出戻り・赤字からの復活劇!? 経験者だから語れる「複業」の良いところ辛いところ

出戻り・赤字からの復活劇!? 経験者だから語れる「複業」の良いところ辛いところ

トークセッション1の内容についてご紹介した前回の記事に引き続き、今回は『複業LIVE - 見つけよう!あなただけのパラレルキャリア』の中の「うまくいってる?!」「私、こんな複業してます」パラレルキャリアという働き方トークセッションの内容をご紹介します。

特に今回ピックアップする高荷さん、ナカムラさんは、現在の状態に至るまでに様々な苦労とそこからの復活劇を経験されています。そんな複業の先人たちだからこそ語れる内容をご覧ください!

第1回
複業LIVE登壇者に学ぶ、“凡人レイヤー”から始める複業の道
第2回
出戻り・赤字からの復活劇!? 経験者だから語れる「複業」の良いところ辛いところ

映像ディレクター&ブックカフェ店主 ナカムラ クニオ

荻窪のブックカフェ「6次元」店主。映像ディレクター。著書に『人が集まる「つなぎ場」のつくり方――都市型茶室「6次元」の発想とは』(CCCメディアハウス)、『パラレルキャリア』(晶文社)などがある。年間200回ほど本にまつわるイベントを企画、読書会やその場で小説を書くワークショップなどを開催。

コニカミノルタジャパン株式会社 ソリューション事業本部&株式会社CMM CEO 高尾 理雄

2013年CACエクシケアに入社し、製薬会社の新薬開発業務のソリューション営業を行いながら、翌年2014年に株式会社CMMを設立・起業。調剤薬局、ドラッグストアの業務コンサルを主として、事業開始。現在は、コニカミノルタジャパン株式会社に勤務し、サラリーマン+会社社長として2足の草鞋を実行・実現中。

株式会社エンファクトリー・サービスディレクター&ソナエルワークス・防災専門家 高荷 智也

「専門家と生活者のWebマッチングサイト「専門家プロファイル」のマーケティングの一環で”自称・防災の専門家”の活動開始。防災アドバイザーの肩書きで講演・執筆・メディア出演・コンサルティングと活動を広げる。現在の本業はシステム開発のディレクター、地方在住の新幹線通勤者でもある。

高荷さんの複業のきっかけ:自分で立ち上げた「防災ブログ」

── 高荷さんは2007年、現職の株式会社エンファクトリーの前身に当たる会社に入社された際に、自身で興味のあった「家庭の防災」をテーマにしたブログを始めます。

その後、さらに防災の活動に本腰を入れるべく、実名・顔出しで登録することを決意。するとその翌月、男性向け雑誌から初めて仕事の依頼が届きます。さらに2015年には念願の書籍を出すことに!順風満帆に見えた複業生活ですが……


エンファクトリーに勤務しながら「防災アドバイザー」としても活動されている高荷さん

高荷:ちょっとずつ仕事も増えて来て、「防災1本で食うぞ!」と思って2015年の夏に独立したんですね。

ところが、その後は全然儲からなくてですね…。本当に売り上げが上がらなくて、2016年の4月1日にエンファクトリーの加藤代表に頭を下げて、「すみません。本当に儲からないので、出戻りさせてください!」って言って、エンファクトリーの社員として戻ってきました。

── それ以降、高荷さんはエンファクトリーでの仕事と、防災アドバイザーとしての仕事を並行して行うというスタイルに切り替え、現在は熊本地震の仕事が急増した(※取材当時)こともあり、再び忙しい日々を過ごされているそうです。

ナカムラさんの複業のきっかけ:ずっとやりたかったカフェの物件との出会い、そして年齢によるタイミング

── ずっと民放の制作会社のディレクターとして勤務されていたナカムラさん。ある日、上司が年下の方になり、意見の違いなどもあり、自分の作ったVTRを見せても「つまらない!」と連日怒られ続ける日々を過ごしたと言います。


昼間は映像ディレクター、夜はブックカフェ「6次元」の店主を務めているナカムラさん

ナカムラ:何かもう辛くなってきたなって、悩んでいたんですね。ちょうどその時に、ずっとやりたかったカフェの物件が空いたのをたまたま見つけてしまったので、思い切って購入。迷いなくパラレルに移行しました。

でも、正直年齢的なものもありましたね。多分、これが30歳とかだったら思い切らなかったのかも知れないですけど、特に40歳くらいになると「もう人生の半分来たんだ…」とか、みんな思うんじゃないですかね。そういう想いもあって、思い切ってパラレルにするという人は多いように感じています。

複業で経験した失敗。そこから起死回生のアイディアで一転、成功へ!

── その後、ナカムラさんは念願のカフェを始めるも、お客さんのことを想うあまり、コーヒーに使う「豆」にこだわり過ぎて、最初の3年ほどは赤字に陥っていたと言います。そんな中、状況を打開してくれたのが「読書会」でした。

ナカムラ:読書会だと、その間お店を貸切るわけなんですけど、そこで何をするかというと、本のタイミングに合わせて音楽をかけたり、料理を出すだけなんですね。それでも参加者が30人であれば、1人5,000円で半日でも15万円の利益が出るわけです。それでこんなやり方もあるんだなということを、失敗の中から気づきました。

まあその辺は今でも成功と失敗を繰り返しながらやっているんですが、失敗の中から“意外なもの”が人を呼べるんだなということを学んだんですね。

例えば、一時期お金が本当になくなってヤバイな・・という時にやったのが、「断食カフェ」です。何も出さない、何も出さなくていい。これをやったら、ものすごく人が来て(笑)「さあ、みなさん今から断食しましょう」とか言って、水も出しません、携帯の電源も切って下さい、とか言って(笑)そうすると、参加者の方々はみなさん満足度が高くて、「またやってくださいね!」とか言われるんです!

それにすごく儲かるわけですよ。30人が来れば2時間で6万円くらいの利益が出る。そういうのを結構やりましたね。

── そして話題は複業実践者ならではの経験談に。

複業の目的が「お金」の場合は覚悟せよ。「好きなこと」でなら遊び半分の感覚で仕事ができる

高荷:僕の本業はサラリーマンなわけですが、めちゃくちゃ忙しいです。防災の仕事もまだ本業への階段を上がっていく最中なので、忙しいです。

朝、起きて、新幹線に乗って会社に行って、昼間は日が沈むまでずっとシステム開発の仕事をして。定時が18時半なんですが、それが終わってから防災の方の仕事をやって、帰りの新幹線の中はまた業務時間という感じです。なので土日も含めると結構仕事はしてますね。吐きそうなくらい仕事はしています。

だから、もし複業をお金のためにやるのであれば、やっぱり覚悟は必要だと思うんですね。それは忙しくしていないと儲からないからです。特に初期の段階は。なので、自分の嫌いなことで複業を始めてしまうと、多分死んじゃうんじゃないかと思うわけですよ。

僕の場合は防災が趣味なので、例えば家に帰ってゾンビの映画を見ながら、ネットショップの箱詰めとかをしているんですね。

雑誌の仕事で「ゾンビの倒し方」についても書いているので、その時間は趣味でもあり、貴重な資料集めの時間でもあるわけなんです。

あとは新幹線の中でも「死なないための防災」みたいな本をよく読んだりしています。なので、防災の方の仕事はものすごく拘束時間は長いんですが、個人的な感覚では半分くらいは遊んでいるという感覚なので、好きなことを仕事にスタートすることが大事なんじゃないかなと思います。

── そして、最後には「これから複業を始めたい人たち」に向けてのアドバイスが。

「好き好きマーケティング」で次の仕事を作る



ナカムラ:僕は会社員を辞めてから顔出ししてなかったんですけど、ある日Twitterのアカウントを実名にして顔出ししてみたら、その次の日に仕事が来たんですよ。たまたま本屋さんを取材していて、「世界の本屋さんの連載をしたいです」ってツイートしたらTwitter上で仕事をもらえて!

顔出ししてやりたいことをやりたいって言っていると、仕事ってもらえるんだなと思いましたね。

それからは、次こういう仕事をしたいなって思ったら、意図的に発信するようにしています。しかも、かなりフライング気味に。僕はそれを「好き好きマーケティング」って言ってるんですが、何よりも効果があると思っています。

まだ、ちょっと思ったくらいのタイミングで全然いいんです。イメージを早めに言ってしまう。そういう仕事の作り方もあるんじゃなかって思っています。

顔、名前、自分ができること、それに対する値段を全部書く

高荷個人で仕事をしていくときに重要なのは、「お金をください」ってちゃんと言うことです。そうしないと絶対にもらえません。ですので、ブログをやるんだったら名前、顔を出すこと。できれば本名がいいですが、必ずしも本名でなくても構いません。

そして、自分は何ができるのかということを死ぬほどブログに書いてください

インターネットの世界ではそこに書いてあることが自分のすべてなので、お金が欲しいなら自分ができることをWeb上に出しきって、「こういうことができます!強みはこれです!この価格でやります!」というのを恥ずかしいくらいに全部書くと。

そうすると、ようやくネットの中で自分という存在ができて、お金をくれる人が現れてくれるかも知れません。

「誰かが見てくれるかも知れない」というのは、ネットの世界では絶対にあり得ないので、複業の中でお金が欲しいと思うのであれば、自分ができること、値段、そういったことを全部書くというのがとても重要です。ぜひ、これは実践していただきたいなと思います。

「複業」が珍しくない時代がすぐそこに・・?

今回のイベントに参加して感じたのは、まず登壇者の方、みなさん一様に「忙しい」ということを口にされていたことです。

複業をするということは、言うまでもなく、これまでの仕事に新しく仕事を追加されているわけですので、別のことに使っていた時間を削るなど、時間の使い方を見直す必要性に迫られます。(「実際、家族に迷惑をかけています…。」という声も聞かれました。)

その一方で、これまたみなさん、表情や語り口から、複業から得られる「充実感」がビシビシと伝わって来ました。

おそらく、それは漠然とした将来への不安に対して実際に行動を起こすことができているという自負や、それによって得られる対価、本業では得られなかった経験など、主体的に一歩踏み出せた人だからこそ得られた「財産」によるものなのではないかと思います。

今回のイベントを通じて、また一人、二人と「複業に対する関心が高まった」という人が増えたはずです。この「複業」は、新たな可能性を広げるための手段として、市民権を得ると見て間違いなさそうです。

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