好きな時間に、好きなことを。「公」と「私」の境目がない、田舎の新しい働き方。―京都府南丹市美山町大野

好きな時間に、好きなことを。「公」と「私」の境目がない、田舎の新しい働き方。―京都府南丹市美山町大野

2016年2月16日に、南丹市美山町大野で開催された「空家活用プラン検討会」に応募し、見事、サテライトオフィス(古民家)の開設を勝ち取った株式会社エピテック。エピテックは、町づくりの支援を主な事業として行っております。これから、美山町大野でどんなことをして行きたいのか?松冨さんご自身はどんな生活を送っているのか?いろいろとお話を伺ってきました。

松冨 瑞樹(まつとみ みずき)

株式会社エピテック 取締役キャリアデザイン部総括部長。関東で街づくり関連の仕事をしており、2016年6月に京都府南丹市美山町大野にサテライトオフィスを開設。田舎暮らしを始めて新しい自分を開拓中。

京都府南丹市

人口:32,893人(2016年10月1日現在)
・・・2006年1月1日に船井郡園部町・八木町・日吉町、北桑田郡美山町が合併して誕生。大阪府(豊能郡能勢町)、兵庫県(篠山市)、滋賀県(高島市)、福井県(大飯郡おおい町)の4つの府県と隣接している珍しい場所に立地している。子育て施策は、子育て医療費助成や子宝祝金などがあり、他の市町村よりも比較的充実している。また、民間の出版社の調査による「決定!50歳からの住みよい街ランキング」においては、南丹市は三大都市圏の258の自治体の中で8位にランキングされる。京都医療科学大学、京都美術工芸大学、明治国際医療大学、京都建築大学校、京都伝統工芸大学校、公立南丹看護専門学校、佛教大学園部キャンパスなどが立地しており、学生が行き交う町でもある。
参考:京都府南丹市 定住促進アクションプラン 2014-2017

まさに「天からのお告げ」絶好のタイミングで舞い込んできた、サテライトオフィスの募集

 

—— すごく素敵な古民家ですね!

松冨 瑞樹(以下、松冨):ありがとうございます!この場所は、南丹市さんと地域の方々が協力して用意してくれたんですよ。 

—— あ、そうなんですね!そもそも、なぜ南丹市にサテライトオフィスを?

松冨:もともとうちの会社は、「町づくりの支援」をしている会社なんですね。今までは、神奈川や栃木、茨城など関東を中心に、いろんなプロジェクトを手掛けてきたんですけど、関西の町づくりもしたいなってずっと思ってたんですよ。そんな矢先に、南丹市が主催する「空家活用プラン検討会」があることを知って。簡単に言うと、この検討会で、「空家を活用して、どのように地域の活性化を図るのか?」というプレゼンをして、選ばれたら、南丹市さんの協力をもらってサテライトオフィスの開設ができるという、何とも願ったり叶ったりのビッグチャンスだったんですよ!これは応募するしかないなと。

—— 絶好のタイミングだったんですね!

松冨:ですね(笑)実は、学生時代に南丹市の方と交流があって、それがキッカケで何度か南丹市に遊びに来たことがあったんですよ。もう、天からのお告げとしか思えなかったですね(笑)

—— それは凄い(笑)では、その「空家活用プラン検討会」でプレゼンをして、選ばれたってことですか?

松冨:そうです!想いが叶いましたね!南丹市さんは、地域住民の方々と一緒になって地域を盛り上げたり、地域の魅力を発信したり、大使のような存在を求めてたんですよ!うちも、地域の方々と一緒になって町づくりをしていきたいという想いがあったので、まさに相思相愛でした(笑)

—— なるほど。具体的に、どんな取組みをしようと思っているのでしょう?

松冨:「空家活用プラン検討会」でもプレゼンさせて頂いたんですけど、地域の方々と一緒になって、企業や学生を対象に、地域特性を活かした研修プログラムを作って、地域の課題解決をしたいなと思ってますね。

地域住民と若者の課題を同時に解決する、新しい地域活性のカタチ

 

—— 美山町って、どんな地域特性なんですか?

松冨:まず美山町の平均年齢が50歳を超えていて、60歳以上の方が多い町なんですね。インターネットに触れたことがない人もたくさんいるんですよ。だから、コミュニケーションの手段は専らリアルな対話なんです。携帯に電話しても出ないこと多いんですよ(笑)だから、家まで行って「ピンポーン」って鳴らした方が早いっていう…(笑)

—— (笑)

松冨:要は、リアルなコミュニケーションに長けているし、何より対話が好きですよね!例えば、今の若い世代の方って、デジタルなコミュニケーションには長けていると思うんですけど、リアルなコミュニケーションは苦手な人が多いように感じていて。だから、農業体験だったり、老朽化した家の修理作業を通して、コミュニケーションの向上を目的とした研修プログラムとか面白いのかなと。高齢者が多いので、地域の方々も助かるのかなって。

—— お互いの課題解決ができるプログラムですね!地域活性という目線で見ると、交流人口が増えることで、美山町での消費が増えると思うので、そういう面での貢献もありそうですね!

松冨:そうですね!美山町って、「美山かやぶきの里」が有名で、実は年間70万人以上が訪れる観光スポットでもあるんですよ!だから、観光も組み合わせて考えることもできるのかなと。サテライトオフィスの誘致で、定住人口を増やして、こういう地域交流によって、交流人口が増えれば、地域がより活性化していきますよね!

公私の境目がない、自然体な働き方

 

—— まさに地方創生ですね!いつから始める予定なんですか?

松冨:時期は、まだ未定なんです。というのも、地域の方々と一緒にやっていくためには、まずは僕自身が美山の地域に溶け込むことが大事なのかなと。

—— なるほど。敢えて事業化するのを遅らせてるってことですか?

松冨:見方を変えるとそうなりますね。ただ、そうしないと上手く行かないんじゃないかと。最近やっと溶け込めてきたかなって勝手に思ってるけど…どうなんだろう(笑)

—— 松冨さんとお話してて、凄くこの地域だったり、地域の方々のことが好きなのが伝わってきます!

松冨:めっちゃ好きですよ!地区で行われる運動会に参加したり、お祭りに参加したり、みなさんと一緒に掃除したり。後は何と言ってもお酒ですね(笑)

—— よく一緒に呑まれるんですか?

松冨:そうですね!運動会とかお祭りとか何か行事のあとには必ず吞んでます(笑)みなさんお酒を呑むのが好きなんですよ(笑)でも、そのお陰で早く地域に溶け込めたのかなって思いますね。お酒の場って、何でも気軽に話せるじゃないですか。こういう人間味のある付き合いが凄く好きなんですよ。

—— もはや、良い意味で「公」と「私」の境目がないですね!

松冨:全くないですね(笑)平日と休日の境目もないかな(笑)好きなことを好きな時間にしてますね!もちろん、営業に行くこともありますし、今は民泊事業をやってるので、お客様の対応をしたりはしますけど、「勤務時間」という概念自体はないですね!

—— 自然体で仕事をしてる感じですね!ズバリ…仕事は楽しいですか?

松冨:仕事もプライベートも良い意味で公私混同してるので、全てが楽しいですね!特に、地域の方々と人間味のあるお付き合いができていることが凄く幸せで。いろんな方とお話することで、新しい自分を発見できますし、現実世界から隔離されたようなファンタジーの世界に自分が入り込めてる感じが最高ですね!

デュアルライフでより心が豊かに

 

—— ストレスが少なそうですね!

松冨:ストレスを感じることはほとんどないですよ!自分が仕事をしたいときに仕事をして、息抜きしたいときには散歩して…そうすることで、アイデアも浮かびやすいですし、自然環境の中でクリエイティブなものを考えると新しい発見ができます。最初からここに住んでいる人にとっては、その価値はあまり分からないかもしれないですけど。都心から来た人にとっては、生活のギャップが大きすぎて新しいものを発見できることが多いと思いますね!

—— 確かにそれはありそうですね!でも、寂しくなることはないですか?(笑)

松冨:全くないですね(笑)地域の方々との交流も多いですし、一人の時間も楽しめる性格なので。自然って有意義に時間を潰すことができるんです。ちょっと草刈りしようなとか、枯れ葉を集めて、焼き芋しようかなとか。童心に返ることができるんですよ!

—— なるほど!お話してるだけでも、心が豊かになってきた気がします(笑)

松冨京都駅まで1時間くらいですし、そもそも本社が横浜なので、都心部に行くこともありますし、そういう意味では、デュアルライフをしている感じなので、田舎の良さも都心の良さも体験できているのが幸せをより感じられる理由かも知れませんね!

—— デュアルライフ!羨ましいです。幸せな気持ちをたくさんお裾分けして頂き、ありがとうございました!

 

と、ここで無事に取材が終了…かと思いきや、同席して頂いていたキタイ設計の平櫛さんからも、ご質問が!

▼平櫛 武(ひらくし たけし)
キタイ設計株式会社事業開発本部次長。南丹市さんからの依頼のもと、「空家活用プラン検討会」を主催。

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—— 平櫛:私からも質問良いですか?(笑)

松冨:是非お願いします!(笑)

—— 平櫛:誘致活動をしている人に望んでいることがあれば教えて頂きたいです。

松冨サテライトオフィス同士の、横の繋がりを作ってもらえると嬉しいですね。おそらく、似たような想いでサテライトオフィスを開設した方もいると思いますし、一緒に新しいことにチャレンジしてみたり、地域活性のアイデアなどを共有し合えたり、意見交換が出来たりしたらいいなと思いますね。交流を深めて、アイデアをお互いに活用していきたいですね。

—— 平櫛:それいいですね!サテライトオフィスカフェとかサテライトオフィスのシンポジウムみたいなものを作ったら面白そうですね。

松冨:是非そういう企画をして頂けると嬉しいです!

【編集後記】

行政や地域の想いを受けたエピテックは、その想いに応えるため前向きに、そして着実に地域に貢献し、地域住民の方との関わりに熱心に取り組んでいました。本当にこの大野という場所や大野に住む人たちが大好きなんだなぁ…と取材中に何度も何度も感じることができました。

余談ではありますが、松冨さんから頂いた美山茶がとても美味しかったです。ご馳走様でした!

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