん自身も2人のお子さんがいらっしゃいますよね。マフィスに来ることはあるんですか?

高田:はい。息子がまだ小さかった頃はたまに一緒に来ていて、私の働く姿を見ていました。そしたら「ママの仕事はマフィスなんだよ。ママが社長だから、僕も大きくなったら社長になりたい」って学校で話していたり(笑)

母親が仕事をする姿って、子どものキャリア形成にすごく良い影響を与えると思うんです。日中は丸々保育園に預けられて、朝と夕方、ママのイライラしてしている姿しか見せないっていうのはもったいない。子どもたちが自分の親の仕事を身近に感じられる距離感っていうのは、マフィスですごく大事にしていきたい部分ですね。

「子どもたちが自分の親の仕事を身近に感じられる距離感」でいうと、最近では子連れ出勤というのもありますよね。

宮崎:実は、高田は「子連れ出勤、ちょっとどうなんだろう?」と思っている派で。

__宮崎晴美(みやざき はるみ)
オクシイ株式会社 PRマネージャー。ご自身も2児の母。

そうなんですか!何故ですか?

宮崎:いくら子連れ出勤が推奨されていても、オフィス自体は子どものためのスペースではないですよね。だから、子どもを連れていっても「ちょっとiPad見て静かにしてて」とか「会議だから静かにしてて」と言うことも多いんです。子どもが我慢しなければいけない環境って子どもにとって本当にいいんだろうか?と思う部分があって。

どうしても預ける先がない時に「連れて行ける」環境が作られるのはいいことだけれども、それが毎日だったりすると、「子どもにとっての環境」をきちんと考えなければいけないと思うんです。

高田:オフィスに子どもを連れてくる母親自身も、子どもに我慢させて、自分も我慢して、ましてや仕事相手にも我慢してもらうっていう、みんなの我慢を寄せ集めて1つの形を作っているのはやっぱり自然なことではない。分けなきゃいけない部分は分けなきゃいけないと思うんですよね。大人社会や男性社会に、女性や子どもが無理に合わせようとしているけど、それってどこか無理があって、ごまかしやひずみが生じてる。そういうごまかす時間は子どもにとって本当に良いものなんだっけ?無理に合わせなきゃいけないんだっけ?というのがマフィスの考え方です。

なるほど…すごくしっくり来ます。では、今後マフィスとして実現していきたいことはなんですか?

高田:今、マフィスを馬事公苑、横濱元町と2つオープンしましたけど、たった2つではまだまだ働き方の変革にはなりません。幼稚園でも保育園でもなく、0でも100でもない女性の働き方…子どもの成長を近くで見守りながら、自分の仕事も諦めないっていう1つの選択肢が世の中の認識として定着するまで、まだまだ先は長いと思っています。

1つだけだと「ああ、頑張ってるんだなあ」だけど、2つこういう施設があると「あ、事業として成り立つんだ!」と周囲の見方も変わってくると思います。そうすると競合も増えるだろうし、そういう働き方を選ぶ人も増えてくる。このジャンルでのマジョリティを取っていきたいというのは1つの夢としてありますね。

なるほど。では最後に、世の中の女性やママがどのように働いていってほしいと思いますか?

高田:世の中としては、時間軸ではなく仕事内容に対して評価をしていく仕組みがもっと広がっていってほしいなと思います。午前だけ働きたい!っていう優秀なママはたくさんいると思うんですけど、企業のコアタイムってどうしても10時〜15時だったり、午前から午後にまたがっていたり。コアタイムの概念を少し変更するだけでも、ママの働き方は大分変わると思うんですよね。

世の中の多くの人は、子どもがいることで望み通りに働けずうずうずしてる優秀な女性がいかに多いかということに、早く気づくべきだ!!!と思いますね(笑)

一同(笑)

編集後記

終始和やかに進んだ取材。そんな取材中、時折姿を見せる保育スペースの子どもたち。「なんだか知らない人がいる…」とちょっと緊張したような、照れたような表情に心が和みます。元絵本美術館だというマフィスの建物も、ママと子どもたちを優しく受け入れ「大丈夫だよ、うまくいくよ」と優しくエールを贈ってくれているように感じました。

ご自身の経験から自分の働き方を見直し、また現状の「当たり前」に疑問を感じ起業をした高田さん。日常の「なんで?」に目をつけ一歩踏み出すことで、新しい世界が開けるということを教えてくださいました。

さて、次回は実際にマフィスにお子さんを預けながらお仕事をされているママ2人にインタビュー。どのように子育て、そしてお仕事をしているのでしょうか?働くママの「今」に迫ります。

今回お話を伺った企業
ママを助けるシェアオフィス Maffice
オクシイ株式会社

第1回
チャンスの神様は前髪しかない!働くママに勇気を与える、ある女性のヒストリー ──オクシイ株式会社
第2回
待機児童問題なんかに負けない!世田谷で自分らしく働く3人のママのストーリー ──オクシイ株式会社
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