社員の熱意とパフォーマンスを爆上げする新人事プロジェクト「フルスイング」──DeNA

社員の熱意とパフォーマンスを爆上げする新人事プロジェクト「フルスイング」──DeNA

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ゲームからヘルスケア、スポーツまで幅広いサービスを行い、ユーザーに価値を提供するDeNA(ディー・エヌ・エー)。躍進の背景には、社員の能力を最大限に引き出す人事の取り組みがあります。

これまでも現在の仕事のフィット度を定点的に知る「キャリアマネジメントアンケート」などを実施してきましたが、2017年10月からは「フルスイング」という新たな人事プロジェクトがスタートしました。

同社ヒューマンリソース本部本部長の對馬誠英さんに、人事として社員の能力をどう引き出し、活用していきたいのかなどについてお話を伺いました。

對馬 誠英 (つしま まさひで)

執行役員 ヒューマンリソース本部 本部長 経営コンサルティング会社を経て2005年にDeNA入社。広告営業、アライアンス営業を担うインターネットマーケティング部の部長を経て、2012年にHRへ転身。HRでは採用マネージャー、人材企画部長、HR統括部長を経て2017年より現職。柔軟かつスピーディな同社の事業戦略を下支えする人事戦略全般を担う。

熱意を持って力を発揮するという"ガチな感じ"を表現したい

「渋谷ヒカリエ」の21階にあるDeNAさんのオフィス。まるでホテルのラウンジのような、オシャレで広々とした会議室で取材させていただきました。取材班は「なんて仕事が捗りそうな空間!新鮮なアイデアが次々と浮かびそう!︎」とワクワク。

取材に応じてくれたのは、学生時代野球に熱中していたという對馬さん。爽やかな笑顔が印象的です。

「フルスイング」とは、とってもキャッチーなプロジェクト名ですね!名前の由来とプロジェクトの概要について教えてください。

對馬 誠英(以下、對馬):フルスイングとは、社員全員が熱意を持って働き、能力を100%発揮できる環境を作ることを目的とした人事プロジェクトの総称です。人がパフォーマンスを最大限に発揮するには、チームの状態やオフィス環境、報酬に満足しているかなど、様々な要因が絡みます。人事として、文字通り社員がフルスイングできる環境を整えたいと思いました。

当社は野球チームを持っています。コミット高く、熱意を持って力を発揮するぞ、というガチな感じを表現したいと思い、フルスイングと名付けました。

その想いは十分に伝わってきます!では、フルスイングを作ろうとしたきっかけは何ですか?

對馬:本質的に社員の生産性を向上させるためには、仕事への熱意を高め、個人の能力とやりがいを最大限に引き出すことが重要であると考えています。

そこで、2015年から、社員のモチベーションを定量的に把握しようと、「仕事のやりがい」と「自分の能力を発揮できているか」というシンプルな2択のキャリアマネジメントアンケートを毎月実施しています。

直近の結果では「やりがいをもって、能力発揮をしている」と答えたのは6割でした。残りの4割は現状に何らかの不満を抱えているわけですが、私は「彼らには伸びしろがある」と捉えています。条件を整えれば全ての人材を活用できると考えたのです。

今年8月からは「シェイクハンズ」という制度が始まっていると聞きました。どんな内容なのですか?

對馬:社員本人と受け入れ先の事業部の本部長が合意すれば、現・所属部署の意向にかかわらず部署異動ができるという制度です。希望は本人・部署のどちらからでも可能です。大切なことは、「本当にやりたい!」という熱意があるかどうかです。社員のコミットが高くなれば成果が上がり、フルスイングする社員が増えることを期待しています。

ただシェイクハンズには次の2つの条件があります。入社して1年経った社員であることと、一度異動すると1年半は次のシェイクハンズの権利がないことです。それだけに、異動する本人にも引き受ける部署側にも覚悟が必要です。本人から異動の意思があった場合は、マネジャーは本人の成績や人柄、熱意などを慎重に見極めます。当然ながら一度の面談で決まるものではなく、対話を繰り返しながら双方が合意すればめでたく「握手」となります。

異動をしなくても、キャリアを自分ごとと捉えるきっかけに

強い覚悟が必要なシェイクハンズですが、実際に部署異動が成立したケースはどれくらいあるのでしょうか?

對馬:20件を超える「握手」が成立しており、「動き出しているな」という感覚です。人事などコーポレート部門に所属する社員が「事業の前線でチャレンジしてみたい」という想いで事業部門に異動するケースや、反対に営業部門の社員が「自身の経験を人事で活かしたい」と異動するケースもあります。

ただ個人的には部署異動をするかしないかだけでなく、シェイクハンズによって社員が自分のキャリアを主体的に考えられるきっかけになっていると感じています。

なるほど、詳しく教えていただけますか?

對馬:入社数年目の新卒社員の話なのですが、彼女は入社以来ずっと同じ部署で経験を積み、現在はリーダーとして活躍しています。ある部署から「うちに来ないか?」と声がかかったことをきっかけに、「自分の強みに気付けた」と話していました。彼女は結局現在の部署に残ることを決断しましたが、より高いコミットで今の部署で成果を出すという想いを僕に宣言してくれて、嬉しかったですね。おそらく、社内では同様のことがたくさん起こっていると思うんです。

これからは、自社・他社を問わず会社間の垣根がなくなっていきます。こうした状況の中で豊かに生きるには、「自分は何をしたいか、どういう能力を持っているか、どういう人生を歩んでいきたいか」などを把握していることが重要だと思うんです。できるだけ早い段階で、自分の強みや人生のあり方に気づいて欲しいと思っています。

とても素敵ですね!

仕事を掛け持ちすることでプロ意識を養う

10月からクロスジョブ制度と副業制度が始まりました。具体的な内容と社員の方の反応を教えてください。

對馬:クロスジョブは、現部署に所属しながら業務時間中で最大3割を他部署の仕事ができるという制度です。いわば社内副業ですね。シェイクハンズと違って異動を伴わないので、シェイクハンズ希望者が前段階的な使い方をすることもあるかもしれません。

副業制度は、社外で仕事ができるようにするものです。社内ですぐにできない業務などに挑戦できます。

どちらも自分が好きでやるわけなので、頑張って取り組み、モチベーションが上がることを期待しています。また、従来の仕事に加えてもう一つの業務を兼務するわけですから、仕事に対する責任はより高まると考えます。いい加減な仕事をしては評価はされません。相手に対して高い価値を提供しようとするプロ意識を持ってもらいたいと思います。

副業制度については説明会に100人を超える社員が参加し、既に20件以上の申請が寄せられている状況です。

ちょっと気になるのですが、仕事を掛け持ちして成果が落ちた場合はどうするのでしょうか。

對馬:その場合は、そもそも2つの仕事をすることが適切かどうかをマネジャーとの話し合いで見極めます。場合によっては、ひとつにフォーカスした方がいいのでは、ということもあると思います。

これは人事制度全体に言えることですが、制度を採用してうまくワークしていない場合は、制度を変える、または止めるなど柔軟な対応を行っていきます。制度を採用するからには達成したい目的があります。目的を達成できるかどうかを常に見て、適切にチューニングを行います。

相手の成長を願うからこそ意見をはっきりと伝える

現状で社員が活躍していないのであれば、改善する施策を採用する。人事制度の充実に迅速さが感じられます。DeNAさんならでは企業風土がありそうですね!

對馬:当社では「清々しく、ストレートに」という企業文化を大切にしています。社員が大切にすべきとするDeNA Quality※という5つの行動指標があります。その中に透明性と発言責任があり、思ったことや感じたことはストレートに伝え合います。既出のキャリアマネジメントアンケートでも、匿名ではなく記名式で行います。やるからには改善に繋がらなければ意味がありません。記名式だと改善のサイクルが早いんです。「あ、彼がこう思っているんだ」と受け取る方が迷いませんから。当社では意見を伝えるのに遠慮は一切ありません。それは私に対しても同じです(笑)

DeNA Qualityでは、「こと」に向かう(本質的な価値を提供することに集中する)という考えを重視しており、生産性の向上のために常に本質を見る姿勢を貫いています。こうした土壌が、フルスイングにも繋がっていると考えます。

※DeNA Quality: DeNAでは、チームとして最大限のパフォーマンスを発揮するために、全社員に必要な共通の姿勢や意識として「DeNA Quality」を掲げています。

【DeNA Quality : Delightにまっすぐ向かうチームであるために】

「こと」に向かう
本質的な価値を提供することに集中する

全力コミット
球の表面積を担うプロフェッショナルとしてチームの目標に向けて全力を尽くす

2ランクアップ
自身の二つ上の視座を意識して仕事に取り組む

透明性
チームで成果を上げるために、正直でオープンなコミュニケーションを心がける

発言責任
役割にかかわらず、しっかりと自分の考えを示す

 

素晴らしい土壌ですね。では、今後取り入れていきたい制度などはありますか。今後の課題、やりたいことなどをお聞かせください。

對馬:パフォーマンスを高める要素を取り入れ、人材の能力を最大限引き出すことに貢献できそうな施策を進めています。社内の人材を余すことなく、全員がフルスイングできるように。

人事プロジェクトと同じ名前のオウンドメディア「フルスイング」を10月2日にローンチしました。新しい施策など役立つ情報や告知をしていきます。

お忙しい中、ありがとうございました!

編集後記 取材を終えて

「人事の施策は、どういう会社、どういう組織を作りたいかがストーリーとして繋がっていることが大切」と目を輝かせて仰ってた對馬さんの姿が印象的でした。

一般的には人事は裏方の存在になりがちですが、貴重な人材をどのように活用し、事業を展開、発展させていくかという非常に重要な役割を担っています。常に本質を見つめ、成果を出し続けるにはどうすればいいかを考える同社の考え方に感銘を受けました。

フルスイングというキャッチーかつシンプルなプロジェクト名から、「空振りを恐れず、思い切り仕事をするぞ!」というガチな感じと覚悟を感じ、自身の仕事に対する熱意もさらに刺激を受け、背筋が伸びる思いでした。

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